21 / 25
2章 市街戦
外話 零の剣聖
しおりを挟む
時間は傑達が戦い始めて少したったころ。
「んー♪んんー♪んー」
とある広場のベンチに腰かける男がいた。
彼の名はネロ=マーテル。
ナンバーズの4、恐るべき力を持つ異界の魔術師だ。
彼は遮絶の外で中の様子を式神でうかがいながら、戦況を見つめていた。
(んー、状況は私達の計画通りに進んでますねー。後は、『無垢なる戦姫』を倒せれば……)
彼が考え事をしていると
「こんばんは、いい夜だね」
1人の男が声をかけてきた。
身長は高い。髪を立てて、サングラスをしている。顔も整っていて美男子ではあるのだが、どこかナヨナヨした雰囲気のせいでそうは見えない。
「そうですねぇ、月が綺麗です………さて、貴方はどちら様ですかな?」
男の腰には刀。
どう考えても、守護者の一員であるのは間違いないだろうが、男の発する気が正直低すぎて、敵なのかどうかもわからない。
男は表情を変えずに
「ここが遮絶の基点だな。それを壊しにきた」
質問には答えずに用件を言った。
「答えになっていませんよー?それとも正体
を知られるのがマズイですかー?」
ネロは話しながら思考する。
この男は何者だ?
(…!!……あの刀は………)
男が腰に提げている刀を見て、ネロは驚愕。しかし、それを笑みに変えて
「いえ、失礼しました。貴方がかの有名な『零の剣聖』ですか。その刀が何よりの証拠」
刀の鞘は黒いのだが……発するオーラが抑えられないのか漏れだしてきている。色は紅。
「名刀『紅(くれない)』。私達の世界でも指折りの刀です。そしてそれを使いこなした剣士は歴史上ただ1人、貴方です零の剣聖」
男はその言葉を聞き
フッと笑う。
「なるほど、頭も回るなネロ=マーテル。魔術師としても脅威だが、その観察力と情報処理能力は厄介だ……ここで消えてもらうよ」
しかし、ネロはさらに笑みを深めて
「んんーー!しかし、貴方はこちらの世界に渡り魂を定着させる際に「力のほとんどを使っている」と聞いてますよー?まあ、そのおかげで貴方は死んでいることになっていたのですが……」
「……ああ、その通りだ。当時の力などほとんど残っていないよ」
ネロはその真っ直ぐな返答に少し……
「……そんな貴方で、ナンバーズ4である私に勝てるとでも?」
いや、かなりイラついていた。
ゴウ!!
とオーラが膨れ上がる。
そのオーラは、傑と仁が遭遇した偽者よりも格段に強い!
一方の男……ジュンのオーラは最初のまま。
むしろ「全く無いようにさえ感じる」
「あんまり、無理はしたくないが……あんたは強い。たとえ「偽者でもな」」
ピク
とネロの顔が歪む。
(見抜かれた?戦ってもいないこの数瞬で?)
この男は危険!!
ネロは全力でこの男を排除することを決めた。
「いいでしょう…!!貴方をここで八つ裂きにして、守護者を……」
皆殺しにしてやりましょう!!と続く言葉は途中で途絶えた。
「は?」
「………」
ネロの視界が「上下逆さまになる」
前にいたはずのジュンがいつの間にか後ろに!
ネロの首が落ちていた。
「今度は本物できな」
ジュンの言葉を最後に
ボッ!!とネロの身体が燃える!
燃え尽きる寸前、止まっていた思考を取り戻したネロは
「これが……これが剣聖!!恐るべきかな……ジュン………!……いや、「元、ナンバーズ隊長カミシロ・ジュン」」
恨み言を遺し、消えていった。
「んー♪んんー♪んー」
とある広場のベンチに腰かける男がいた。
彼の名はネロ=マーテル。
ナンバーズの4、恐るべき力を持つ異界の魔術師だ。
彼は遮絶の外で中の様子を式神でうかがいながら、戦況を見つめていた。
(んー、状況は私達の計画通りに進んでますねー。後は、『無垢なる戦姫』を倒せれば……)
彼が考え事をしていると
「こんばんは、いい夜だね」
1人の男が声をかけてきた。
身長は高い。髪を立てて、サングラスをしている。顔も整っていて美男子ではあるのだが、どこかナヨナヨした雰囲気のせいでそうは見えない。
「そうですねぇ、月が綺麗です………さて、貴方はどちら様ですかな?」
男の腰には刀。
どう考えても、守護者の一員であるのは間違いないだろうが、男の発する気が正直低すぎて、敵なのかどうかもわからない。
男は表情を変えずに
「ここが遮絶の基点だな。それを壊しにきた」
質問には答えずに用件を言った。
「答えになっていませんよー?それとも正体
を知られるのがマズイですかー?」
ネロは話しながら思考する。
この男は何者だ?
(…!!……あの刀は………)
男が腰に提げている刀を見て、ネロは驚愕。しかし、それを笑みに変えて
「いえ、失礼しました。貴方がかの有名な『零の剣聖』ですか。その刀が何よりの証拠」
刀の鞘は黒いのだが……発するオーラが抑えられないのか漏れだしてきている。色は紅。
「名刀『紅(くれない)』。私達の世界でも指折りの刀です。そしてそれを使いこなした剣士は歴史上ただ1人、貴方です零の剣聖」
男はその言葉を聞き
フッと笑う。
「なるほど、頭も回るなネロ=マーテル。魔術師としても脅威だが、その観察力と情報処理能力は厄介だ……ここで消えてもらうよ」
しかし、ネロはさらに笑みを深めて
「んんーー!しかし、貴方はこちらの世界に渡り魂を定着させる際に「力のほとんどを使っている」と聞いてますよー?まあ、そのおかげで貴方は死んでいることになっていたのですが……」
「……ああ、その通りだ。当時の力などほとんど残っていないよ」
ネロはその真っ直ぐな返答に少し……
「……そんな貴方で、ナンバーズ4である私に勝てるとでも?」
いや、かなりイラついていた。
ゴウ!!
とオーラが膨れ上がる。
そのオーラは、傑と仁が遭遇した偽者よりも格段に強い!
一方の男……ジュンのオーラは最初のまま。
むしろ「全く無いようにさえ感じる」
「あんまり、無理はしたくないが……あんたは強い。たとえ「偽者でもな」」
ピク
とネロの顔が歪む。
(見抜かれた?戦ってもいないこの数瞬で?)
この男は危険!!
ネロは全力でこの男を排除することを決めた。
「いいでしょう…!!貴方をここで八つ裂きにして、守護者を……」
皆殺しにしてやりましょう!!と続く言葉は途中で途絶えた。
「は?」
「………」
ネロの視界が「上下逆さまになる」
前にいたはずのジュンがいつの間にか後ろに!
ネロの首が落ちていた。
「今度は本物できな」
ジュンの言葉を最後に
ボッ!!とネロの身体が燃える!
燃え尽きる寸前、止まっていた思考を取り戻したネロは
「これが……これが剣聖!!恐るべきかな……ジュン………!……いや、「元、ナンバーズ隊長カミシロ・ジュン」」
恨み言を遺し、消えていった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
1 / 4
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる