枕営業から逃げられない

浅上秀

文字の大きさ
上 下
9 / 25
お仕事のお礼編

4話

しおりを挟む
「と、トイレに行ってもいいですか?」

「いいって言うとでも思った?勝手に汚した罰を与えなきゃね」

島田はニヤニヤとしている。
阿部の腹部はもう限界がすぐそこまで見えている。

「おねがいです、トイレに、行かせてください」

「ダメって言ってるだろ~」

「なんでもします、なんでもしますから!」

「うーん、じゃあ、替えのシーツもらってきて」

「え?」

「その格好じゃかわいそうだな」

島田は阿部を風呂場から連れ出した。
そして上からバスローブを着せる。

アナル栓はそのままだった。

「うう、苦しい…」

阿部は思わず蹲った。

「ほら、立てよ」

スーツを着直した島田が阿部を立たせる。
ルームキーを持つと阿部の背中を押して部屋を出させた。

二人でエレベーターに乗り込み、フロントに降りる。

「カウンターに行って新しいシーツもらってこい」

島田はロビーの椅子に腰かけて阿部に言った。

「は、はい…」

阿部は拙い足取りでフロントのカウンターに向かう。
カウンターには先客がいる。

なにやら手間取っているようだった。

「は、はやくしてくれよ…」

阿部はもうお腹が痛くてたまらなかった。



「お客様?どうされました?」

フロントのホテルマンが心配そうに阿部に声をかける。

「あ、あの、新しいシーツとタオルをください」

「か、かしこまりました」

阿部の後ろにいる島田を見て顔色を変えたホテルマンは急いで言われたものを用意した。

「どうぞ」

「ありがとうございま・・・ひっ」

阿部に腹痛の波が襲ってくる。

「いえいえ…」

ホテルマンは足早に二人の前から去っていた。

「さぁ帰るぞ」

島田が阿部の背中を押す。

「もう、無理です。トイレに、行かせてください」

「ダメだ。部屋に帰るまでは我慢だ」

島田は強引に阿部をエレベーターに乗せて部屋へと連れ戻した。




しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

鉱夫剣を持つ 〜ツルハシ振ってたら人類最強の肉体を手に入れていた〜

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:1,002pt お気に入り:160

能力1のテイマー、加護を三つも授かっていました。

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:10,303pt お気に入り:2,215

甘い婚約~王子様は婚約者を甘やかしたい~

恋愛 / 完結 24h.ポイント:21pt お気に入り:385

トップアイドルα様は平凡βを運命にする

BL / 連載中 24h.ポイント:63pt お気に入り:167

高嶺の花

BL / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:64

婚約破棄させてください!

恋愛 / 完結 24h.ポイント:56pt お気に入り:3,011

婚約破棄されたけど前世が伝説の魔法使いだったので楽勝です

sai
ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:901pt お気に入り:4,185

目が覚めたら乙女向けのblゲームの悪役になってました

BL / 連載中 24h.ポイント:63pt お気に入り:403

処理中です...