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第2章 トモエ天国

10 ともえの失敗

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始めまして、天(あま)ともえです。
なんだか、お名前自己紹介から始まりましたが、理由はよくわかりません。
おかしな世界の発端となった人物でもあります。

私は、とある世界で、大変重要な仕事についております。それがなんであるかは、ここでは言うことはできませんが、その関係上、世界の構造や介入などは簡単にできてしまいます。
まぁ、いいじゃありませんか。
地球(テラ)の半径が4倍になるとか、面積が16倍になるとか、些細なことです。まぁ、余波で上空の人工衛星や宇宙デブリが大気圏突入して燃え尽きるとかは、想像もしていませんでしたが。

広がった面積で、元からあった島々に対して、いくつかの大陸や大きい島を追加しました。
そのうちの1つが、通称トモエ天国(私からすれば、不本意な名称)というものです。島の全体を巨大な生体フィルター(張らせたのは親戚)で、他にもいろいろ追加して、外と中の時間速度を変えることができました。まぁ、そんなに隔絶した者ではありませんが。(でも、外の約1か月で中は約10年進む)
おかしな世界になったので、その世界内に住まう人にも様々な体験のおすそ分けです。
楽しんでいただけたら、幸いです。

利用方法は様々で、試験勉強をしたいが試験日が近く時間が取れない場合は、島外の時間で約3日は島内の時間で約1年ということで、十分な時間が取れます。
他にもこの時間差を利用して、島外で約1年は島内での約120年に達することから、一生涯を通しで体験できます。もちろん、生まれてから死ぬまでや死んだあとの自分の葬式も見ることができるという、楽しみが増えることになります。
安全対策にも気を使っており、あらかじめ本人が登録した許容範囲を超える場合は、自動的に島内への接続が切られ、島外の施設にて目覚めることになります。なお、この場合の再入島には追加料金は必要なく、党内通貨や各種データは温存されますので、気軽にご利用いただけます。

…いつから、テーマパークの宣伝になってしまったのかしら。
まぁ、いいわ。

ああ、1つ言い忘れたことが。
島の中央部には、この世界への出入り口があります。ここへ島外からの方の仮想体が生成され、お望みの場所へ移動することができます。いわゆるゲートです。
島内からはこの中央部には巨大な城があります。島外から見ると空へ向かって伸びている軌道エレベーターとなっています。地球が膨張(元の半径は約6400km/半径的には約4倍=約2万6000km)する前に城の構築が始まったのですが、基礎工事中にさらに膨張したらしく、ほぼすべての衛星が落とされてしまった現在、正確な地球の大きさを把握するには至っておりません。月までの距離が当初38万kmだったのですが、その後の計測により約30万kmに縮まっていることから、単純で膨張後の地球の半径は7万kmを超えている。10倍以上になったようで、以前の最速交通手段の1つである航空機の移動もままらないことから、魔法技術で転送装置を作成しました。費用は掛かりませんので、ぜひ使用してください。
ただし、島外から島外への転送はできません。入島した方が利用された転送装置しか利用できないようになっております。

やっぱり宣伝になっているわね。
もう、宣伝部に入ろうかしら。え?ダメ。お仕事が山積みだから、早く帰ってこい?

いや~~、あの仕事は嫌~、誰か代わって~
(某世界のサポート班に担ぎ上げられて去っていくトモエさん)
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