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好きだった先生に会えたので出資してみた
1話
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待ちに待った週末がやって来た。
今週は立て込んだ仕事もなく、ゆったりとした日々を送ることができた。
ただ今日は帰りを楽しみにしていることがにじみ出ていたようだ。
「先輩、なんかいいことあったんすか?」
「あ?」
昼休みにコンビニ弁当からおかずを摘まんでたら後輩が声をかけてきた。
「いやなんか花でも飛出そうなくらい上機嫌だから。いつももっとこう…槍飛ばす勢いじゃないですか」
なんとなくその言い方にむかついたので後輩の頭を軽くはたいておく。
…
先日のゲームショーで注文した商品一式が今日、届く手はずになっているのだ。
実はあの時、俺の注文票の中になぜか司会者の男性をお持ち帰りできるメニューがあった。
しかもその注文価格が0円だったからジョーク商品かと思った。
まぁ一応カートには入れて結局注文したんだが…。
「そろそろか」
裏クラウドファンディングの配達システムは配達時間厳守で指定できる。
働いている人間には非常にありがたい。
今日は残業せずに会社をほぼ定時で飛び出したので余裕だったが。
スマホでゲームをしていたらあっという間にその時になったようだ。
「はーい」
インターホンが鳴ったので扉を開ける。
「失礼いたします」
入ってきた男性は白いスーツに顔の隠れたマスクをしており、あのゲームショーの司会者そのものだった。
「どうぞ」
俺は彼を玄関から部屋の中に招き入れる。
「本日はご注文いただきありがとうございます。こちらご注文いただいた商品です。ご確認ください」
俺が注文したおもちゃ一式が入った重たい段ボールが手渡される。
床に置いてペリペリとガムテープをはがしながら箱を開ける。
「ご丁寧にどうも…こうやって一軒一軒配達されてるんですか?」
段ボールのなかのおもちゃはすべて俺の注文した通りそろっていた。
「い、いえ、お客様だけ特別です」
「そうですか…で、この納品書通り、あなたの商品ってことでいいんですか?」
箱の奥深く折り重なるおもちゃたちの下に隠されるように入っていた納品書には見たことのある男性の名前が書かれていた。
「は、はい…」
「ふーん…お久しぶりですね、単語鈴木先生」
「エ…?」
白いスーツの男の動きが固まった。
「俺が気づかないとでも思いました?高校で担任と部活と三年間毎日のように顔を合わせてたじゃないですか、ね?」
俺は彼の顔を覆っているマスクに手を伸ばして脱がせた。
すると現れたのは記憶にあるそれよりも少し老け込んだ顔だった。
「やっぱり、鈴木先生だ」
今週は立て込んだ仕事もなく、ゆったりとした日々を送ることができた。
ただ今日は帰りを楽しみにしていることがにじみ出ていたようだ。
「先輩、なんかいいことあったんすか?」
「あ?」
昼休みにコンビニ弁当からおかずを摘まんでたら後輩が声をかけてきた。
「いやなんか花でも飛出そうなくらい上機嫌だから。いつももっとこう…槍飛ばす勢いじゃないですか」
なんとなくその言い方にむかついたので後輩の頭を軽くはたいておく。
…
先日のゲームショーで注文した商品一式が今日、届く手はずになっているのだ。
実はあの時、俺の注文票の中になぜか司会者の男性をお持ち帰りできるメニューがあった。
しかもその注文価格が0円だったからジョーク商品かと思った。
まぁ一応カートには入れて結局注文したんだが…。
「そろそろか」
裏クラウドファンディングの配達システムは配達時間厳守で指定できる。
働いている人間には非常にありがたい。
今日は残業せずに会社をほぼ定時で飛び出したので余裕だったが。
スマホでゲームをしていたらあっという間にその時になったようだ。
「はーい」
インターホンが鳴ったので扉を開ける。
「失礼いたします」
入ってきた男性は白いスーツに顔の隠れたマスクをしており、あのゲームショーの司会者そのものだった。
「どうぞ」
俺は彼を玄関から部屋の中に招き入れる。
「本日はご注文いただきありがとうございます。こちらご注文いただいた商品です。ご確認ください」
俺が注文したおもちゃ一式が入った重たい段ボールが手渡される。
床に置いてペリペリとガムテープをはがしながら箱を開ける。
「ご丁寧にどうも…こうやって一軒一軒配達されてるんですか?」
段ボールのなかのおもちゃはすべて俺の注文した通りそろっていた。
「い、いえ、お客様だけ特別です」
「そうですか…で、この納品書通り、あなたの商品ってことでいいんですか?」
箱の奥深く折り重なるおもちゃたちの下に隠されるように入っていた納品書には見たことのある男性の名前が書かれていた。
「は、はい…」
「ふーん…お久しぶりですね、単語鈴木先生」
「エ…?」
白いスーツの男の動きが固まった。
「俺が気づかないとでも思いました?高校で担任と部活と三年間毎日のように顔を合わせてたじゃないですか、ね?」
俺は彼の顔を覆っているマスクに手を伸ばして脱がせた。
すると現れたのは記憶にあるそれよりも少し老け込んだ顔だった。
「やっぱり、鈴木先生だ」
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