運命のいたずら世界へご招待～

79 犯罪がない町…のはず

神社に着いた。
しかし、お婆ちゃんは役場の方に行っているとかで、神社にはお留守番が1人。
巫女仲間だけど、いつもは全く話さない人。
無言でニコニコしているという印象しかない人だった。
名前、何だっけ。
静野さんだ。
名前にぴったりなお方だね。

「役場に連絡入れておきましょうか？それとも、上経由で行きますか？」
「上経由？」
「天界に入れるなら、天界なりの良い方法があるらしいと聞いたことがあります」
「良い方法。何のことだろう」
「知らないならいいです。私もそんな方法があるらしいの？お婆ちゃんに聞いたけど何も言わなかったから」
「今度聞いてみよう」

そんな便利な方法があるのなら、あらかじめ知っておきたかった。
ともえ様絡みかな。
もしそうなら、回避一択だけど。

「役場に連絡、入れておいて。さて、次は役場か」
「表に自転車があるから使って良いわよ。薄暗くなったら使わないでね。返すのは気にしないで」
「ありがと」

ママチャリがあるのかと思ったら、電動自転車だった。
しかも、漕がなくても走る違法レベルのもの。

「誰も見ていないから大丈夫よ」

そういう問題だろうか。
安全運転で行こう。
一応この町には警察はない。
犯罪がないということになっているから。