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家計が苦しい既婚者に出資してみた
1話
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バスツアーは楽しかった。
満足もしている。
しかし若干、カロリーオーバーだった。
「原点回帰してぇな」
もっとシンプルな出資がしたい。
欲張りなもんだと一人心地ながら木曜の夜にビール片手にサイトを漁る。
「新規、即お届けっと」
検索ワードで絞り込むと何件かヒットした。
スクロールしながら好みの身体や境遇を探す。
「お、良さそうなの発見」
即お届け可能だが楽しみは後にとっておこう。
明日の楽しみができたおかげでもう一日、仕事を頑張れそうな気がする。
…
仕事を終えると俺は駅前のファストフードでハンバーガーとポテトを食らいつくすとその足でビジネスホテルにむかう。
ロビーで待ち合わせとあった。
適当なソファに腰かけて携帯を弄る。
やり取りする掲示板を開くと相手はもう到着しているようだった。
「特徴なぁ…」
ビジネスホテルのロビーだからスーツにビジネスバック、そんな男だらけだ。
「あー、その場でラジオ体操的なことしてみてください」
苦肉の策だ。
するとエレベーターの近くにいた男性が何やら腕を上げたり下げたりしている。
「あれか」
俺はソファから立ち上がってその男性に近づいた。
「松島さん、ですか?」
これは合言葉のようなものだ。
「あ、はい、そうです」
俺の方をみた男性の印象は、平凡、それしかなかった。
どこの企業にもいそうな感じの雰囲気。
「行きましょうか」
部屋は事前にとっていてくれたみたいで二人でエレベーターに乗り込む。
沈黙の中、俺は彼の出資ページを思い返していた。
既婚者、近々子供が生まれるが貯金があまりないため出資希望。
嫁が妊娠している間に自分はお楽しみか、と鼻で思わず笑ってしまった。
里帰り出産で実家に戻っているので今は一人暮らしのようでお泊りなども自由のようだ。
「この部屋です」
エレベーターを降りて案内されるがままに部屋の中に入る。
床に荷物を降ろすと松島さんも荷物を置いてスーツの上を脱いだ。
「こういうの慣れてるんですか?」
俺もスーツの上着を脱いでハンガーにかけながら尋ねる。
「い、いいえ。全然…」
「どうして始めようと?」
「妻が妊娠したからって俺の給料から何からなんでも金持ってっちゃって、それで俺なんにも今お金なくて困ってたら…」
手が震えている。
「そうなんですか」
同情するような声を出しながら松島さんに近づく。
「少しでもお役に立てれば幸いです」
一か月分の給料くらいの出資額だからそれなりに楽しませてもらおう。
松島さんに顔を近づけると彼は目をつぶった。
そっと唇を一度、触れさせる。
「いやじゃなですか?」
「は、はい、思ってたよりは」
ぼそぼそと呟く。
その声を食べるように俺は松島さんの唇を貪った。
満足もしている。
しかし若干、カロリーオーバーだった。
「原点回帰してぇな」
もっとシンプルな出資がしたい。
欲張りなもんだと一人心地ながら木曜の夜にビール片手にサイトを漁る。
「新規、即お届けっと」
検索ワードで絞り込むと何件かヒットした。
スクロールしながら好みの身体や境遇を探す。
「お、良さそうなの発見」
即お届け可能だが楽しみは後にとっておこう。
明日の楽しみができたおかげでもう一日、仕事を頑張れそうな気がする。
…
仕事を終えると俺は駅前のファストフードでハンバーガーとポテトを食らいつくすとその足でビジネスホテルにむかう。
ロビーで待ち合わせとあった。
適当なソファに腰かけて携帯を弄る。
やり取りする掲示板を開くと相手はもう到着しているようだった。
「特徴なぁ…」
ビジネスホテルのロビーだからスーツにビジネスバック、そんな男だらけだ。
「あー、その場でラジオ体操的なことしてみてください」
苦肉の策だ。
するとエレベーターの近くにいた男性が何やら腕を上げたり下げたりしている。
「あれか」
俺はソファから立ち上がってその男性に近づいた。
「松島さん、ですか?」
これは合言葉のようなものだ。
「あ、はい、そうです」
俺の方をみた男性の印象は、平凡、それしかなかった。
どこの企業にもいそうな感じの雰囲気。
「行きましょうか」
部屋は事前にとっていてくれたみたいで二人でエレベーターに乗り込む。
沈黙の中、俺は彼の出資ページを思い返していた。
既婚者、近々子供が生まれるが貯金があまりないため出資希望。
嫁が妊娠している間に自分はお楽しみか、と鼻で思わず笑ってしまった。
里帰り出産で実家に戻っているので今は一人暮らしのようでお泊りなども自由のようだ。
「この部屋です」
エレベーターを降りて案内されるがままに部屋の中に入る。
床に荷物を降ろすと松島さんも荷物を置いてスーツの上を脱いだ。
「こういうの慣れてるんですか?」
俺もスーツの上着を脱いでハンガーにかけながら尋ねる。
「い、いいえ。全然…」
「どうして始めようと?」
「妻が妊娠したからって俺の給料から何からなんでも金持ってっちゃって、それで俺なんにも今お金なくて困ってたら…」
手が震えている。
「そうなんですか」
同情するような声を出しながら松島さんに近づく。
「少しでもお役に立てれば幸いです」
一か月分の給料くらいの出資額だからそれなりに楽しませてもらおう。
松島さんに顔を近づけると彼は目をつぶった。
そっと唇を一度、触れさせる。
「いやじゃなですか?」
「は、はい、思ってたよりは」
ぼそぼそと呟く。
その声を食べるように俺は松島さんの唇を貪った。
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