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3章 死神が誘う遊園地
夏と夢と信仰と補習 10
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瑠璃に対する昌次郎の台詞は言わないようにした。父親のことに関して瑠璃は客観的な推測ができない。
古家に昌次郎がいたことは話したが、瑠璃は平然を装う。
カンダタの話が終わると瑠璃もサプリメントをもらうまでの経路を話した。ついでに夢楽土会の中心にあたる桐 首という男の話もした。
「つまり、桐 首という人物はカンダタが見えていて、教祖キャラも作っているわけね」
「あちら側の者だろうな。ハザマの者かはわからないが」
2人が情報を交換しながら夜道を歩く。どこからか蝉が鳴いている。
時代が変われば蝉が鳴く時間も変わるのだろう。明るい街灯に昼だと勘違いした蝉が鳴いている。
「ハザマではないでしょうね。それだと光弥が調査する必要ないもの。それに」
瑠璃は一旦区切ると容器の筒に口をつけて黒い玉を吸い上げる。引っかかるものがあるようで、黒い玉を噛み砕きながら思考する。
「おかしなことを言っていたのよね。常世で楽園を築きましょうって」
常世はハザマのこと。ならば楽園を築くとは?
カンダタには思い当たる節があった。
「兵器が完成する、とか話していたな。ハザマを潰す気なのか?」
「魂の終着点なのにまたそこで戦争するわけ?人類の世界平和なんて幻想ね」
「後は十手か」
「じって?」
「兵器を作らなくともそれがあれば代わりになるみたいだが、首は用いるな、と」
「その、じってが?相当危ういの?」
瑠璃が言う十手の発音はぎこちなく、それだけで十手の知恵がないのだと理解した。確かにあれは現代では使われないだろう。
「捕具だ。同心や岡っ引きが持っている鉄の棒だ」
映画を観ているのならばこの説明で分かってくれるだろうと思ったが、瑠璃は眉間に皺を寄せ、でない回答に悩まされる。そもそも時代劇を観ようとしない。古典、漢字の次に嫌いなのは日本史なのだ。
「でも、捕具なら殺傷能力はないのよね?」
回答を出すのを諦めた。
「ないな。何度も打てはさすがに死ぬだろうが、刀でばっさり斬ったほうが早い」
兵器、十手、夢楽土会、薬物、自殺。これまで出てきた単語を思い浮かべ、カンダタは更に頭を捻る。
目的さえ知れたら対策はできると言うものだが、首が何者で何を目的にしているのか見当もつかない。
「わからないものはわからないんだから考えたって仕方がないわよ」
カンダタの疑念を瑠璃は涼しい顔で払う。自分が狙われている自覚があるのだろうか。
「それで、これからどうするんだ?」
「次の手がかりに行く」
そう言うと透明なピルケースに収まったカプセル剤を取り出す。首たちが話していた薬だ。
「それが麻薬とやらか」
「信者の言い分ではサプリよ」
「良い夢を見せられるのなら同じようなものだ。何が違うんだ?」
「サプリメントは食品、阿片は薬物」
さっぱりわからない。味もなく、眠気促して気分さえも変えさせるのならば、やはりそれは薬物ではないだろうか。
「これを飲めば先生が築く楽園を疑似体験できるらしいわよ。試してみる?」
「死んでも飲まない」
薬物で楽園を行けるか怪しいものだ。カンダタが生きた身体を持っていたとしても飲もうとは思えない。良い夢の代償が自殺だとしたらそれは代金が多すぎる。
半分冗談で勧めてきた瑠璃も試すつもりはないらしい。
「清音も貰っていたけれど、飲む気はなさそうだったわね」
彼女も貰ってしまったようだ。周りに押されて断りきれなかったのだろう。できれば他人を巻き込みたくない。清音が服用しないことを願う。
「そういえば1人いたわね」
「清音以外にいか?」
まさか脅して飲ませようなどと流石にしない、はず。そう思うもカンダタには断言できない不安があった。
「明日はどうせ補習だし、コンビニにも寄ることになるわね」
カンダタに向けられていない瑠璃の独り言。脈絡のない言葉にカンダタは更に頭を捻った。
古家に昌次郎がいたことは話したが、瑠璃は平然を装う。
カンダタの話が終わると瑠璃もサプリメントをもらうまでの経路を話した。ついでに夢楽土会の中心にあたる桐 首という男の話もした。
「つまり、桐 首という人物はカンダタが見えていて、教祖キャラも作っているわけね」
「あちら側の者だろうな。ハザマの者かはわからないが」
2人が情報を交換しながら夜道を歩く。どこからか蝉が鳴いている。
時代が変われば蝉が鳴く時間も変わるのだろう。明るい街灯に昼だと勘違いした蝉が鳴いている。
「ハザマではないでしょうね。それだと光弥が調査する必要ないもの。それに」
瑠璃は一旦区切ると容器の筒に口をつけて黒い玉を吸い上げる。引っかかるものがあるようで、黒い玉を噛み砕きながら思考する。
「おかしなことを言っていたのよね。常世で楽園を築きましょうって」
常世はハザマのこと。ならば楽園を築くとは?
カンダタには思い当たる節があった。
「兵器が完成する、とか話していたな。ハザマを潰す気なのか?」
「魂の終着点なのにまたそこで戦争するわけ?人類の世界平和なんて幻想ね」
「後は十手か」
「じって?」
「兵器を作らなくともそれがあれば代わりになるみたいだが、首は用いるな、と」
「その、じってが?相当危ういの?」
瑠璃が言う十手の発音はぎこちなく、それだけで十手の知恵がないのだと理解した。確かにあれは現代では使われないだろう。
「捕具だ。同心や岡っ引きが持っている鉄の棒だ」
映画を観ているのならばこの説明で分かってくれるだろうと思ったが、瑠璃は眉間に皺を寄せ、でない回答に悩まされる。そもそも時代劇を観ようとしない。古典、漢字の次に嫌いなのは日本史なのだ。
「でも、捕具なら殺傷能力はないのよね?」
回答を出すのを諦めた。
「ないな。何度も打てはさすがに死ぬだろうが、刀でばっさり斬ったほうが早い」
兵器、十手、夢楽土会、薬物、自殺。これまで出てきた単語を思い浮かべ、カンダタは更に頭を捻る。
目的さえ知れたら対策はできると言うものだが、首が何者で何を目的にしているのか見当もつかない。
「わからないものはわからないんだから考えたって仕方がないわよ」
カンダタの疑念を瑠璃は涼しい顔で払う。自分が狙われている自覚があるのだろうか。
「それで、これからどうするんだ?」
「次の手がかりに行く」
そう言うと透明なピルケースに収まったカプセル剤を取り出す。首たちが話していた薬だ。
「それが麻薬とやらか」
「信者の言い分ではサプリよ」
「良い夢を見せられるのなら同じようなものだ。何が違うんだ?」
「サプリメントは食品、阿片は薬物」
さっぱりわからない。味もなく、眠気促して気分さえも変えさせるのならば、やはりそれは薬物ではないだろうか。
「これを飲めば先生が築く楽園を疑似体験できるらしいわよ。試してみる?」
「死んでも飲まない」
薬物で楽園を行けるか怪しいものだ。カンダタが生きた身体を持っていたとしても飲もうとは思えない。良い夢の代償が自殺だとしたらそれは代金が多すぎる。
半分冗談で勧めてきた瑠璃も試すつもりはないらしい。
「清音も貰っていたけれど、飲む気はなさそうだったわね」
彼女も貰ってしまったようだ。周りに押されて断りきれなかったのだろう。できれば他人を巻き込みたくない。清音が服用しないことを願う。
「そういえば1人いたわね」
「清音以外にいか?」
まさか脅して飲ませようなどと流石にしない、はず。そう思うもカンダタには断言できない不安があった。
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