彼と彼女の暴走日記

夜空のかけら

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第11話 4日目 街道を使って、隣街へ

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 意味不明な行動に飛び出して行った男性は、他の人が対処することになったのだが、部屋割りで、また問題が起きた。

 男女は別々の部屋に入ることになったのだ。

 この2人、兄妹のように思われているが実際は違い、飛び出してきた街が接する森に捨てられていた赤ちゃんだった。
 兄と言える彼の方が先に捨てられ、妹と言える彼女の方は1日遅れで保護された。たった1日の差で捨てられたところを見ると、同じ人が捨てたと思われたが、その後の詳細分析で全く違う構造体であると判明し、2人を兄妹のように育てた。
 育てたのは、街の人の全員と言え、同年代の子供に対して、非常識とも言える倫理観などが身に付いてしまった。
 しかし、行動力は言いようがない程強く、街の外に興味を抱いていたのは間違いない。
 兄妹だからこそ、いつまでも2人でいると思ったのに、別々の部屋に入るのは、許容できないことだった。
 だから、彼女のは、こう言ったのだ。

「お兄ちゃんと一緒の部屋がいい」

しかし、孤児院では、男女別々の部屋に入ることが決められており、これは年齢問わずの決まりごとだった。
 
「兄妹でも、ここでは性別で違うお部屋に入ることになっているの。これは、決まっていることだから、納得してね」

そう言ったのは、孤児院で女性神官。

2人で部屋に入ると譲らない彼女に対して、孤児院の男子は、騒ぎ立てる。

「お前ら、おかしいぜ。男女別々が嫌なら、ここから出ていけばいいじゃないか」
「「そうだそうだ」」
「俺も男女一緒がいい」

騒いでいる中には、思春期を迎えた者もいる。
こういう環境か、男子の女子に対する興味は抑制されていなければ、様々な問題が生じることは、自明の理である。

そして、彼女は言ってしまった。

「それじゃあ、この街を出る。短い間だったけれど、さようなら」

彼の手を握ると、

「“外へ行きましょう”」

と言って、孤児院のドアを開けて外に出ると、すぐにドアを閉めてから、街の外へ転移した。

 彼女は、意識しない場合でも転移などの魔法が使える。
 先天的な魔法使いというより、それ以上の魔法が使えるという魔導士と呼ばれる者だった。
ただし、正確には、魔導士でもないのだが、そのことは、今後、話すこともあると思う。

孤児院の神官などが周囲を探しても、兄妹の姿はそこにはなく、隣街へ安全に行ける街道を2人で歩いていたのを目撃した商人は、その情報が重要なものか、気づいていなかった。情報が孤児院や教会に届くまで、3日もかかったのは、あり得ないことで、反射的に関係ないと思っていたからだ。
 全力疾走の男性は、兄妹が街を離れてから力尽きて倒れてしまい、眠りから覚めると、また走りだそうとしたため、治療院総出でベッドに拘束されている。
こちらは、未だに原因不明で、治療方法もなく、既に医師などを含めて全員が匙を投げていた。
 奇病という判断だったが。
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