遊ぶつもりでログインしたら、融合異世界という現実だった。

夜空のかけら

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第68話 特殊性

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そんなかんやで帰還を果たした清水家だったが、30年経っても塔子のお父さんお母さんは全く年を感じさせず、昔のまま。
 むしろ、こっちの方が老けてる。
 ?
 そういえば、おかしい。
 妹たちだけではなく、ここに集っている者たち全員が若々しい。
 昔、住んでいたときは気がつかなかった。

 婆ちゃんが、そんな訝しげな顔をしているのを見て

「そうか、他の者と違って、この場所が特殊な場所だと言うことを知らないのじゃな」
「特殊な場所?」
「そうじゃ…っと、地下神殿に行かねばならん。おまえも来い」

 婆ちゃんにそう指名を受けたからには行かなければならないのは、以前と同じ。
 ただ、指名を受けない場合は男子禁制の場所。
 田舎の女性は全員、奉納舞をするので頻繁ではないが中に入っている。

「今回の当番は、全員地下神殿へ。清水家4人とお前も指名する」

 やっぱり、指名されたか。
 しかも2度も。

 地下神殿は、この場所の地下に存在するかなり大きい空間を指す。
 それ以外は、聞いたことがない。

 本殿から一度出てしまい、昼間家への道を歩き始める。

 春が話しかけてくる。

「昼間家か、今回のメインは。ここからが長いのよね~」
「当番?」
「そ、当番なの。くじ運悪くて、なんてね」
「くじ運か」
「あ、お兄さん違うから。きちんと順番が決まっているから」
「分かった」
「でね、昼間家についたら、そのまま円周に沿って、水面家、保持家という風に巡っていくの。全部周り終えたら昼間家から本殿に戻ると、地下神殿への扉が開いているの」
「へえ~、面倒くさいな」
「決めたのは、婆ちゃんよ。しかも、地下神殿に入る人が全員一緒に巡る必要があるの。今回の主役は、清水家4人とお兄さんね」
「どうしてだ?」
「神族になったからでしょうね。でも、この町にいる人たちも似たようなもので、基本的に外の時間の流れとは違うから」

 また出た。
 時間の流れ。
 時間の早さ。
 これは何を言っているのだろうか。

「ちょっと前に、時間の流れが違うとか、早さが違うとか聞いたけど?」
「そう?うーん。簡単に言えば、外の世界での1年が、ここでは1ヶ月なの。だいたい10分の1くらいかな」
「え」
「お兄さんがここに来て、今まででだいたい10時間くらいかな。外の時間をそのまま当てはめると、100時間。4日間…そろそろ5日間くらいになるかも」

 雑談をしつつ各家を巡っていく。
 以前は不思議に思わなかった家名だが、今回はよく見ていく。

 昼間ひるま水面みなも保持ほじ朱宅あかやけ夕陽ゆうひ飛鳥あすか夜中やなか敬虔けいけん静野しずの朝日あさひ四つ辻よつつじ十字じゅうじ

 12家が、円周に配置されている。
 清水家は、静野家の本家になっていて、現在は静野家が代行している。

 そして…
 本殿は、天宮家。
 地下神殿は、神宮家の管理だ。
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