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わくわく動物園デート
無知の無自覚
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「けっこう暗くなってきたね」
二人はその日のほとんどを動物園で過ごした。
爬虫類館をスグルくんが気に入ってしまい、なかなか出てこなかったのも大きいが。
「もうそろそろ帰ろうか」
出口に向かって二人は歩き出した。
「ん?スグルくん、あれなんだろう」
ミノルくんが指をさす先には二匹の野良猫がいる。
長く伸びた雑草の中、じゃれあっているのが見えた。
「かわいい猫だね」
ミノルくんは足音を立てないようにそっと近づく。
二匹は全くミノルくんに気づいていないようだ。
「わぁ」
スグルくんもミノルくんの背後から近づき、なにやらぎょっとした様子だった。
「み、ミノルくん、行こうか」
「え、スグルくん、どうしたの?」
「いいから、邪魔しちゃ悪いから…」
スグルくんはミノルくんの腕を苦笑しながらグイグイ引っ張る。
ミノルくんは後ろ髪をひかれながら二匹の猫と別れるのだった。
…
二人は動物園を出ると駐車場でスグルくんのクルマに乗り込んだ。
「夕食に何か食べたいものはある?」
「う~ん、久しぶりにパスタが食べたいな」
「パスタか…うん、じゃあ、家に来るかい?作ってあげるよ」
「わーい!スグルくんの手料理だ!!」
幼い子供のようにミノルくんは足をばたつかせて喜んでいる。
「そんなに喜ぶことかな」
スグルくんは車を走らせながら笑った。
「だって食べたことないもの、スグルくんの手料理」
「そうだっけ」
なんだかんだ話をしているうちにあっという間にスグルくんの家までやって来た。
「ようこそ」
車から降りたミノルくんを恭しくスグルくんが案内する。
「お、お邪魔します!」
まるでモデルルームのようにきれいな部屋に案内されたミノルくんは緊張のあまりカチコチに固まっていた。
「キレイなお部屋だね…」
厳かな照明が反射するガラステーブルにレザーの高級そうなソファ。
大きな画面のテレビとその横には何やら複雑そうなオーディオ機器まである。
スグルくんが料理を作っている間、ミノルくんはそれらをしげしげと眺めた。
「楽しそうで何よりだよ」
二人分のパスタの乗ったお皿を手にスグルくんがキッチンから戻ってくる。
「あ!お手伝いするよ!!」
ミノルくんはキッチンに置かれていた二人分のフォークとワイングラスに入った水を持ってきた。
「ありがとう、ミノルくん。ここで食べようか」
ガラステーブルに置かれたパスタ皿はそれだけで高級感が醸し出されている。
「うわぁ!美味しそう!!いただきます」
大きい画面のテレビを眺めながら二人で床に腰かけてパスタを食べるのだった。
二人はその日のほとんどを動物園で過ごした。
爬虫類館をスグルくんが気に入ってしまい、なかなか出てこなかったのも大きいが。
「もうそろそろ帰ろうか」
出口に向かって二人は歩き出した。
「ん?スグルくん、あれなんだろう」
ミノルくんが指をさす先には二匹の野良猫がいる。
長く伸びた雑草の中、じゃれあっているのが見えた。
「かわいい猫だね」
ミノルくんは足音を立てないようにそっと近づく。
二匹は全くミノルくんに気づいていないようだ。
「わぁ」
スグルくんもミノルくんの背後から近づき、なにやらぎょっとした様子だった。
「み、ミノルくん、行こうか」
「え、スグルくん、どうしたの?」
「いいから、邪魔しちゃ悪いから…」
スグルくんはミノルくんの腕を苦笑しながらグイグイ引っ張る。
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「夕食に何か食べたいものはある?」
「う~ん、久しぶりにパスタが食べたいな」
「パスタか…うん、じゃあ、家に来るかい?作ってあげるよ」
「わーい!スグルくんの手料理だ!!」
幼い子供のようにミノルくんは足をばたつかせて喜んでいる。
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「だって食べたことないもの、スグルくんの手料理」
「そうだっけ」
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「ようこそ」
車から降りたミノルくんを恭しくスグルくんが案内する。
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「あ!お手伝いするよ!!」
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「ありがとう、ミノルくん。ここで食べようか」
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