49 / 356
あなたが龍になった日
しおりを挟む
あなたへ
四十九日の法要の日、あなたの戒名をいただきましたね。
それは、龍の文字が入った、あなたが、とても気に入りそうな名前でした。
あの日、ご住職は、おっしゃいました。
四十九日が経つと、
亡くなった人の魂は、この世から離れて、あの世へと旅立ちますが、
向こうに行ったままになってしまうのではなく、
龍になって、向こう側とこちら側を自由に行き来できるように、
いつでも、大切な人に会いに行けるように、
そんな想いを込めて、龍という文字を使った戒名を付けました と。
その言葉を聞いて、涙が零れました。
あなたが夢の中で見せてくれた、行ってきますの笑顔の意味が、
ここで漸く、わかりました。
あなたはきっと、知っていたんだね。
四十九日の法要を迎えることが怖かった私の気持ちも、
素敵な戒名をいただけることも、その意味も。
全部知っていたから、きっとあんなふうに笑っていたんだね。
四十九日の法要を終えて、自宅へと戻ると、
それまでに感じていた空気の重さはなくなり、
また以前の空気へと戻っていました。
此処に、あなたは、もういない
そう感じるのに、何故だか悲しい気持ちを見つけることはないままに、
部屋の中の空気が軽くなったように、私の気持ちも軽くなったのでした。
あれから、はっきりとしたあなたのその存在を感じることはなくなりましたが、
例えば、
運転中に、豪雨に見舞われ、停車出来ずに、
冠水した道路を運転しながら、半泣きで、あなたの名前を呼んだ時に、
例えば、
本当に、辛いことがあって、涙を流した時に、
例えば、
どうしたら良いのかが分からない程に、困ったことがあった時に、
ふと寂しくなった時に、
あなたが、側にいてくれるような気がします。
あなたは、あの日、龍になり、
真っ直ぐに、天へと昇って行ったのでしょう。
今のあなたはきっと、
私達が本当に、あなたを必要とした時、
或いは、あなたが望んだ時に、
龍になって、自由に、そちら側とこちら側を行き来しているのでしょう。
きっと、あなたは青色の龍。
大空を飛ぶあなたの姿を、想像してみれば、
格好良いでしょ?って、ちょっと自慢気に、
気高く、堂々とした姿が思い浮かびました。
もしも、その姿を、この瞳に映すことが出来たとしたのなら、
私はきっと、あなたに惚れ直してしまうのでしょう。
最高に格好良いねって。
2016.09.24
四十九日の法要の日、あなたの戒名をいただきましたね。
それは、龍の文字が入った、あなたが、とても気に入りそうな名前でした。
あの日、ご住職は、おっしゃいました。
四十九日が経つと、
亡くなった人の魂は、この世から離れて、あの世へと旅立ちますが、
向こうに行ったままになってしまうのではなく、
龍になって、向こう側とこちら側を自由に行き来できるように、
いつでも、大切な人に会いに行けるように、
そんな想いを込めて、龍という文字を使った戒名を付けました と。
その言葉を聞いて、涙が零れました。
あなたが夢の中で見せてくれた、行ってきますの笑顔の意味が、
ここで漸く、わかりました。
あなたはきっと、知っていたんだね。
四十九日の法要を迎えることが怖かった私の気持ちも、
素敵な戒名をいただけることも、その意味も。
全部知っていたから、きっとあんなふうに笑っていたんだね。
四十九日の法要を終えて、自宅へと戻ると、
それまでに感じていた空気の重さはなくなり、
また以前の空気へと戻っていました。
此処に、あなたは、もういない
そう感じるのに、何故だか悲しい気持ちを見つけることはないままに、
部屋の中の空気が軽くなったように、私の気持ちも軽くなったのでした。
あれから、はっきりとしたあなたのその存在を感じることはなくなりましたが、
例えば、
運転中に、豪雨に見舞われ、停車出来ずに、
冠水した道路を運転しながら、半泣きで、あなたの名前を呼んだ時に、
例えば、
本当に、辛いことがあって、涙を流した時に、
例えば、
どうしたら良いのかが分からない程に、困ったことがあった時に、
ふと寂しくなった時に、
あなたが、側にいてくれるような気がします。
あなたは、あの日、龍になり、
真っ直ぐに、天へと昇って行ったのでしょう。
今のあなたはきっと、
私達が本当に、あなたを必要とした時、
或いは、あなたが望んだ時に、
龍になって、自由に、そちら側とこちら側を行き来しているのでしょう。
きっと、あなたは青色の龍。
大空を飛ぶあなたの姿を、想像してみれば、
格好良いでしょ?って、ちょっと自慢気に、
気高く、堂々とした姿が思い浮かびました。
もしも、その姿を、この瞳に映すことが出来たとしたのなら、
私はきっと、あなたに惚れ直してしまうのでしょう。
最高に格好良いねって。
2016.09.24
0
あなたにおすすめの小説
本物の夫は愛人に夢中なので、影武者とだけ愛し合います
こじまき
恋愛
幼い頃から許嫁だった王太子ヴァレリアンと結婚した公爵令嬢ディアーヌ。しかしヴァレリアンは身分の低い男爵令嬢に夢中で、初夜をすっぽかしてしまう。代わりに寝室にいたのは、彼そっくりの影武者…生まれたときに存在を消された双子の弟ルイだった。
※「小説家になろう」にも投稿しています
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
王様の恥かきっ娘
青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。
本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。
孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます
物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります
これもショートショートで書く予定です。
今さら「間違いだった」? ごめんなさい、私、もう王子妃なんですけど
有賀冬馬
恋愛
「貴族にふさわしくない」そう言って、私を蔑み婚約を破棄した騎士様。
私はただの商人の娘だから、仕方ないと諦めていたのに。
偶然出会った隣国の王子は、私をありのまま愛してくれた。
そして私は、彼の妃に――。
やがて戦争で窮地に陥り、助けを求めてきた騎士様の国。
外交の場に現れた私の姿に、彼は絶句する。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる