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2章 ヒーロー活劇を望む復讐者
鬼ごっこ 1
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「なんなのあいつ!」
いつもより早く終わったカウンセリングの後、すみれ先輩は瑠璃に対する愚痴を吐き捨てた。
「あんなのが清音と同じクラスなの?」
私はすみれ先輩の愚痴に相槌を入れたり、素直に答えていたりしていた。
「あういう性格なのでクラスでも浮いていますよ」
「そうよね。協調性がないもの」
感情に任せた愚痴ばかりを言っていたすみれ先輩は急にころりと表情を変えて、私に対する心配事を口にする。
「彼女にも何かされてない?大丈夫?」
「危害を加えたりとかはないですね。でも、助けたりとかもしないんです。周りに無関心みたいで」
「もし、意地悪されたらすぐ言ってね。何とかしてあげるから」
すみれ先輩は優しいな。先輩も辛いはずなのに私にも気を遣ってくれる。
「ありがとうございます。すみれ先輩も何かあったら言ってください。力になります。そうだ、LINE交換しませんか?」
すみれ先輩とは友好な関係が築けそう。
スマホを制服のポケットから取り出すも、先輩は目を伏せて、私の期待に応えてくれなかった。
「清音は、本当にいい子だと思う。友達だと思っているわ。でも、ごめんなさい。私とは関わらない方がいい。カウンセリングで会うだけ。それだけの関係がいい」
私を嫌っているわけではなかった。すみれ先輩悲しそうで悔しそうで。だから、断った理由がわからなかった。
「清音に非があるわけじゃないの。むしろ、私のほうが、ね」
「それは話したくないことですか?」
「言えたらいいんだけど、なんて言ったらいいのか」
複雑な事情でもあるのかな。他人に話せない程の事情。だったら仕方がないよね。私とは数日ぐらいしか会っていなくて、1日の1時間しか過ごせないもの。
なんでも話してと言っても、お互いの事情には踏み込めない。
「事情があるんですよね。わかりました。私はいつだってすみれ先輩の味方ですからね」
「ありがとう」
私はスマホをポケットに仕舞う。鞄は教室に置いてきたから戻らないと。
「では、私は帰ります。すみれ先輩はまだ残りますか?」
「うん。長野先生に相談したいことがあるから」
それは複雑な事情に関係しているのかな。疎外感がチクリと私の心を刺す。
引き戸を開けて教室から出ようとする。
「清音」
すみれ先輩が呼び止める。
「早く学校から出てね」
物騒になってきたからすみれ先輩も心配しているようだった。それもそのはずで、下校時間がすでに過ぎていたこの学校で残っているのは私たちぐらいだろう。
「すみれ先輩もお気をつけて」
私よりも帰りが遅くなるであろうすみれ先輩に言う。私と先輩が笑みを交わして教室を後にした。
教室に戻ってみると机の上に馴染みのある鞄とケイが私を待っていた。
「ケイ、今日は学校にきたの?」
放送室の自殺以降、ケイは校内や学校周辺を探し回っているみたいで、ケイの探し物と嫌な臭いの原因を探し続けていた。
ケイの言う嫌な臭いを何度か訪ねたことがあるけれど、不吉なものだと答えるだけで今一、理解できない。
「ブカツトウに行きたいがドアが開かない」
ケイが私を待っていたのはただ単に自分が行きたいところに行けないからだった。
「部活棟?今日は休みだから閉まっているわ」
「人の気配がする。行きたい」
そんなはずはない。部活が休みなら部活棟の校内には入れないはず。なんだかケイはそこに行きたがってるみたいだし、行ってみようかな。
いつもより早く終わったカウンセリングの後、すみれ先輩は瑠璃に対する愚痴を吐き捨てた。
「あんなのが清音と同じクラスなの?」
私はすみれ先輩の愚痴に相槌を入れたり、素直に答えていたりしていた。
「あういう性格なのでクラスでも浮いていますよ」
「そうよね。協調性がないもの」
感情に任せた愚痴ばかりを言っていたすみれ先輩は急にころりと表情を変えて、私に対する心配事を口にする。
「彼女にも何かされてない?大丈夫?」
「危害を加えたりとかはないですね。でも、助けたりとかもしないんです。周りに無関心みたいで」
「もし、意地悪されたらすぐ言ってね。何とかしてあげるから」
すみれ先輩は優しいな。先輩も辛いはずなのに私にも気を遣ってくれる。
「ありがとうございます。すみれ先輩も何かあったら言ってください。力になります。そうだ、LINE交換しませんか?」
すみれ先輩とは友好な関係が築けそう。
スマホを制服のポケットから取り出すも、先輩は目を伏せて、私の期待に応えてくれなかった。
「清音は、本当にいい子だと思う。友達だと思っているわ。でも、ごめんなさい。私とは関わらない方がいい。カウンセリングで会うだけ。それだけの関係がいい」
私を嫌っているわけではなかった。すみれ先輩悲しそうで悔しそうで。だから、断った理由がわからなかった。
「清音に非があるわけじゃないの。むしろ、私のほうが、ね」
「それは話したくないことですか?」
「言えたらいいんだけど、なんて言ったらいいのか」
複雑な事情でもあるのかな。他人に話せない程の事情。だったら仕方がないよね。私とは数日ぐらいしか会っていなくて、1日の1時間しか過ごせないもの。
なんでも話してと言っても、お互いの事情には踏み込めない。
「事情があるんですよね。わかりました。私はいつだってすみれ先輩の味方ですからね」
「ありがとう」
私はスマホをポケットに仕舞う。鞄は教室に置いてきたから戻らないと。
「では、私は帰ります。すみれ先輩はまだ残りますか?」
「うん。長野先生に相談したいことがあるから」
それは複雑な事情に関係しているのかな。疎外感がチクリと私の心を刺す。
引き戸を開けて教室から出ようとする。
「清音」
すみれ先輩が呼び止める。
「早く学校から出てね」
物騒になってきたからすみれ先輩も心配しているようだった。それもそのはずで、下校時間がすでに過ぎていたこの学校で残っているのは私たちぐらいだろう。
「すみれ先輩もお気をつけて」
私よりも帰りが遅くなるであろうすみれ先輩に言う。私と先輩が笑みを交わして教室を後にした。
教室に戻ってみると机の上に馴染みのある鞄とケイが私を待っていた。
「ケイ、今日は学校にきたの?」
放送室の自殺以降、ケイは校内や学校周辺を探し回っているみたいで、ケイの探し物と嫌な臭いの原因を探し続けていた。
ケイの言う嫌な臭いを何度か訪ねたことがあるけれど、不吉なものだと答えるだけで今一、理解できない。
「ブカツトウに行きたいがドアが開かない」
ケイが私を待っていたのはただ単に自分が行きたいところに行けないからだった。
「部活棟?今日は休みだから閉まっているわ」
「人の気配がする。行きたい」
そんなはずはない。部活が休みなら部活棟の校内には入れないはず。なんだかケイはそこに行きたがってるみたいだし、行ってみようかな。
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