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2章 ヒーロー活劇を望む復讐者
糸 13
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もっとちゃんと考えるべきだった。機械室であたしは1つの燃料補充機を止めた。それをすれば相手があたしの狙いに勘付くのも当たり前だ。
彼女は階段を上り、影から姿を現す。両サイドには鬼が1体ずつ。
「清音は普通の子なの。本来なら心を病んでもおかしくないのに今も立っているのよ」
すみれの話を聞く義理はない。ケイは白い刀を構えて階段から跳ぶ。
あたしの隣で跳んだものだから風が舞い、金髪毛先がはねる。
はねた毛先が元の位置に戻るその一瞬、様々な思索が過った。
なんですみれは放送室から出たの?
鬼を斬る刀、すぐに逃げれる白鋏。彼女が用意した舞台ではあたしたちを殺せない。死にそうにはなったけれど、少なくとも演劇部よりは生き残れる。それなのにたった2体の鬼だけ。安直だわ。
餌。この一言が浮かぶ。誰が、誰を?
すみれが餌で釣る。釣られるのはケイだわ。
ケイの背中が離れてしまう前に罠であることを伝えようとした。
口は大きく開いたけれど、腹から出る声は喉で止まった。
背後に迫っていたそれらは気配もなく、あたしの喉、腕、胴に巻きついて後方へと引っ張る。背負っていた鞄が肩から離れて床に転がる。
あたしを床に縛り付けて強く巻き絡んできたのは意思を持ったように動くパッションフルーツの蔦だった。
膝をつき肘をついて何とか立ち上がろうとしても蔦は比べものにならないくらい力強く、抵抗さえできない。あたしは惨めに床にへばりつかされる。
「ケイ!」
清音が悲鳴にも似た声で叫ぶ。
首も上がらなくて視界が横たわる。
横になった視界であたしが見たのは、黒い鬼が階段を上がり、口に咥えられていたのは血だらけの黒猫。
鬼が吐き捨てるようにケイを投げて、あたしの前に落ちる。清音は私たちに歩み寄ろうとした。
「そんな奴ら構うことないよ」
すみれは清音と向かい合うと安心させるように両手を握る。
「機械室から出たら駄目じゃない。あそこなら安全なのに。でも大丈夫、清音には手を出さないようにする。あれの操作はうまいのよ。先生にも褒められた。早く終わらせるから待ってて」
清音は何も言えなかった。あたしは身動きできず、ケイは血だらけ。そして、すみれの笑顔に身を竦める。
そんなことも気にしせず、すみれは投げられたあたしの鞄を物色する。
声に出して文句を言ってやりたいけれど声が出ない。蔦が喉に食い込んできて微かな空気が行き来するくらいの隙間しかない。息苦しさに肩を上下させてすみれを睨む。
彼女は階段を上り、影から姿を現す。両サイドには鬼が1体ずつ。
「清音は普通の子なの。本来なら心を病んでもおかしくないのに今も立っているのよ」
すみれの話を聞く義理はない。ケイは白い刀を構えて階段から跳ぶ。
あたしの隣で跳んだものだから風が舞い、金髪毛先がはねる。
はねた毛先が元の位置に戻るその一瞬、様々な思索が過った。
なんですみれは放送室から出たの?
鬼を斬る刀、すぐに逃げれる白鋏。彼女が用意した舞台ではあたしたちを殺せない。死にそうにはなったけれど、少なくとも演劇部よりは生き残れる。それなのにたった2体の鬼だけ。安直だわ。
餌。この一言が浮かぶ。誰が、誰を?
すみれが餌で釣る。釣られるのはケイだわ。
ケイの背中が離れてしまう前に罠であることを伝えようとした。
口は大きく開いたけれど、腹から出る声は喉で止まった。
背後に迫っていたそれらは気配もなく、あたしの喉、腕、胴に巻きついて後方へと引っ張る。背負っていた鞄が肩から離れて床に転がる。
あたしを床に縛り付けて強く巻き絡んできたのは意思を持ったように動くパッションフルーツの蔦だった。
膝をつき肘をついて何とか立ち上がろうとしても蔦は比べものにならないくらい力強く、抵抗さえできない。あたしは惨めに床にへばりつかされる。
「ケイ!」
清音が悲鳴にも似た声で叫ぶ。
首も上がらなくて視界が横たわる。
横になった視界であたしが見たのは、黒い鬼が階段を上がり、口に咥えられていたのは血だらけの黒猫。
鬼が吐き捨てるようにケイを投げて、あたしの前に落ちる。清音は私たちに歩み寄ろうとした。
「そんな奴ら構うことないよ」
すみれは清音と向かい合うと安心させるように両手を握る。
「機械室から出たら駄目じゃない。あそこなら安全なのに。でも大丈夫、清音には手を出さないようにする。あれの操作はうまいのよ。先生にも褒められた。早く終わらせるから待ってて」
清音は何も言えなかった。あたしは身動きできず、ケイは血だらけ。そして、すみれの笑顔に身を竦める。
そんなことも気にしせず、すみれは投げられたあたしの鞄を物色する。
声に出して文句を言ってやりたいけれど声が出ない。蔦が喉に食い込んできて微かな空気が行き来するくらいの隙間しかない。息苦しさに肩を上下させてすみれを睨む。
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