魚憑き

湯月@重陽

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二章 高山流水

目醒めて

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 翌朝、夜の明けぬ日の出前。
 目覚めた場所は、_己で借りた家の中。


 ふらつく身体を気合いで支える。
 ギシリと沈むスプリング。
 視界の片隅。腰元では、常の黒い魚がゆらりと尾を振る。

 (やり辛ぇ)
 
 手元は何時ものように水流の流れ。揺れる手の輪郭。揺れる影。
 …物心ついた時には側で泳いで居た魚。
 触れられもしないホログラムに、自分の幻影とうえいかと思っていた。何なら淡色の世界も、自分の脳の見せる幻惑だろうと。
 …
 真逆、神とは思うまい。

 腰は怠い。肚も落ち着かず。節々の筋肉痛。
 己の運動不足、鍛錬不足に、乾いた笑い。

 _どうやら、夜明け。日除けの隙間から薄明かり。
 …
 今日は何時で。色々と一切合切、どうなったのか。
 知らねばならない。知らずに済まない。
 でも。
 
「無理…」

 せめて、1日。休ませて呉れよ、とベッドに倒れた。

 …目論見が甘かったと、直ぐに知った。



※※※



 床入りは、褥と同義になった。
 寝入るうちに愛撫に融けて、起こされる頃には発情の熱に浮かされて。

 何より部屋を満たす、染み入る酒気の如き此の気配。

 酒の香気を孕んだ酩酊に身悶え、手脚が暴れても、陰嚢ふぐりを竿を可愛がられれば、崩れて融けた。掌で転がされ、時にキツめに握り込まれれば、被虐の芽が出る。

 そそり勃つしるしも蜜を零す華と啜られては、雄蕊というよりも雌蕊の有り様である。
 啜り泣きは意に返されず、しかし宥めるように手が肌を這う。
 仰臥の身を俯せに変えされて、後ろから差し伸べられた手はゆるりと腹を撫でると、じくりと腰骨を辿って、臀の割れ目をくっぱりと開いた。両の指先で剥き出しにされた肉割れの華は、触れる空気の冷たさにつぼみ、慰撫する指腹に綻び潤んだ。

 新床で散らされた初花に、情けを注がれ華と化けた。キュンと窄んで雄を悦ばすと、羞恥を含んで柔く緩む。
 ひくりと魚跳ねて、悦に咽んで啜り泣く。濡れ濡れて溺れそうな[[rb:瞳 > め]]も身体も、剛直が肉筒に埋められる頃には融け緩んで泥濘みになっている。

 此の身が泥というならば、蓮の華でも咲くのだろうか。


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