【R18】伯爵に買われた奴隷でしたが、暗殺者に助けられました

文字の大きさ
8 / 9

8.

しおりを挟む

※R18です。


 二人でオプス王国に移住してようやく生活が落ち着いた。夫婦として愛し合ってはいるけれど、私はまだフィンと身体を重ねていない。
 
「フィン……今日一緒に寝たいの。いい?」
「う、うん。だけど……大丈夫?」
「ええ」

 私は恐くても身も心も全てを彼に捧げようと決めていた。

 けれど、ベッドで仰向けになり彼を待っているとあの恐怖が甦るだろう。彼との夜にあんな忌まわしい記憶はいらない。

「フィンがベッドに寝て。私がフィンを抱くの。そうしたらきっと怖くないわ」

「いいの?……無理しないで……」

「ううん。わたしがそうしたいの。させて?」

 大きな体躯に覆い被されるのはまだ怖い。

 それでもフィンと身体を重ねたいと思う。心の中に湧き上がるこの気持ちを大切にしよう。

 戸惑いながらもフィンはベッドで仰向けに横たわった。

「こう?」

「ええ、ありがとう。あと恥ずかしいから目を閉じててね」

「うん」

 私は下着姿になり、彼の腰の辺りを跨いで上に乗った。これなら自由に動けるし、怖くない。
 身体を前に倒してじっくり彼の顔を見る。

 近くで見ると意外に長い睫毛。肌は女性みたいにツルツルで、薄い唇は緊張でぎゅっと引き結ばれていた。

 この感情を何て言うんだろう。好き?愛?……庇護欲や性欲とも違う。

 でも、心が彼を求めるみたい。肌で、舌で、匂いで、声で、彼を感じたい、彼を身の内に閉じ込めてしまいたいような衝動。

「ごめんね、フィン。私に貴方を感じさせて欲しいの。擽ったいかもしれないけど、じっとしてて」

「……うん」

 彼の唇に自分の唇を重ねる。彼は本当に全くの無抵抗。だから安心して彼の唇の柔らかさを味わった。
 愛おしいと湧き上がる感情のまま、彼の身体に口づけを落とし、舌を這わせる。私を何度も助けてくれた腕の筋肉のラインをなぞり、私を包んでくれた大きな胸に頬をくっつけてその拍動を聴く。

 身体中にあるたくさんの傷痕。これは彼がひたむきに生き延びてきた証。

 私の愛撫に彼は少し擽ったそうに反応する。それが可愛く思えてしまう。

「フィン、ごめんね?擽ったい?」
「……大丈夫」

 あれほど嫌いだった挿入という行為。けれど自然に彼と繋がりたいという気持ちになって、私の身体の奥が潤んできた。

 彼の陰茎がもう準備万端とばかりにそそり立っていて、先端に透明な雫がまあるくついていた。そこに口づけると少ししょっぱい味がする。頭を押さえつけられ吐きそうなりながらした行為とは違い、そこに嫌悪感はない。ただ、彼への愛しさだけだった。

「フィン、挿れるね」

 私は彼に跨がり、その先端を膣口に当て身重でズブズブと中に沈めた。
 
「はぁーー、セレサ……」

 彼が気持ち良さそうに眉を寄せる。

「フィン……愛してるわ」

 彼の体温を自分のナカで感じることが嬉しい。快感よりも喜びが心を満たす。

「動くわね」
「はぁー、……セレサ」

 フィンから気持ちよさそうなため息が漏れる。彼の反応を確かめながら、腰を揺らす。その表情や声が快楽に喘ぐ度、お腹の奥がキュンと疼く。

「フィン、こうすると気持ちいいの?」

 いきり立った彼の怒張が奥に当たると、膣襞が締まるみたいで彼が耐えるように顔を歪める。
 何回も同じ場所を擦ると、下腹部に熱が溜まっていくみたいで気持ちいい。

「セレサ、起きていい?」

 彼は身体を起こして足を開くと、自分の太腿に私を乗せた。向かい合って抱き合うような形。

 大好きなフィンの顔が目の前にあるからちょっと照れちゃう。

「これなら怖くない?」

「……うん」
 
 フィンは腰を突き上げるみたいに動かすから自然に腰が揺れる。私はしがみつくようにフィンの肩に手を回した。

 こうやって抱き合うのは安心感がある。
 ゆっくりと動きながらキスをして、見つめ合って、少し照れて……また、キスをして……。

 フィンは最後に数回腰を動かすと、私のナカで奔流を放った。大好きな人の体温と匂いに包まれることに喜びを感じる。
 
「今までで一番フィンを近くに感じるわ」
「うん」
「幸せよ。ありがとう」

 私たちはその夜はずっと絡み付くように抱き合いながら眠った。







    

しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

夫が運命の番と出会いました

重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。 だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。 しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

幼馴染の勇者に「魔王を倒して帰ってきたら何でもしてあげる」と言った結果

景華
恋愛
平和な村で毎日を過ごす村娘ステラ。 ある日ステラの長年の想い人である幼馴染であるリードが勇者として選ばれ、聖女、女剣士、女魔術師と共に魔王討伐に向かうことになる。 「俺……ステラと離れたくない」 そんなリードに、ステラは思わずこう告げる。 「そうだ‼ リードが帰ってきたら、私がリードのお願い、一つだけなんでも叶えてあげる‼」 そんなとっさにステラから飛び出た約束を胸に、リードは村を旅立つ。 それから半年、毎日リードの無事を祈り続けるステラのもとに、リードの史上最速での魔王城攻略の知らせが届く。 勇者一行はこれからたくさんの祝勝パーティに参加した後、故郷に凱旋するというが、それと同時に、パーティメンバーである聖女と女剣士、そして女魔術師の話も耳にすることになる。 戦いの昂りを鎮める役割も担うという三人は、戦いの後全員が重婚の認められた勇者の嫁になるということを知ったステラは思いを諦めようとするが、突然現れたリードは彼女に『ステラの身体《約束のお願い》』を迫って来て──? 誰がどう見ても両片思いな二人がお願いをきっかけに結ばれるまで──。

世間知らずな山ごもり薬師は、××な騎士団長の性癖淫愛から逃げ出せない

二位関りをん
恋愛
平民薬師・クララは国境沿いの深い山奥で暮らしながら、魔法薬の研究に没頭している。招集が下れば山を下りて麓にある病院や娼館で診察補助をしたりしているが、世間知らずなのに変わりはない。 ある日、山の中で倒れている男性を発見。彼はなんと騎士団長・レイルドで女嫌いの噂を持つ人物だった。 当然女嫌いの噂なんて知らないクララは良心に従い彼を助け、治療を施す。 だが、レイルドには隠している秘密……性癖があった。 ――君の××××、触らせてもらえないだろうか?

【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております

紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。 二年後にはリリスと交代しなければならない。 そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。 普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…

冷酷騎士様の「愛さない」は一分も持たなかった件

水月
恋愛
「君を愛するつもりはない」 結婚初夜、帝国最強の冷酷騎士ヴォルフラム・ツヴァルト公爵はそう言い放った。 出来損ないと蔑まれ、姉の代わりの生贄として政略結婚に差し出されたリーリア・ミラベルにとって、それはむしろ救いだった。 愛を期待されないのなら、失望させることもない。 契約妻として静かに役目を果たそうとしたリーリアは、緩んだ軍服のボタンを自らの銀髪と微弱な強化魔法で直す。 ただ「役に立ちたい」という一心だった。 ――その瞬間。 冷酷騎士の情緒が崩壊した。 「君は、自分の価値を分かっていない」 開始一分で愛さない宣言は撤回。 無自覚に自己評価が低い妻に、激重独占欲を発症した最強騎士が爆誕する。 以後、 寝室は強制統合 常時抱っこ移動 一秒ごとに更新される溺愛 妻を傷つける者には容赦なし宣言 甘さ過多、独占欲過剰、愛情暴走中。 さらにはリーリアを取り戻そうとする実家の横槍まで入り――? 自己評価ゼロの健気令嬢と愛が一分も我慢できなかった最強騎士。 溺愛が止まらない、契約結婚から始まる甘すぎる逆転ラブコメ

婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜

紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。 連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...