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第9章 理の使命2
76 双子の破壊の神
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あいつの記憶を見ている私だったけれど、破壊衝動があいつの記憶に満ちた時に、私はその記憶の流れから弾き飛ばされてしまった。
あいつを斜め上から見える位置に再出現した私は、それを黙ってみているしかなかった。まだ、本来の自分の身体に戻れなかったからだけど。
破壊衝動のままに、周囲が壊れていく。
”あいつがいる”それだけの存在で周囲が壊れていく。これと言った行動はしていない。いるだけ。それだけで、壊れる。
光り輝いていた場所は、急速に薄暗く、そして真っ暗闇と変わっていく。
明るい場所が暗くなり、闇と同化し始めると破壊衝動は少しずつ治まっていき、以前と同じ真っ暗闇になったと同時にその破壊衝動は消えた。
それからだ。
この同じ光景が何度も繰り返される。
真っ暗の中に、何かの2つが来て、世界を創り、最後に何かを託されて真っ暗闇の中へ戻る。
真っ暗闇の中に裂けめが生じ、そこから光が入ってくると破壊衝動で全てのものを壊す。
周囲が真っ暗闇となると同時に、破壊衝動は消える。
そんなことの繰り返し。
100回、1,000回、いやもっともっと多く。
繰り返されたのは、途方もない回数だと思う。
でも、その繰り返しの中で少しずつ変わっていったことがある。
それは、3人の立ち位置。
おそらく2人は創世の女神。不本意だけど、私?とお姉ちゃん。
あいつは、破壊衝動を持つことから、破壊の神さまなんだろう。
反転魔法陣は、本当は違う使われ方をしたのかもしれない。
あるとき、決定的な出来事を見た。
創世の女神が2人ではなく3人現れた。
対するあいつも2人。
あいつは双子の片割れで、もう1人いたけれど、こいつ、私の事見えている?
しきりに、こっちに小さく手を振っている。
ハンドサインで、私・違う・こっち?
みたいなことをやると、君・あってる・分かってる?って感じに聞こえるから不思議。
あいつとくらべると、もっとしっかりとした男って感じ。
3人のうち2人は私にそっくり。
というか、2人いるんじゃなくて、重なってるように見えるだけ?
創世の辺りは全く同じで、暗闇に閉ざされるところまでは全く同じだったのに、暗闇に閉ざされていったのは、あいつだけでこいつはなぜか創世した場所に留まってる。
女神たちが不思議そうに首を傾げていたが、こいつは、こっちに来るなという風に手の平をこっちに向けて、行動を押さえているように見えた。
実際、何か壁のようなものがあって、それ以上に進めない。
その場所で見覚えのあるものが描き始められた。
私は思わず
「反転魔法陣」
とつぶやくと、こいつはこっちを見て、親指を立てて、”good!”って感じのどや顔をしてた。
反転魔法陣が描かれ、女神との間にあった壁は消えた。
こいつは、女神と一言二言、言葉を交わすと、描いた魔法陣の中心に立ち、こう言った。
「我は、破壊の神と同等の存在。ここに、反転魔法陣として封じられ、来(きた)る時まで、眠りにつく。無数の世界に無数の我が存在するように、この陣も築き整え封じて世界の最期まで守りにつく。破壊の神が全てを壊さぬように…。」
また、こっちを見た。本当に見えているの?
「見守ってくれてありがとうな。やっと、君に会えるよ。もう少しだからな。」
そんな声が、どこともなく聞こえてくる…。
私の中?
そんな訳ないはずなのに。
***
ふっ…と、今の感覚や周囲の音が、あいつの記憶なのか、私のなのかが分からなくなっていた。だからだろうか、あいつの声で、正気に戻った瞬間蹴とばしたのは。
「おい、バカっぽい顔がさらにボケた顔になってるぞ。どうした!悪い人でも食べたか?声をかけてダメなら、身体に聞くしかないか…、まずは胸だ…。痛っ、ちょ、冗談だ。真に受けるなよ。ぼんやりばかなやつ程、こういうと正気が戻るという研究結果があるくらい、すごい技術なんだぞ。………いや、ごめん。」
最もらしい言い訳をしていたから、ギロリと冷たい目で睨みつけてやったら、慌てて謝罪した。うん、反省していなわね。
お姉ちゃんからも、怒ってよと思って振り返ると、身体を丸めて震えているのを見て、ため息が出てしまった。
静かに、笑い転げているような感じだったから。
***
何とか3人とも、発狂死・凍死・笑死と、3つの死からの回避ができたところで、さっそく聞きたいことを聞いてみた。
「ねえ、あなたの記憶?を見ていたら、あなたにそっくり…いいえ、双子の人が出てきて、あなたの方ではない方が、反転魔法陣になっていたのを何度も見たわ。あなた、それのこと知ってる?」
「は?反転魔法時に化けた?」
「そういうことではなくて、あなたにそっくりな人が反転魔法陣を作って、その中に…なんだっけ、封じられた…うーん、忘れた。」
「その話、どこかで聞いた気がする。でも、どこで何を聞いたのだろう。とても重要で、言うタイミングも相手から認められるのも重要だと思うのだけど、何も思い出せない。」
突然、降ってわいた疑問に悩み始めるあいつ。私がその苦悩に糸を付けてしまったのかもしれない。
あいつを斜め上から見える位置に再出現した私は、それを黙ってみているしかなかった。まだ、本来の自分の身体に戻れなかったからだけど。
破壊衝動のままに、周囲が壊れていく。
”あいつがいる”それだけの存在で周囲が壊れていく。これと言った行動はしていない。いるだけ。それだけで、壊れる。
光り輝いていた場所は、急速に薄暗く、そして真っ暗闇と変わっていく。
明るい場所が暗くなり、闇と同化し始めると破壊衝動は少しずつ治まっていき、以前と同じ真っ暗闇になったと同時にその破壊衝動は消えた。
それからだ。
この同じ光景が何度も繰り返される。
真っ暗の中に、何かの2つが来て、世界を創り、最後に何かを託されて真っ暗闇の中へ戻る。
真っ暗闇の中に裂けめが生じ、そこから光が入ってくると破壊衝動で全てのものを壊す。
周囲が真っ暗闇となると同時に、破壊衝動は消える。
そんなことの繰り返し。
100回、1,000回、いやもっともっと多く。
繰り返されたのは、途方もない回数だと思う。
でも、その繰り返しの中で少しずつ変わっていったことがある。
それは、3人の立ち位置。
おそらく2人は創世の女神。不本意だけど、私?とお姉ちゃん。
あいつは、破壊衝動を持つことから、破壊の神さまなんだろう。
反転魔法陣は、本当は違う使われ方をしたのかもしれない。
あるとき、決定的な出来事を見た。
創世の女神が2人ではなく3人現れた。
対するあいつも2人。
あいつは双子の片割れで、もう1人いたけれど、こいつ、私の事見えている?
しきりに、こっちに小さく手を振っている。
ハンドサインで、私・違う・こっち?
みたいなことをやると、君・あってる・分かってる?って感じに聞こえるから不思議。
あいつとくらべると、もっとしっかりとした男って感じ。
3人のうち2人は私にそっくり。
というか、2人いるんじゃなくて、重なってるように見えるだけ?
創世の辺りは全く同じで、暗闇に閉ざされるところまでは全く同じだったのに、暗闇に閉ざされていったのは、あいつだけでこいつはなぜか創世した場所に留まってる。
女神たちが不思議そうに首を傾げていたが、こいつは、こっちに来るなという風に手の平をこっちに向けて、行動を押さえているように見えた。
実際、何か壁のようなものがあって、それ以上に進めない。
その場所で見覚えのあるものが描き始められた。
私は思わず
「反転魔法陣」
とつぶやくと、こいつはこっちを見て、親指を立てて、”good!”って感じのどや顔をしてた。
反転魔法陣が描かれ、女神との間にあった壁は消えた。
こいつは、女神と一言二言、言葉を交わすと、描いた魔法陣の中心に立ち、こう言った。
「我は、破壊の神と同等の存在。ここに、反転魔法陣として封じられ、来(きた)る時まで、眠りにつく。無数の世界に無数の我が存在するように、この陣も築き整え封じて世界の最期まで守りにつく。破壊の神が全てを壊さぬように…。」
また、こっちを見た。本当に見えているの?
「見守ってくれてありがとうな。やっと、君に会えるよ。もう少しだからな。」
そんな声が、どこともなく聞こえてくる…。
私の中?
そんな訳ないはずなのに。
***
ふっ…と、今の感覚や周囲の音が、あいつの記憶なのか、私のなのかが分からなくなっていた。だからだろうか、あいつの声で、正気に戻った瞬間蹴とばしたのは。
「おい、バカっぽい顔がさらにボケた顔になってるぞ。どうした!悪い人でも食べたか?声をかけてダメなら、身体に聞くしかないか…、まずは胸だ…。痛っ、ちょ、冗談だ。真に受けるなよ。ぼんやりばかなやつ程、こういうと正気が戻るという研究結果があるくらい、すごい技術なんだぞ。………いや、ごめん。」
最もらしい言い訳をしていたから、ギロリと冷たい目で睨みつけてやったら、慌てて謝罪した。うん、反省していなわね。
お姉ちゃんからも、怒ってよと思って振り返ると、身体を丸めて震えているのを見て、ため息が出てしまった。
静かに、笑い転げているような感じだったから。
***
何とか3人とも、発狂死・凍死・笑死と、3つの死からの回避ができたところで、さっそく聞きたいことを聞いてみた。
「ねえ、あなたの記憶?を見ていたら、あなたにそっくり…いいえ、双子の人が出てきて、あなたの方ではない方が、反転魔法陣になっていたのを何度も見たわ。あなた、それのこと知ってる?」
「は?反転魔法時に化けた?」
「そういうことではなくて、あなたにそっくりな人が反転魔法陣を作って、その中に…なんだっけ、封じられた…うーん、忘れた。」
「その話、どこかで聞いた気がする。でも、どこで何を聞いたのだろう。とても重要で、言うタイミングも相手から認められるのも重要だと思うのだけど、何も思い出せない。」
突然、降ってわいた疑問に悩み始めるあいつ。私がその苦悩に糸を付けてしまったのかもしれない。
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