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老舗旅館に出資してみた
7話
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藤原さんは何かを訴えかけるような目で俺を見る。
「ほら、藤原さん、いつもの」
そばにいた仲居さんが藤原さんの身体を台の上から起こす。
「…今宵は一晩、私の身体をお楽しみください」
藤原さんはそのまま仲居さんの手で無理やり全裸で土下座させられた。
「え、あ、え?」
俺は混乱していたが、とりあえず藤原さんに頭を上げてもらう。
「さん、あ、頭、あげてください」
藤原さんに土下座をさせていた仲居さんの手が緩みようやく藤原さんは顔を上げた。
「い、いったいどういうことなんですか、これは…」
「こちらは当館からお客様へのサービスです。本社からくれぐれもと仰せつかっておりますので」
仲居さんはニコリと笑む。
「そ、そうですか…わかりました…藤原さん立てますか?」
俺は藤原さんに手を差し伸べる。
「は、い」
藤原さんはよろよろと俺に手を伸ばして捕まった。
「お二人でごゆっくりどうぞ」
終始にこやかな仲居さんに見送られて俺と藤原さんは部屋を出た。
…
藤原さんの身体を支えながらもなんとか階段を上り、重厚な部屋の扉を開ける。
近くのソファに藤原さんを座らせると俺は冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを取り出して口を開けた。
それを藤原さんに手渡すと、藤原さんは小さく一礼して飲み始めた。
「どうしてこんなことを?」
俺は藤原さんの隣に腰かけて尋ねる。
藤原さんはペットボトルのキャップを締めて答えた。
「ここは私の先祖が代々、受け継いできた旅館なんです。でも昨今、色々あって立ち行かなくなってしまって…そんな時にクラウドファンディングのことを教えてもらって、最初は普通にお金をいただいたお礼に旅館の宿泊券などをお渡ししていたのですが…気づいたら旅館が乗っ取られていて…」
身体を震わせている藤原さんの肩に置いてあった毛布をかける。
「なる、ほど…」
「それである日、こういう、身体を使った接待を行うように躾けられて…それで、あの…」
藤原さんは渡した毛布を握りしめている。
「で、でも、旅館を守るためには、どうしようもないんです」
藤原さんは顔を上げて俺の目を見る。
なんだか小動物みたいにかわいく思えて、俺は気づいたら藤原さんの頭を撫でていた。
「俺はどっちでもいいですよ。藤原さんに任せます」
「…実は運営からこのお部屋にお迎えする方には絶対に身体をお任せするようにと何度も念押しされているんです。
私の身体なんかでよければ、使っていただけませんか?」
頭を撫でていた俺の手を取って、藤原さんは自分の身体へと誘う。
「本当にいいんですか?」
「…はい」
その言葉を聞いた俺は、ソファから藤原さんを抱き上げてベットに連れていく。
「ほら、藤原さん、いつもの」
そばにいた仲居さんが藤原さんの身体を台の上から起こす。
「…今宵は一晩、私の身体をお楽しみください」
藤原さんはそのまま仲居さんの手で無理やり全裸で土下座させられた。
「え、あ、え?」
俺は混乱していたが、とりあえず藤原さんに頭を上げてもらう。
「さん、あ、頭、あげてください」
藤原さんに土下座をさせていた仲居さんの手が緩みようやく藤原さんは顔を上げた。
「い、いったいどういうことなんですか、これは…」
「こちらは当館からお客様へのサービスです。本社からくれぐれもと仰せつかっておりますので」
仲居さんはニコリと笑む。
「そ、そうですか…わかりました…藤原さん立てますか?」
俺は藤原さんに手を差し伸べる。
「は、い」
藤原さんはよろよろと俺に手を伸ばして捕まった。
「お二人でごゆっくりどうぞ」
終始にこやかな仲居さんに見送られて俺と藤原さんは部屋を出た。
…
藤原さんの身体を支えながらもなんとか階段を上り、重厚な部屋の扉を開ける。
近くのソファに藤原さんを座らせると俺は冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを取り出して口を開けた。
それを藤原さんに手渡すと、藤原さんは小さく一礼して飲み始めた。
「どうしてこんなことを?」
俺は藤原さんの隣に腰かけて尋ねる。
藤原さんはペットボトルのキャップを締めて答えた。
「ここは私の先祖が代々、受け継いできた旅館なんです。でも昨今、色々あって立ち行かなくなってしまって…そんな時にクラウドファンディングのことを教えてもらって、最初は普通にお金をいただいたお礼に旅館の宿泊券などをお渡ししていたのですが…気づいたら旅館が乗っ取られていて…」
身体を震わせている藤原さんの肩に置いてあった毛布をかける。
「なる、ほど…」
「それである日、こういう、身体を使った接待を行うように躾けられて…それで、あの…」
藤原さんは渡した毛布を握りしめている。
「で、でも、旅館を守るためには、どうしようもないんです」
藤原さんは顔を上げて俺の目を見る。
なんだか小動物みたいにかわいく思えて、俺は気づいたら藤原さんの頭を撫でていた。
「俺はどっちでもいいですよ。藤原さんに任せます」
「…実は運営からこのお部屋にお迎えする方には絶対に身体をお任せするようにと何度も念押しされているんです。
私の身体なんかでよければ、使っていただけませんか?」
頭を撫でていた俺の手を取って、藤原さんは自分の身体へと誘う。
「本当にいいんですか?」
「…はい」
その言葉を聞いた俺は、ソファから藤原さんを抱き上げてベットに連れていく。
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