彼と彼女の暴走日記

夜空のかけら

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第19話 ??日 世界からの保護

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 梢との話は、続いていた。

 この世界は、真っ平らの上に乗っているという。
 そのためか、この高い塔から周囲を見ると、同じ高さの建物がいくつか見える。北の連山の高さは、この塔を超えて高い。
 よく見れば、東側の国にも同じ高さの塔が存在するらしい。

「私たちは、東の国との定時連絡を行っています。このことは、王は知っていますが、その他の王族や貴族などに対しては、秘密となっています」
「なぜ、秘密なんですか?」
「あらぬ誤解を防ぐため。…いわば、他国と通じている。王国を相手国に売り渡す行為だと思わせないためです」

 塔の最上層近くのフロアには、遠くを見るための望遠鏡があった。
 それを覗き込み円筒形の中の十字の上を透明壁にあった縦線と合わせると、遠くの方にある塔が見えた。

 向こうの方から、光の点滅が見えた。

「なんだろう。点滅しているよ」
「何かしらの通信だろう。しばらく待てば、内容が分かる」
「しばらくしたら?」

 しかし、鈴がそれを見ていて、

「うん。なんとなく分かる」
「分かるの?!望遠鏡でやっと見える感じなのよ」
「でも、分かっちゃった」
「?」
「あれはね、お祝い…かな」
「お祝い?何の?」

士長は、そういうと望遠鏡のとなりの壁が普通の壁になていて、そこに文字が羅列されていた。

『新しき理を信ずる者たちの来訪をお祝い申し上げる』

「「「ことわり?」」」

 その3人の疑問の言葉に、士長は

「より正確には、違った世界から来た者で、正しい世界を認識する者ということでしょうか」

 梢がやっぱり聞き返す。

「召喚元の世界から来た私達が、この世界を認識するって?」
「もう、知っているかと思いますが、この世界での名前というもの、名称には特別な意味があります。いわゆる、個体名を特定することで、遠隔攻撃が可能だと言うことです。そのため、人の名前はもちろん、街や場所の名前すらありません。」
「え?名称っていうものが全然ないの?」
「ええ、唯一の例外が、結婚などで伴侶を見つけた場合に、相互に名付けができることです」
「名前が分かったら、攻撃可能ではないの?」
「それが、魔法的というのでしょうか。きちんとした手順に従って名前を付けられた者は、世界によって保護されているのです」
「え~、じゃあ、あのお気楽3人組は?」

 そう、会話に入ってきたのは、杏だ。

「本来の世界で名前を付けられていたとしても、この世界の手順に従う必要があります。もちろん、異世界から来られた方など限定で、通名を付けることが可能です。皆さまが考えられた通名。梢、鈴、杏がそれに当たります。これも、世界による保護の1つです。そのかわり、元の名前では、保護がなく、名前を持って操られたり、殺されたりします」
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