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サービス終了間際のアプリゲームに出資してみた
2話
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「え、ゲームの博覧会?」
それは明後日にとある施設でゲームの博覧会を行うというお誘いだった。
「明後日か」
全員、身元がわからないようなシステムにするらしい。
「へぇ、まぁたまにはリアルイベントもいいか」
俺は参加する旨を書いてメッセージに答えた。
するとすぐに運営から返信が返ってきた。
「ドレスコード、ね」
…
あっという間にその日はやってきた。
俺は家に届いたスーツを纏って会場に向かう。
「いらっしゃいませ」
そこは有名なイタリアンのレストラン。
綺麗な身なりのギャルソンが出迎えた。
「これ」
スーツと一緒に入っていた封筒を取り出す。
「…ご案内いたします」
封筒の中身を読んだギャルソンが恭しく案内してくれた。
店の奥の扉を進み、その先の階段を下っていく。
「この先はこちらをお召しください」
階段を下りた先で仮面を手渡される。
ヴェネチアンカーニバルのマスクのように派手だが、フルフェイスで顔を隠してくれる。
「なるほど、身バレ防止、ね」
俺は後ろ手にひもを締めてマスクを身につける。
「どうぞ、こちらへ」
案内された先は宴会場のように広い空間で、複数の円卓が置かれ、卓の中心にキャンドルが置かれていて空間を照らしている。
円卓のむこうには舞台のようなものがあり、現在は幕が下りている。
「こちらがお客様のお席でございます」
円卓は四人掛けになっており、そのうちの一席に案内された。
舞台に一番近い卓だった。
「どうも」
椅子を引かれたそこに腰かけると他にも客がぞくぞくと案内されてくる。
皆一様に同じようなスーツやドレスを纏っており、顔には派手な仮面をしている。
不意にブーっとブサーの音が鳴った。
舞台の上に突然、人が現われた。
「お集まりの皆さま、大変お待たせいたしました」
真っ白のスーツに真っ黒のマスクの人間がマイクで話し始める。
「本日は裏クラウドファンディング様ご主催、弊社ゲーマストのゲーム博覧会へお越しいただき誠にありがとうございます。本日、案内を担当いたします、エスと申します。どうぞよろしくお願い申し上げます」
恭しく一礼すると、場内は拍手に包まれた。
「弊社ゲーマストは平素よりスマートホンのアプリゲームを中心にゲーム事業を展開している会社でございます。中でもこちらのアプリには力を入れておりまして…」
彼がそういうとプロジェクターを通して画像が舞台の幕に映し出された。
「ご存知の方もいらっしゃいますでしょうか?」
映し出されたアプリは先日、後輩に紹介されたあのRPGだ。
「こちらのアプリゲーム、一時期は非常に人気だったのですが、どうも最近伸び悩んでおりまして…そろそろサービス終了が囁かれております」
壇上の人間は大げさにため息をつきながら肩を落とす。
「しかし!このゲームには皆様に知っていただきたい、大変良い機能がたくさんございます。本日はそちらをアピールできれば、と思っております」
会場は再び拍手に包まれた。
「では、さっそくデモンストレーションに移らせていただきます」
それは明後日にとある施設でゲームの博覧会を行うというお誘いだった。
「明後日か」
全員、身元がわからないようなシステムにするらしい。
「へぇ、まぁたまにはリアルイベントもいいか」
俺は参加する旨を書いてメッセージに答えた。
するとすぐに運営から返信が返ってきた。
「ドレスコード、ね」
…
あっという間にその日はやってきた。
俺は家に届いたスーツを纏って会場に向かう。
「いらっしゃいませ」
そこは有名なイタリアンのレストラン。
綺麗な身なりのギャルソンが出迎えた。
「これ」
スーツと一緒に入っていた封筒を取り出す。
「…ご案内いたします」
封筒の中身を読んだギャルソンが恭しく案内してくれた。
店の奥の扉を進み、その先の階段を下っていく。
「この先はこちらをお召しください」
階段を下りた先で仮面を手渡される。
ヴェネチアンカーニバルのマスクのように派手だが、フルフェイスで顔を隠してくれる。
「なるほど、身バレ防止、ね」
俺は後ろ手にひもを締めてマスクを身につける。
「どうぞ、こちらへ」
案内された先は宴会場のように広い空間で、複数の円卓が置かれ、卓の中心にキャンドルが置かれていて空間を照らしている。
円卓のむこうには舞台のようなものがあり、現在は幕が下りている。
「こちらがお客様のお席でございます」
円卓は四人掛けになっており、そのうちの一席に案内された。
舞台に一番近い卓だった。
「どうも」
椅子を引かれたそこに腰かけると他にも客がぞくぞくと案内されてくる。
皆一様に同じようなスーツやドレスを纏っており、顔には派手な仮面をしている。
不意にブーっとブサーの音が鳴った。
舞台の上に突然、人が現われた。
「お集まりの皆さま、大変お待たせいたしました」
真っ白のスーツに真っ黒のマスクの人間がマイクで話し始める。
「本日は裏クラウドファンディング様ご主催、弊社ゲーマストのゲーム博覧会へお越しいただき誠にありがとうございます。本日、案内を担当いたします、エスと申します。どうぞよろしくお願い申し上げます」
恭しく一礼すると、場内は拍手に包まれた。
「弊社ゲーマストは平素よりスマートホンのアプリゲームを中心にゲーム事業を展開している会社でございます。中でもこちらのアプリには力を入れておりまして…」
彼がそういうとプロジェクターを通して画像が舞台の幕に映し出された。
「ご存知の方もいらっしゃいますでしょうか?」
映し出されたアプリは先日、後輩に紹介されたあのRPGだ。
「こちらのアプリゲーム、一時期は非常に人気だったのですが、どうも最近伸び悩んでおりまして…そろそろサービス終了が囁かれております」
壇上の人間は大げさにため息をつきながら肩を落とす。
「しかし!このゲームには皆様に知っていただきたい、大変良い機能がたくさんございます。本日はそちらをアピールできれば、と思っております」
会場は再び拍手に包まれた。
「では、さっそくデモンストレーションに移らせていただきます」
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