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レトロなゲームセンターで出資してみた
1話
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最近、裏クラウドファンディングでは運営側主催のイベントが増えてきている。
出資側が増えたのか大きなスポンサーでもついたのだろうか。
もちろん従来のように出資した相手を家に呼ぶこともできるが、いつかみたいに窃盗に合う危険も隣りあわせだ。
かといってホテルに行くのも面倒なこともある。
そのため最近はもっぱら週末にイベントに出かけるのはある種の楽しみになっていた。
「どれにするかなぁ」
サイトでは特集が組まれており、参加費用さえ出資すれば当日会場内では無料でイベントを楽しめる者や参加費は無料だが当日たんまり金をふんだくられるものもある。
俺宛に連絡が届くものは招待案件ばかりなので参加費用は無料なことが多い。
中でも今回は日程をうまく重ねられたせいで行きたいイベントが複数あって非常に悩ましかった。
「…よし、これにするか」
諦めたイベントに行けないことを考えると苦渋の決断ともいえるがこのイベントを選んできっと後悔はないだろう。
普段とは違う嗜好もまた一興。
明日が楽しみだ。
…
イベントは夕方から行われるそうで午前中は部屋の掃除や片付けに勤しんだ。
下膳中だけ切り抜けば平凡な独身男性の休日だろう。
いそいそと出かける準備を終える。
ほぼ手ぶらで行って明日の朝には帰ってくる予定だ。
「この駅は降りたことないな」
指定された待ち合わせ場所の駅はかなりマイナーだ。
最寄駅からは三駅ほどしか離れていないが、住んでいない限り降りる人はほとんどいないだろう。
目だった商業施設やビルはない、ただの住宅街である。
「で、先の曲がり角を右か」
線路沿いにまっすぐ進んでいき、曲がり角を右に。
並んだ少し古ぼけた住宅街を抜けると近代的な光が目に飛び込んでいた。
「へぇ、こんなとこにボーリング場なんてあったんだ」
有名なボーリング場やゲームセンター、カラオケなんかも兼ねそろえた施設がそびえたっている。
こんなところにあったとは知らなかった。
若者やカップルが入っていくのを尻目にその横をすり抜ける。
もう少しだけ住宅街の奥へ入り込むと大きな道路に出る。
コンビニ、クリーニング店、理容室。
その隣に目的地はあった。
「ここか」
錆びた看板と欠けたネオンサインが店名を映し出していた。
中からは少しだけ電子音が漏れ聞こえている。
ガタガタしている自動ドアをくぐるとその電子音は少しだけ大きくなった。
レトロな対戦型ゲームやホッケーゲーム、ワニを叩くものから太鼓を叩くものまでたくさんのゲーム台が並んでいる。
その光景に一瞬で俺の心は学生に戻されたかのような気がした。
しかしそのゲーム台に座ることなく、俺は店の奥を目指した。
出資側が増えたのか大きなスポンサーでもついたのだろうか。
もちろん従来のように出資した相手を家に呼ぶこともできるが、いつかみたいに窃盗に合う危険も隣りあわせだ。
かといってホテルに行くのも面倒なこともある。
そのため最近はもっぱら週末にイベントに出かけるのはある種の楽しみになっていた。
「どれにするかなぁ」
サイトでは特集が組まれており、参加費用さえ出資すれば当日会場内では無料でイベントを楽しめる者や参加費は無料だが当日たんまり金をふんだくられるものもある。
俺宛に連絡が届くものは招待案件ばかりなので参加費用は無料なことが多い。
中でも今回は日程をうまく重ねられたせいで行きたいイベントが複数あって非常に悩ましかった。
「…よし、これにするか」
諦めたイベントに行けないことを考えると苦渋の決断ともいえるがこのイベントを選んできっと後悔はないだろう。
普段とは違う嗜好もまた一興。
明日が楽しみだ。
…
イベントは夕方から行われるそうで午前中は部屋の掃除や片付けに勤しんだ。
下膳中だけ切り抜けば平凡な独身男性の休日だろう。
いそいそと出かける準備を終える。
ほぼ手ぶらで行って明日の朝には帰ってくる予定だ。
「この駅は降りたことないな」
指定された待ち合わせ場所の駅はかなりマイナーだ。
最寄駅からは三駅ほどしか離れていないが、住んでいない限り降りる人はほとんどいないだろう。
目だった商業施設やビルはない、ただの住宅街である。
「で、先の曲がり角を右か」
線路沿いにまっすぐ進んでいき、曲がり角を右に。
並んだ少し古ぼけた住宅街を抜けると近代的な光が目に飛び込んでいた。
「へぇ、こんなとこにボーリング場なんてあったんだ」
有名なボーリング場やゲームセンター、カラオケなんかも兼ねそろえた施設がそびえたっている。
こんなところにあったとは知らなかった。
若者やカップルが入っていくのを尻目にその横をすり抜ける。
もう少しだけ住宅街の奥へ入り込むと大きな道路に出る。
コンビニ、クリーニング店、理容室。
その隣に目的地はあった。
「ここか」
錆びた看板と欠けたネオンサインが店名を映し出していた。
中からは少しだけ電子音が漏れ聞こえている。
ガタガタしている自動ドアをくぐるとその電子音は少しだけ大きくなった。
レトロな対戦型ゲームやホッケーゲーム、ワニを叩くものから太鼓を叩くものまでたくさんのゲーム台が並んでいる。
その光景に一瞬で俺の心は学生に戻されたかのような気がした。
しかしそのゲーム台に座ることなく、俺は店の奥を目指した。
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