異界審査官の巻き込まれ人生記

夜空のかけら

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73 魔法スキルを持っていなかった

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まずは基本とされるもの。
火だ。
…どうやっていたっけ?
もう忘れかけていた。
イメージだ。
イメージ。
…。
あれ?全然発動しないぞ。

「ハジメ、悪いけどステータス見せてもらうね」
「え、ど、どうぞ」

なんだかグリーンの様子が強気に見える。
なぜだろう。

「ハジメ、あなた魔法のスキル持っていないわよ。その状態だと魔法は発動しないから、まずはスキルをなんとかしないとダメね」
「あれ?そうなの?イメージを強く持てば、魔法は出ると思っていたのだけど」
「確かにイメージも大切だけど、ここのゲームではスキルを持っていないと何もできないのよ」
「ええ、それは困ったなぁ。イメージも湧いてこなかったし、そういう理由だったのか」
「そうかもしれないわね。仕方が無い、特別にここでしか使えない暫定スキルを渡しておくわ。こんな感じで魔法は使うのよ~という感覚だけを覚えておいてね。うーん、暫定だけど全属性にしておくか。選ぶの面倒くさいし」

『プレイヤー名、ハジメに暫定スキル 魔法スキル全属性を付与します』
『プレイヤー名、ハジメに暫定スキル 思考サポートを付与します』

「一応、イメージを補強するための思考サポートというものを付与しておいたわ。たぶん、これであの人が関与してくると思うから、読んでみて」
「あの人?関与してくる?」
「私は私ですることがあるの。頑張ってね。一応1時間じゃ短いから2時間くらいは自力で頑張ること」

そう言って、グリーンはどこかに行ってしまった。
関与してくる人って言っても思い当たる人はいない。
いないが、多分このことだろうと思う者はいる。

「コア・ブレイン?」
「思考サポート、コア・ブレインです」
「…コア・ブレインだよな」
「そうですよ。ちょっとバージョンが古いですが、あなたと毎日お話をしている者のコピーです。機能限定版みたいなものです。魔法のイメージ補助のため参上しました」
「そうか。古くても毎日お話しているのは知っているんだ」
「当然です。私たちは光子通信ができますので、どこにいても私は私。まぁ、少し制約はありますが、たいしたことではありません」
「なんだか良く分からないが、まぁいいや。時間は有限。さっそく魔法を使ってみたい」
「まずはどれを使いますか?」
「まずは火だな。さっき全然イメージが湧かなかった」
「さっき…ああ、スキルを持たない人だとイメージも湧かないように制約があるのです。今は全属性で全ての魔法が使える状態です。MPも消費しないので大規模魔法でも大丈夫ですよ。詠唱もいりませんし、魔法陣とか魔法円とか魔法発動体もいりません」
「イメージだけでいいのか」
「やってみれば分かります」
「分かった」
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