異界審査官の巻き込まれ人生記

夜空のかけら

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11 名前は、ハジメ

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「ここは、スタート位置らしいわね」

グリーンが言う。
なんだそれは?
ちょっと落ち着かない。
横にいたグリーンに迫って、肩を揺らしてしまった。
動揺が激しいのはなぜだ?
グリーンから落ち着くように言われて、自制した。

「ここはゲームで言うスタート位置よ。ここから目的地に向うことになるわ。普通なら、ここで様々な事を決めるのだけれど、ゲーム初心者だから3つだけ決めて即目的地に行きましょう」
「分かった」
「本当に?」
「いや、分からない。教えて欲しい」
「まず名前を決めましょう。私も本名は、飛鳥みどりだけど、この場所から先はグリーンよ。苗字はないわ。冒険者グリーン、っていう訳」
「名前を考えるのが面倒くさい。一郎でいい」
「そのままじゃダメなのよ。少しは考える」
「ならハジメで」
「…何も考えていないじゃない、そのままじゃない。でもいいか」
「それならば、ハジメで決まり」

モニターを見る。
そこには、俺の情報が表示されていた。
名前 ハジメ
HP20
MP20
さっき決めた名前をグリーンが名前を入力する前にすでに“ハジメ”って入っていたから、それに倣って名前を“ハジメ”にしただけだが気がついていなかったのか。
まぁ、同じだから問題なし。

「このHPとかMPって何だ?」
「HPは、ヒットポイント。生命力とか体力とか言って、これが0になると死亡。だから、0にならないように注意してね。MPは、マジックポイント。魔法を使う場合に消費するものよ。これは0になっても死んだりしないけれど、魔法が使えなくなるわ。なるべく0にならないように注意は必要よ」
「魔法って何だ?」
「え?魔法、知らないの」
「おとぎ話や有名な映画に出てくる不思議能力だろ」
「そうよ。それが魔法よ」
「日常的に魔法って何だ。何かを攻撃するのだろう?」
「日常生活でも魔法は使うわよ」
「でも映画じゃ攻撃魔法ってやつがばんばん飛んでいたぞ」
「攻撃魔法だけじゃなくて、生活魔法や防御、治癒や付与、精霊など、色々あるのよ。色々。これから少しずつ学ぶから、そういうものだと思って」
「そうか」

魔法。魔法か。
もう少し調べておくんだったな。全くよく分からん。
巡視は3日間だったから、帰宅後に情報を仕入れておくか。
また、睡眠学習だな。
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