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第9章 理の使命2
77 破壊神への好意?!
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「分からん。」
苦悩の表情を見せたあいつ…、結論を出すのが早かった。
悩んだのは、実質1分?
そして、もう次の話題に移ってしまった。
「回復してきたから、そろそろ移動しよう。」
「回復って、まださっきから5分も経っていないのに?まさか…。」
「大丈夫だって、さっき愛情をもらったからな。」
「…そんなのあげていないわよ。」
なんだか、顔が…
さっきからおかしいわね。何かした…
あいつは、お姉ちゃんとあっちへ行こうか、こっちがいいかとか言っている。
「ねぇ…。」
聞こえているのかいないのか、ちょっと気に喰わなかったから、あいつの顔を掴んでこっちに向けて
「私に何か術を掛けたでしょ。」
って、言ってやった。
しかし、
「は?」
何を言っているの、こいつっていう顔。
「解きなさいよ。」
「いや、だから何を言っているの?」
「私が好意を受けるように何か細工をしたんでしょう。そうに違いない。違いなければ、こんな感情になること自体おかしいのよ。お姉ちゃんにも、好印象になるような意識操作でもしたんでしょ。白状しなさいよ。」
「悪い。本当に本気でそんなこと言ってる?」
「当り前じゃない。だって、じゃなければおかしいもの。」
なんだか、少し前にもこんなことをやったような…
お姉ちゃんが、自分自身も話の中に出てきたことで、私に柔らかい言葉、しかし、衝撃的な一言を言った。
「あらあら、私はもちろん、あなたもそういうものには掛かっていないわよ。そもそも、催眠術などの術も意識操作なんていうのも、効果がないから。知らなかった?創世の女神さまはね、全てを作ったの。だから当然、催眠術などの術系や意識操作という技術系も作った。つまり、誰よりも知っていて、誰よりも防御が堅固なの。破壊の神さまはね、壊すことしかできないから、破壊の神さまなの。好印象を与える前に、関係なんて壊しちゃうから、今のような状況にはならないわ。」
ふふ…っと笑いながら、決定打が…
「照れ隠し。可愛いわね。」
と、お姉ちゃんが抱き着いてきた。あいつにばれないように、メッセージ付きで。
「あの子は、優良物件よ。記憶の中で見た、あの人も捨てがたいとは思うだろうけど、私なら、あの人がいいわね。」
「え!お姉ちゃんも、記憶を見たの??」
「さぁ、どうでしょうね。」
朗らかに笑いながら、離れるお姉ちゃん。何を考えているのか、分からないけれど、なんとなく聞いてはいけない感じ。
こんな2人をあいつは、微笑ましいって感じで見てる。
ま、また、繰り返すのか。
すると、あいつは、こちらに背を向けて、よく分からない方向を指さした。
「あっちに大きい街がある…ような気がする。あっちに行ってみようぜ。」
見えない。
でも、あいつがこういうなら、何かがあるんだろう。
あいつに顔を見られたくなかったから、
「じゃ、じゃあ、そっちへ行きましょ。先へ行って。後から2人で、追っていくから。」
「え~。いいじゃん、みんなで同じ方向に行くんだから、3人横並びでも。」
「こっち見んな。」
「照れ隠し、かわいい…。」
わいわいがやがや、私たち、3人の旅がやっと始まった…はず。
しばらく歩いていて、遠くの遠くの方に街っぽいものが見えた時、出発した辺りに何かがあるような気がして、振り向いてみた。思ったよりも遠くになっていたけれど、そこに何かがいたような気がしたけれど、すぐに周囲に紛れてしまい、分からなくなってしまった。
ちょっと、ため息をつきながら、前を見たら、あいつが目の前に。
「なっ!」
「よそ見をしながら歩いていると、コケるぞ。コケそうになったから、優しく抱きしめてあげる準備をしていたんだが、残念。」
思わず、蹴とばした私は悪くない。
あいつと私がそんなやり取りをしていた時、お姉ちゃんも同じように出発した辺りを見ていた。
しかし、私よりも早く創世の女神の記憶が蘇っていたのか、女神の能力でその場所を見ていて、何かを悟っていたのかもしれない。その後に起こることを。
のちに、そのことを聞かされて、私がいかに何も知らなかった。何かを知ろうとしなかったことに後悔するようになったのは、ずっと後の話だった。
***
遠くを歩いている3人を座りながら見ている。
少しずつ、遠くなっていくけれど、行く先は知っているし、今後どうゆう展開になるのかも分かっている。知らないのは、双子の片割れと妹ちゃんかな。
おっと、こっちを見られたか。
溶けるように、存在を薄くして、ちょっとあいつを動かして…よし、うまく逸らせた。
妹ちゃんは、これでいいけれど、お姉ちゃんは…ありゃ、ばれてるな。
ハンドサイン、通じるかな。
…、一方通行だけど、返答が来た。
ええと、
『詳細は承知しています。先に、街へ。お待ちしています。』
ふう、話の分かる方でよかったよ。これで、今後もなんとかなるかな。
こっちはこっちで、用意もしますかね。
苦悩の表情を見せたあいつ…、結論を出すのが早かった。
悩んだのは、実質1分?
そして、もう次の話題に移ってしまった。
「回復してきたから、そろそろ移動しよう。」
「回復って、まださっきから5分も経っていないのに?まさか…。」
「大丈夫だって、さっき愛情をもらったからな。」
「…そんなのあげていないわよ。」
なんだか、顔が…
さっきからおかしいわね。何かした…
あいつは、お姉ちゃんとあっちへ行こうか、こっちがいいかとか言っている。
「ねぇ…。」
聞こえているのかいないのか、ちょっと気に喰わなかったから、あいつの顔を掴んでこっちに向けて
「私に何か術を掛けたでしょ。」
って、言ってやった。
しかし、
「は?」
何を言っているの、こいつっていう顔。
「解きなさいよ。」
「いや、だから何を言っているの?」
「私が好意を受けるように何か細工をしたんでしょう。そうに違いない。違いなければ、こんな感情になること自体おかしいのよ。お姉ちゃんにも、好印象になるような意識操作でもしたんでしょ。白状しなさいよ。」
「悪い。本当に本気でそんなこと言ってる?」
「当り前じゃない。だって、じゃなければおかしいもの。」
なんだか、少し前にもこんなことをやったような…
お姉ちゃんが、自分自身も話の中に出てきたことで、私に柔らかい言葉、しかし、衝撃的な一言を言った。
「あらあら、私はもちろん、あなたもそういうものには掛かっていないわよ。そもそも、催眠術などの術も意識操作なんていうのも、効果がないから。知らなかった?創世の女神さまはね、全てを作ったの。だから当然、催眠術などの術系や意識操作という技術系も作った。つまり、誰よりも知っていて、誰よりも防御が堅固なの。破壊の神さまはね、壊すことしかできないから、破壊の神さまなの。好印象を与える前に、関係なんて壊しちゃうから、今のような状況にはならないわ。」
ふふ…っと笑いながら、決定打が…
「照れ隠し。可愛いわね。」
と、お姉ちゃんが抱き着いてきた。あいつにばれないように、メッセージ付きで。
「あの子は、優良物件よ。記憶の中で見た、あの人も捨てがたいとは思うだろうけど、私なら、あの人がいいわね。」
「え!お姉ちゃんも、記憶を見たの??」
「さぁ、どうでしょうね。」
朗らかに笑いながら、離れるお姉ちゃん。何を考えているのか、分からないけれど、なんとなく聞いてはいけない感じ。
こんな2人をあいつは、微笑ましいって感じで見てる。
ま、また、繰り返すのか。
すると、あいつは、こちらに背を向けて、よく分からない方向を指さした。
「あっちに大きい街がある…ような気がする。あっちに行ってみようぜ。」
見えない。
でも、あいつがこういうなら、何かがあるんだろう。
あいつに顔を見られたくなかったから、
「じゃ、じゃあ、そっちへ行きましょ。先へ行って。後から2人で、追っていくから。」
「え~。いいじゃん、みんなで同じ方向に行くんだから、3人横並びでも。」
「こっち見んな。」
「照れ隠し、かわいい…。」
わいわいがやがや、私たち、3人の旅がやっと始まった…はず。
しばらく歩いていて、遠くの遠くの方に街っぽいものが見えた時、出発した辺りに何かがあるような気がして、振り向いてみた。思ったよりも遠くになっていたけれど、そこに何かがいたような気がしたけれど、すぐに周囲に紛れてしまい、分からなくなってしまった。
ちょっと、ため息をつきながら、前を見たら、あいつが目の前に。
「なっ!」
「よそ見をしながら歩いていると、コケるぞ。コケそうになったから、優しく抱きしめてあげる準備をしていたんだが、残念。」
思わず、蹴とばした私は悪くない。
あいつと私がそんなやり取りをしていた時、お姉ちゃんも同じように出発した辺りを見ていた。
しかし、私よりも早く創世の女神の記憶が蘇っていたのか、女神の能力でその場所を見ていて、何かを悟っていたのかもしれない。その後に起こることを。
のちに、そのことを聞かされて、私がいかに何も知らなかった。何かを知ろうとしなかったことに後悔するようになったのは、ずっと後の話だった。
***
遠くを歩いている3人を座りながら見ている。
少しずつ、遠くなっていくけれど、行く先は知っているし、今後どうゆう展開になるのかも分かっている。知らないのは、双子の片割れと妹ちゃんかな。
おっと、こっちを見られたか。
溶けるように、存在を薄くして、ちょっとあいつを動かして…よし、うまく逸らせた。
妹ちゃんは、これでいいけれど、お姉ちゃんは…ありゃ、ばれてるな。
ハンドサイン、通じるかな。
…、一方通行だけど、返答が来た。
ええと、
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