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第9章 理の使命2
72 国軍
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あの場所へ行くために、よく分からない場所を歩いています。
なぜか、戦闘態勢を整えて…っと言っていたけれど、何をさせるつもりなんだろう。
先頭を歩く、あいつが頭に響く声で停止を言ってきた。前方に、何人か敵がいるらしい。聞けば、弓矢などの遠距離武器で、さらに前方にいる何かを狙っているらしい。
こちらも、遠距離武器である弓を静かに構える形で、待機。お姉ちゃんも同じ声を聴いていたらしく、私と同じく弓を背を低くして弓を放つ体制になっていた。
しかし、あいつは何もしようとしていない。
敵がなにかに向けて矢を放ち始めたらしく、そんな音がする。
あいつが、その敵に向けて矢を放てと言ってきた。頭の中に声がする。おかしな形で。
立ち上がって、指示のあった方に矢を放った。私は1本の木矢(鉄矢は重くて放てない)を放ったはずだったのに、矢が弓から離れたと同時に先端が赤い光の矢になって、分裂しながら複数の敵に突き刺さった。お姉ちゃんも同じだったらしく、私と同じ驚いていた。
赤い光の矢は、そこにいた敵全員に突き刺さったらしく、全員がその矢で倒れていた。まだ、死んでいないようで、のたうち回っている。人数は、10人くらいだろうか。
あいつが、そのうちの1人の頭を掴んで持ち上げた。すごい腕力。あ、強化魔法か。
周りがみんな倒れているので、危険はないかと思って、あいつの元へ行ったら、怒られた。
「周囲の安全確認をする前に出てくるな。何かあったら、まだ面倒だ。」
「その面倒ごとを片付けてくれるくらいしてくれるよね。イタズラの代で。」
「はぁ、まぁいいけどよ。じゃあ、面倒ごとを片付けたら、イタズラをしてやるよ。」
どきっ
「そんなの許すわけないじゃない。って、聞きなさいよ。」
あいつは、持ち上げた敵に何かを言っている。その敵は、私を見て驚いていた。何を話しているんだろう。
「なぜ、生きている。さっき射殺したはずだ。即効性の毒矢、即死しているはず。」
この敵は、村を、みんなを、私たちを、壊したあいつらか!言いようもない、怒りが湧いてくる、今なら敵を討てる、そんな思いで矢を握ろうとしたら、身体がふわっとした温かさに包まれた。お姉ちゃんだ。私を抱きしめて、「そんなことしなくていいの。」って、囁いている。昔なら、これを振り払って動けたはず。でも、今はなぜか、「そう、私がやる必要はない。」って思っている私がいる。
きっと、あいつがやってくれると思ってしまう私が。
あいつが言う。
「残念だったな。お前らに殺されたから、死にきれなくてな。わざわざお前らにお礼を言うために戻ってきてやったぞ。感謝してほしいものだ。」
「何を言って…。」
「だからなぁ、お前らにお礼を言うだけじゃたりなくてな、お前のお仲間も含めてお礼を言ってやるよ。お前のお仲間はどこにいる。」
「…。」
「ありがとよ、どこにいるか分かったぜ。まさか、国軍だとは思わなかったけどよ。」
「…。」
「ああ、思考を読み取っただけだ、お前は話していないさ。ただなぁ、他の連中はとっくにこの世から出ていったぞ。お前も、もう少しで出発だ。」
「…。」
敵の身体から、力が抜けていくのが分かってしまった。私の時と同じだと。
あいつが、脱力した敵を投げ離す。
「さて、敵がだれだかわかったところで、お礼を言いに行きますか。」
その言葉に、私たちは、はっと 気が付いた感じになって、
「行くって、どこに行くのよ。だいたい、村を襲ったのが国軍ってどういうことよ。この辺は、すっごい田舎だから、ならず者と言ったら盗賊団くらいっていう話しか聞いたことない。」
お姉ちゃんも、
「確か…私たちの村は、どこの国にも所属していないと聞いたことがあります。国軍と言われても、どこの国なのか分かりません。」
あいつが、
「しまったな、国軍としか読んでいなかった。もっと、深く読むべきだったか。」
と言い、悔しがっていたようだったが、何かに気が付いたらしい。
「…いや、まさか。いくらなんでも…、しかし、それしか考えられない?」
独り言?私たちには何も分からなかったから、お姉ちゃんの腕の中から抜け出して、体当たりして言った。
「何言ってるの。私たちにも分かるように話してよ。」
いきなり体当たりしたはずなのに、その行動は分かっていますっていう感じで、抱き留められた形であいつに言う形になってしまい、なんだか身体が熱く茹ってしまった。
お姉ちゃんは、私が抜け出した瞬間に、「あっ!」ってなっていたけれど、次の瞬間に、あいつに抱き着いたように見えたらしく、”やっぱり~”という雰囲気。
違うって、違う。そんなんじゃないって、って、言い訳をしようと思ったけれど、思ったよりも声も出ないし、身体も動かせない。完全にパニックになってた。
話の続きが聞けたのは、あいつが私を開放してくれてから、しばらく経ってからになった。
なぜか、戦闘態勢を整えて…っと言っていたけれど、何をさせるつもりなんだろう。
先頭を歩く、あいつが頭に響く声で停止を言ってきた。前方に、何人か敵がいるらしい。聞けば、弓矢などの遠距離武器で、さらに前方にいる何かを狙っているらしい。
こちらも、遠距離武器である弓を静かに構える形で、待機。お姉ちゃんも同じ声を聴いていたらしく、私と同じく弓を背を低くして弓を放つ体制になっていた。
しかし、あいつは何もしようとしていない。
敵がなにかに向けて矢を放ち始めたらしく、そんな音がする。
あいつが、その敵に向けて矢を放てと言ってきた。頭の中に声がする。おかしな形で。
立ち上がって、指示のあった方に矢を放った。私は1本の木矢(鉄矢は重くて放てない)を放ったはずだったのに、矢が弓から離れたと同時に先端が赤い光の矢になって、分裂しながら複数の敵に突き刺さった。お姉ちゃんも同じだったらしく、私と同じ驚いていた。
赤い光の矢は、そこにいた敵全員に突き刺さったらしく、全員がその矢で倒れていた。まだ、死んでいないようで、のたうち回っている。人数は、10人くらいだろうか。
あいつが、そのうちの1人の頭を掴んで持ち上げた。すごい腕力。あ、強化魔法か。
周りがみんな倒れているので、危険はないかと思って、あいつの元へ行ったら、怒られた。
「周囲の安全確認をする前に出てくるな。何かあったら、まだ面倒だ。」
「その面倒ごとを片付けてくれるくらいしてくれるよね。イタズラの代で。」
「はぁ、まぁいいけどよ。じゃあ、面倒ごとを片付けたら、イタズラをしてやるよ。」
どきっ
「そんなの許すわけないじゃない。って、聞きなさいよ。」
あいつは、持ち上げた敵に何かを言っている。その敵は、私を見て驚いていた。何を話しているんだろう。
「なぜ、生きている。さっき射殺したはずだ。即効性の毒矢、即死しているはず。」
この敵は、村を、みんなを、私たちを、壊したあいつらか!言いようもない、怒りが湧いてくる、今なら敵を討てる、そんな思いで矢を握ろうとしたら、身体がふわっとした温かさに包まれた。お姉ちゃんだ。私を抱きしめて、「そんなことしなくていいの。」って、囁いている。昔なら、これを振り払って動けたはず。でも、今はなぜか、「そう、私がやる必要はない。」って思っている私がいる。
きっと、あいつがやってくれると思ってしまう私が。
あいつが言う。
「残念だったな。お前らに殺されたから、死にきれなくてな。わざわざお前らにお礼を言うために戻ってきてやったぞ。感謝してほしいものだ。」
「何を言って…。」
「だからなぁ、お前らにお礼を言うだけじゃたりなくてな、お前のお仲間も含めてお礼を言ってやるよ。お前のお仲間はどこにいる。」
「…。」
「ありがとよ、どこにいるか分かったぜ。まさか、国軍だとは思わなかったけどよ。」
「…。」
「ああ、思考を読み取っただけだ、お前は話していないさ。ただなぁ、他の連中はとっくにこの世から出ていったぞ。お前も、もう少しで出発だ。」
「…。」
敵の身体から、力が抜けていくのが分かってしまった。私の時と同じだと。
あいつが、脱力した敵を投げ離す。
「さて、敵がだれだかわかったところで、お礼を言いに行きますか。」
その言葉に、私たちは、はっと 気が付いた感じになって、
「行くって、どこに行くのよ。だいたい、村を襲ったのが国軍ってどういうことよ。この辺は、すっごい田舎だから、ならず者と言ったら盗賊団くらいっていう話しか聞いたことない。」
お姉ちゃんも、
「確か…私たちの村は、どこの国にも所属していないと聞いたことがあります。国軍と言われても、どこの国なのか分かりません。」
あいつが、
「しまったな、国軍としか読んでいなかった。もっと、深く読むべきだったか。」
と言い、悔しがっていたようだったが、何かに気が付いたらしい。
「…いや、まさか。いくらなんでも…、しかし、それしか考えられない?」
独り言?私たちには何も分からなかったから、お姉ちゃんの腕の中から抜け出して、体当たりして言った。
「何言ってるの。私たちにも分かるように話してよ。」
いきなり体当たりしたはずなのに、その行動は分かっていますっていう感じで、抱き留められた形であいつに言う形になってしまい、なんだか身体が熱く茹ってしまった。
お姉ちゃんは、私が抜け出した瞬間に、「あっ!」ってなっていたけれど、次の瞬間に、あいつに抱き着いたように見えたらしく、”やっぱり~”という雰囲気。
違うって、違う。そんなんじゃないって、って、言い訳をしようと思ったけれど、思ったよりも声も出ないし、身体も動かせない。完全にパニックになってた。
話の続きが聞けたのは、あいつが私を開放してくれてから、しばらく経ってからになった。
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