恋愛系短編集

夜空のかけら

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22 婚約破棄は、スマホと共に…消えた?

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初回公開日時 2021.08.15 16:16  文字数 614  累計ポイント  1,944 pt
ジャンル:恋愛
完結:この作品は、他の小説とは独立した作品となっています。

話のタイトル:先生!これは、どうすればいいですか?

---本文

「婚約破棄だ。えーと…」

時は、卒業式中の話である。

生徒会長が送辞を贈る際の冒頭に叫んだのがこれ。

一応、私(前生徒会長)が返辞をしないといけないのだけれど、これはないと思う。

しかし、相変わらずスマホの扱いが下手ねぇ。

「なぁなぁ、ここからどうすればいい」

小さな声で聞いてくるが、マイクはそれすらも拾ってしまっている。

本人は気づいていないけれど。

本当に婚約破棄をしたいのかも分からないが、送辞の原稿を考えていないのは確かだ。

「知りたい言葉を入れて、検索すればいいんですよ。何度も教えているのに」

私の声は、普通の音量。

当然、勢揃いしている在校生も卒業生にも聞えている。

「そ、そうか。…でない」

情けないったら…

「婚約破棄了解しました。検索、終わりましたか?」

「どれを選べば良いか分からない」

はぁ…

「婚約破棄をすれば、あなたと私は赤の他人。もう、何も教える義務はありません」

「そ、そんな………、そうだ。スマホの事を教えてくれる先生になって」

…なんだそれは。

「先生。助けてください。先生、先生」

「あ~もう、うるさい」

***

その後、私が横について送辞を言い、元の位置に戻って返辞をいう。

かなり変な卒業式になってしまった。

そして、卒業式で言ったとおり、私は婚約者ではなくて彼の先生になった。

きっと、このままずるずると婚約者の位置に戻るのだろうなと、思いながら。

ちなみに、学校にスマホを持ち込むのは禁止にしました。

思考停止になってしまうから。

はぁ…

---著者から一言
婚約破棄とか書くとよく分からないかもしれませんね。
許嫁なんです。この2人。
幼馴染みで、許嫁で、家族ぐるみの付き合いで、おまけにそれぞれの妹弟も許嫁という婚約破棄というのも無理な環境。
もちろん1歳違いですが、その辺りの事情も全員分かっています。
小さい町なので。
まぁ、いつものあれよ。あれ。茶番ということで。
日常と言ってもいい。
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