【完結】真実の愛の元には、婚約破棄なんて意味を成さない

夜空のかけら

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公爵令嬢ローザの根回し*

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また、バカをやったと思った。

”真実の愛”に目覚めたと聞かされた時だ。

この王子は、毎年のように真実の愛が降ってきたや舞い降りたなどよく言う。

その都度、一芝居打って、その後の堀を埋めることやサポートに回ることなく、勝手に命令。

できなければ、真実の愛は、幻だったんだとか言って、

”やはり、私にはローザしかいない”と言われる。

一芝居は、他愛もない内容の断罪で、その都度、国外追放だと言われる。


まぁ、王城から国外に出るなんて簡単。

この国は、半径約5kmしかない小さな国で、その外側にクルクス王国がある。

ビッビア神聖王国の属国だが、国土自体の面積なら1000倍以上ある。

公爵令嬢ローザは、このクルクス王国の王族である。

つまり、国外追放は実家に帰るだけの話で、他の貴族も同じく神聖王国内に実家はない。

住んでいるのは、神職と王族だけで、平民も日常的に神聖王国へ行っている、そんな関係。

知らぬは、勉強をしなかった王子だけくらい。


今回のターゲットは、アン。

学園では、私と1,2を争うほどの成績優秀者だ。

実は私とは面識がある。

幼なじみという関係で、今もたまに連絡を取り合っている仲だ。

だから、今回の件も予想できた。

国王と王妃さまも来賓で来場することが決まったから、今回が最後ということで舞っていただきましょう。
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