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第9章 理の使命2
81 孤児院のキャパシティー
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あのおかしな場所で、保護するけれど1か月眠りにつくという話の後に、存在が薄くなって眠ったように何の反応もしなくなった、お姉ちゃんとあいつ。
私は、なんともないし、いつの間にかに来ていた人は、何やら王族っぽい気配とお話し中。こっちはどうすればいいのか…。
ふっと気が付くと、パン屋に戻ってきてた。さっきまでの王族やらはいなくて、パン屋さんと案内人だけ。
案内人さんが、
「では、職業案内所に行きましょう。そこで、あなたにピッタリな仕事を案内します。」
「で、でもお姉ちゃんとか…。」
「あの場所でも言ったし、眠りに入った時の存在の薄さは実感されたかと思います。ここで暮らすには、少し危ないんですよ。ですので、今は寝かせてあげてください。時がくれば、この場所に戻ってきますから。そうしたら、しばらくの間甘えて暮らせばいいですよ。決して、後悔をしないような形で。」
「えっと、言っている意味が分からないのですが。」
その言葉に、私の額に指をちょんと当てて、
「今は、それでいいです。4人、揃ったら全てお話しますけれど、問題はもう1人よね。」
「あの人?」
「ええ、あの人。協力してくれるということだったので、既にその”協力”をしてもらっているけれど。」
「じゃあ、あの人には、会えないんだ。」
「今は無理ね。お二人ほどの時間は掛からないだろうけれど。」
そう言うと、手を合わせて パン! と音を立てると、
「さぁ、行くわよ~」
と、パン屋のドアを開けて飛び出そうとしたときに、パンが2個飛んできた。まだ、熱い。
「わっ!ありがとー。また来るね。竈もよろしく~。」
という声と共に、私の手を強引に引っ張りながら、薄暗い裏道を駆けていった。
***
着いた先は、看板に”職業案内所”って、書いてある。
扉の横には、王族承認第00号って。
その第00号のところに指を当てて、こんなのあるの?と聞こえないほどの小さい声で呟いたつもりだったけれど、聞こえていたみたい。
「それは、王様。ううん。お父様が、他の人とは違うっていうことを出したつもりだったの。家族だから…っていう理由かな。でも、王族だけじゃなくて、この街で住む人全てが家族っている気持ちの方が大きかったし、王族にしては、私。落ちこぼれ魔法使いだから、反転魔法陣も数十秒しか動かせないの。」
と、話すエリーさんは、どことなく寂しそうな顔をしていた。
後日、反転魔法陣の話が出てきて、数十秒しか動かせないと聞いた部分をみんなに伝えると、みんなが愕然としていた。知らなかったのだが、創世の女神2人と破壊の神2人の合計4人が魔力を結集させても、使えるのは数秒。ここに跳ぶことができたのは、前の世界が消滅する際のエネルギーを流用した結果だという。だから、単独でも数十秒も動かせるエリーさんの実際の力は、物凄いものとなり、エリーさんが落ちこぼれと言っているのは、おかしいと思っていた。
全ての理由は、この世界から出るときに、街の住民から聞く事ができた。もっと、早く知りたかったな。
寂しそうな顔をした、エリーさんだったけど、案内所に入るとそんな気分は隠れてしまい、自分の案内スペースに座らせると、自己紹介と共に、さっそく職業の案内業務になった。
「あなたに向いているお仕事は…いつどこでも生活できるように、色々教えてくれる場所。すなわち、孤児院です。ここでは、この世界に偶然入り込んだ人など、生活するのに必要な知識をもたない人が就く仕事で、ここの仕事がスムーズに行くようになると、手に職を求めて転職か、兼職する方が多いです。この街では、仕事に就くことが義務となっているのは、話したかと思いますが、本職と言える仕事のほかに1つだけ、副職という形の仕事に就くことができます。ただ、これも条件付きなのですが。さて、何か質問はありますか?」
凄い勢いで話していたので、何点か抜け落ちてしまった。その部分をエリーさんに聞いていく。先ほどと、ほぼ同じ内容の説明…らしい。なんとか理解をして、孤児院の規模を聞いてみた。
「そうですね。だいたい孤児が100人くらいでしょうか。直接面倒を見るシスターは30人くらい?今回のように、生活能力皆無の人のための訓練施設の側面もありますから、そういった人は…ええと、孤児と重複して、40人くらい…かな。孤児というのは、15歳未満を指しています。孤児兼訓練は、20人くらいだと思います。」
「そんなにいるの?」
「ええ、そしてこの街は、街区という地区分けがあって、地区の数は全部で20もあります。孤児院の数も、各街区に1つずつありますので、孤児だけでも2000人くらいいますね。最も、定員の数を超えても大丈夫なように、各街区と王城、地下迷宮内などを合わせると、最大収容人員は、1万人くらい…だったかな。そこで働く人も含めると…1万5000人くらいですね。」
私の中で、盛大な突っ込みが…それって多すぎない?
私は、なんともないし、いつの間にかに来ていた人は、何やら王族っぽい気配とお話し中。こっちはどうすればいいのか…。
ふっと気が付くと、パン屋に戻ってきてた。さっきまでの王族やらはいなくて、パン屋さんと案内人だけ。
案内人さんが、
「では、職業案内所に行きましょう。そこで、あなたにピッタリな仕事を案内します。」
「で、でもお姉ちゃんとか…。」
「あの場所でも言ったし、眠りに入った時の存在の薄さは実感されたかと思います。ここで暮らすには、少し危ないんですよ。ですので、今は寝かせてあげてください。時がくれば、この場所に戻ってきますから。そうしたら、しばらくの間甘えて暮らせばいいですよ。決して、後悔をしないような形で。」
「えっと、言っている意味が分からないのですが。」
その言葉に、私の額に指をちょんと当てて、
「今は、それでいいです。4人、揃ったら全てお話しますけれど、問題はもう1人よね。」
「あの人?」
「ええ、あの人。協力してくれるということだったので、既にその”協力”をしてもらっているけれど。」
「じゃあ、あの人には、会えないんだ。」
「今は無理ね。お二人ほどの時間は掛からないだろうけれど。」
そう言うと、手を合わせて パン! と音を立てると、
「さぁ、行くわよ~」
と、パン屋のドアを開けて飛び出そうとしたときに、パンが2個飛んできた。まだ、熱い。
「わっ!ありがとー。また来るね。竈もよろしく~。」
という声と共に、私の手を強引に引っ張りながら、薄暗い裏道を駆けていった。
***
着いた先は、看板に”職業案内所”って、書いてある。
扉の横には、王族承認第00号って。
その第00号のところに指を当てて、こんなのあるの?と聞こえないほどの小さい声で呟いたつもりだったけれど、聞こえていたみたい。
「それは、王様。ううん。お父様が、他の人とは違うっていうことを出したつもりだったの。家族だから…っていう理由かな。でも、王族だけじゃなくて、この街で住む人全てが家族っている気持ちの方が大きかったし、王族にしては、私。落ちこぼれ魔法使いだから、反転魔法陣も数十秒しか動かせないの。」
と、話すエリーさんは、どことなく寂しそうな顔をしていた。
後日、反転魔法陣の話が出てきて、数十秒しか動かせないと聞いた部分をみんなに伝えると、みんなが愕然としていた。知らなかったのだが、創世の女神2人と破壊の神2人の合計4人が魔力を結集させても、使えるのは数秒。ここに跳ぶことができたのは、前の世界が消滅する際のエネルギーを流用した結果だという。だから、単独でも数十秒も動かせるエリーさんの実際の力は、物凄いものとなり、エリーさんが落ちこぼれと言っているのは、おかしいと思っていた。
全ての理由は、この世界から出るときに、街の住民から聞く事ができた。もっと、早く知りたかったな。
寂しそうな顔をした、エリーさんだったけど、案内所に入るとそんな気分は隠れてしまい、自分の案内スペースに座らせると、自己紹介と共に、さっそく職業の案内業務になった。
「あなたに向いているお仕事は…いつどこでも生活できるように、色々教えてくれる場所。すなわち、孤児院です。ここでは、この世界に偶然入り込んだ人など、生活するのに必要な知識をもたない人が就く仕事で、ここの仕事がスムーズに行くようになると、手に職を求めて転職か、兼職する方が多いです。この街では、仕事に就くことが義務となっているのは、話したかと思いますが、本職と言える仕事のほかに1つだけ、副職という形の仕事に就くことができます。ただ、これも条件付きなのですが。さて、何か質問はありますか?」
凄い勢いで話していたので、何点か抜け落ちてしまった。その部分をエリーさんに聞いていく。先ほどと、ほぼ同じ内容の説明…らしい。なんとか理解をして、孤児院の規模を聞いてみた。
「そうですね。だいたい孤児が100人くらいでしょうか。直接面倒を見るシスターは30人くらい?今回のように、生活能力皆無の人のための訓練施設の側面もありますから、そういった人は…ええと、孤児と重複して、40人くらい…かな。孤児というのは、15歳未満を指しています。孤児兼訓練は、20人くらいだと思います。」
「そんなにいるの?」
「ええ、そしてこの街は、街区という地区分けがあって、地区の数は全部で20もあります。孤児院の数も、各街区に1つずつありますので、孤児だけでも2000人くらいいますね。最も、定員の数を超えても大丈夫なように、各街区と王城、地下迷宮内などを合わせると、最大収容人員は、1万人くらい…だったかな。そこで働く人も含めると…1万5000人くらいですね。」
私の中で、盛大な突っ込みが…それって多すぎない?
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