悪役令嬢とオッサン商人の不器用な純愛

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告白

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セイン視点

最近、取引先や会合で、リリアとの縁を取り持って欲しいと声を掛けられる事が多くなった。

先日などサルス公爵のご子息がら縁談があった。
平然とした表情を繕ってみたが、内心は大嵐だ。

何せ相手は身分も年齢も外見も申し分ない相手だ。
今回はリリアが断ってくれたが、いずれ彼女も恋をするのだろうか?
自分の気持ちを伝えずに彼女が俺の元を離れたなら、一生後悔するだろう。

きちんとリリアに自分の想いを伝えて、返事を貰おう。

失恋したなら、良い縁談を探す必要がある。

彼女が他の男の元にいくなど、想像しただけでも吐き気がするほどの苦痛だ。平静ではいられないだろう。

それでも彼女には自分の幸せを探して欲しい。

彼女を母国から連れ出した俺には責任がある。どんな苦痛でも耐えてみせよう。

「どうしたんですか?」

二人で話がしたいと彼女を呼び出した。
リリアはニコニコと部屋へ入ってきて俺の前の椅子に座った。
なんの警戒も無く無防備な笑顔を向けられると、胸の奥に燻るこの欲望を孕んだ気持ちが邪な物に思えてくる。
俺は努めて真剣な表情を彼女に向けた。

「リリア、……俺の気持ちを伝えておきたい。」

リリアの表情が一変して、不安の色を宿す。

そんな彼女の反応に、俺の気持ちを伝える事に迷いが生じた。
振られる事を考えると、こんなオッサンだが辛い。

「気付いているかもしれないが、俺はリリアが好きだ。生涯を共にする伴侶になって欲しいと思っている。」

俺は一旦言葉を切った。
リリアは相変わらず表情を曇らせている。
話の内容を咀嚼するのに時間が掛かっている、そんな感じだ。

「勿論、リリアが断るなら俺は君が幸せになれるよう、最良の縁談を用意する。このまま未婚で働きたいなら協力しよう。」

淡々とした告白になってしまった。
気持ちが伝わっただろうか?
いや、これでいい。
浮わついた気持ち等では無いのだから………

「え?どうして?」

話の雰囲気から告白されるとは思っていなかったのだろう。リリアが躊躇っているのが伝わる。

「リリアには今までの分も幸せになって欲しい。君に選んで欲しいんだ。」

断られるのか?

暫しの無言の時間が苦しい。

「はい。これからお願いします。」 

承諾……だよな?
夢…か?

あり得ない事のようで、素直に喜べない。

「あ、ああ、よろしく頼む。」

こうしてぎこちない会話を交わした後、俺達はそれぞれの部屋へ戻った。

部屋に戻ると、じわりじわりと嬉しさが込み上げてくる。
本当に?
「もしかして、恩を感じていて断れないんじゃ?」


☆★リリアベール視点☆★


セインに告白された。
嬉しかった。けれど……セインの表情が気になる。
告白する時にあんなに硬い表情をするものだろうか?

熱の篭らないひどく真面目な告白。

表情や声のトーンと告白という行為が酷く掛け離れていて、理解するのに時間が掛かった。

私が断った後の事まで話している。
本当に好きでいてくれるのだろうか?

それでも、私がセインから離れたくないと思っているのは変えようもない事実だ。

了承の返事をしてもセインの呆然とした様子で、喜びを表すことはしなかった。

    
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