恋愛系短編集

夜空のかけら

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12 婚約破棄は好きですか?子犬になるから大好きです!

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初回公開日時 2021.09.12 00:13  文字数 933  累計ポイント2,893 pt 
ジャンル:恋愛
完結:この作品は、他の小説とは独立した作品となっています。

話のタイトル:婚約破棄は、子犬になるため?

---本文

「なあ、好きな人が出来たんだ。婚約破棄しよう」
「奇遇ね。私も好きな人ができたの。婚約破棄しましょう」

俺は今、幼馴染みでもある女性との婚約を破棄した。
そうして、運命の相手に告白をする。
きっと、応じてくれるはずだ。

*
また始まったわね。
毎回毎回、玉砕して戻ってくるんだから。
私が好きなのは、彼以外はいないのに、婚約破棄を拒否したりこちらも同じことを言わないと、子犬のような目で訴えかけてくる。
それはそれで、可愛くて思わず頭をなでなでしてしまったらどこかに行ってしまい、しばらく戻ってこなかった。
だから、それはたまにすることにして、彼の思いに答えることにしたの。

*

玉砕した。
呼び出して、こっちが告白する前に拒否された。
完璧だった。
婚約破棄して、女性関係は真っさらにしたのに。
もしかして、運命の女性ではなかったのか。
だとすれば誰だ。
誰なんだ。

ふと、彼女の事が脳裏に浮かんだ。
幼馴染みで元婚約者の事だ。
もしかして、彼女が運命の女性なんだろうか?
いいや、きっとそうだ。
今なら間に合うか。
彼女が好きな相手に告白する前に、婚約者に返り咲くのだ。
彼女の居場所は、長年の付き合いから分かる。
何キロでも大丈夫だ。

*
そろそろかしらね。
私の居場所を数キロ先から分かるなんて、まるでGPSね。
今回は、少しいじってあげましょう。

*
いた!
彼女は、友だちと一緒にいる。
でも、気にしない。
気にしちゃダメだ。
気にしちゃ、告白ができない。

「よ、よう」

第一声は、ダメダメだ。

「はい。元婚約者さま」

ぐさぐさぐさ
胸に響くその刃物

「あ~、婚約破棄は「なし」だ。これで、婚約している…よな」

ああ、なんて説得。

「いいえ、運命の相手に告白して玉砕されたから、婚約を元に戻そうとしたのでしょ。いつも、そうなんだから」

ああ、やっぱり見抜かれている。

婚約を元に戻してもらえないと言われ、なんだか悲しくなってきてしまった。

涙が目に溢れ、ぽろぽろ流れ出す。
いつもの覇気は失われて行くのが分かるが、どうしようもない。
でも、声を出してはいけないのは分かる。
鳴き声が、子犬のような悲しい響きを持つから。
だから、そこは出ないように頑張る。

*
もう少しかしら。
子犬のように泣いたら、許してあげましょ。
ああ、もう、可愛いんだから。

私の婚約者さま。


---著者から一言
子犬のような仕草がたまらん ということですな。
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