恋愛系短編集

夜空のかけら

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21 悪役になれなかった令嬢のお話。

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初回公開日時 2021.08.17 23:05  文字数 754  累計ポイント 5,154 pt
ジャンル:恋愛
完結:この作品は、他の小説とは独立した作品となっています。

話のタイトル:親友

---本文

「公爵令嬢ローザ。真実の愛に目覚めたマリーの事を虐めていただろう。そんなやつとは知らなかった。ここに、ローザとの婚約を破棄し、マリーとの婚約を発表する」

王子は、夏休み前の夜のパーティーでの挨拶で爆弾を落とした。

「ちょっと待ってください。いじめた覚えはありません。何かの間違いです」

「ほう、いじめた覚えはない。色々聞いているぞ」

「いいえ、きっと何かの間違いです」

「マリーを階段から突き落としたと聞いているぞ」

「それは、違います。階段で話していたマリーさんに危険な場所ということを注意をしようと思って肩を叩いたら驚いたのか飛び上がって踊り場に着地していました」

…?

「着地…?」

「それ以外にも、教科書を破いて泥水に入れようとしたら、強化紙で破れず防水防汚形状記憶で水を掛けて簡単に汚れを落としていたり、持ち物を隠そうとしたら探知魔法付きであっと言う間に所在場所から取り戻していたり、池に落とそうとしたら、可憐にステップを踏んで避けた上に私が落ちて、マリーさんに助けてもらったり。階段で躓いて落ちそうになった時も助けてもらいましたわ」

「結果的に良い方になっても、いじめはいじめだ」

しかし…

「ローザさんと婚約を破棄しないでください。彼女は、私の大切な親友なんです」

「今さら、婚約破棄を取り消すなど出来るはずがない。それより、マリーと婚約を結ぶと言ったことは嬉しくないのか」

「嬉しくありません。親友を蔑ろにする王子なんて嫌いです」

「な…?」

「ローザさん、行きましょう。ここにいると汚い事に巻き込まれてしまいます」

そう言うと、マリーはローザを押して会場から出て行ってしまった。

「なぜ。ここまで来れば、マリーは喜んで婚約を受け入れるはずだったのに」

目論見が狂った王子は、挨拶もそこそこに会場からふらふらと消えて行ったという。

---著者からの一言
悪役令嬢の行いが全て裏目に出た挙げ句、ヒロインにそれが原因でお友達認定されてしまい、結局絆されてしまった。
最後には、親友とまで言ってもらえるという結末。
結果は、王子の一人負け。
ヒロインは天然ものです。
誰にも勝てません。
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