転生悪役令嬢は無事婚約解消されました。戻ってきて欲しい?駄目です。(絶倫?)騎士様に恋してますので。

文字の大きさ
12 / 17

もう一人の転生者



マリアーナ視点


「信じらんないっ!あんなテンプレマザコンあり?」

 安っぽいストーリーの異世界恋愛小説の世界に転生。しかも、ヒロインだって分かった時は喜んだわ。
 だって幸せが約束されてるって事よね?
 デーヴィット様との恋愛は、小説のストーリー通りで、彼は直ぐにマリアーナに夢中になった。

 当たり前よね。
 だって今の私は可愛いもの!
 ツルツルすべすべのお肌。ピンクの艷やかな髪にエメラルドみたいなおめめはぱっちり二重!
 食べても太らないこの身体、最高じゃない?

 


 ライバル令嬢のアイティラが私と同じように転生者じゃないかっていうのは、ちょっと不安だった。だけど、アイティラは小説通りの縦ロールの髪型に、原色の派手なドレスで。
 転生者があんなテンプレ通りの悪役令嬢のわけないわよねって安心してた。
 
 だけど婚約解消した日、アイティラは不吉な言葉を残していった。

 んん?
 『僕ちゃん』『ママン』って?
 もしかして、マザコンってことっ!?

 アイティラとの婚約を解消してすぐに、デーヴィット様は私を王妃様に紹介してくれた。

「母上、私が好きになったマリアーナです。アイティラとの婚約は解消したので、これからは彼女にお妃教育をお願いします」
 
「あら?アイティラさんよりも随分地味な子ね。実家はブリッコ伯爵家?じゃあ、そんなに高価なドレスは用意出来ないのね。いいわ。わたくしの方で準備するから、これからはそれを着なさいね」

 王妃様の言葉には棘があって……。

 何この嫌味全開の姑!
 横目でデーヴィット様を睨んだけど、彼は黙ったまま。
 置物かよっ!!
 普通恋人を庇うものじゃないの??
 
 私はその時着ていた可愛いピンクのドレスを脱がされ、真っ赤で妖艶なドレスを着せられた。

「マリアーナさんは華が無いわねえ。それと、その貧乏くさいアクセサリーも全て外しなさい」

 お気に入りの桜の花びらの形のペンダントも貶されて……。硝子で出来たオモチャみたいな指輪を10個着けられた。
 何この四角いルビーっ!!
 
「宝石ってのはね、大きければ大きいほど良いのよ!」

 えー、流石につけ過ぎは下品だと思う。
 髪型も時代遅れの縦ロールを命じられてしまった。

 なるほど。
 縦ロールの髪型はアイティラ様じゃ無くて、王妃様の好みだったのか……。
 普通の転生者なら縦ロールなんてしないと思ったよ……。

 私は凄く嫌だったけれど、縦ロールに髪をセットして、真っ赤なドレスを着た。なのに王妃様は不満そうに首を振る。

「はぁー、どうしてかしら?ぱっとしない顔ね。この髪型も似合わないなんて……。そうだわ、髪をもう少し盛ったらどうかしら!?」

 この王妃、殴っていい?

 王妃様は侍女たちに私の髪を高く高く盛るように指示した。
 はあ?
 何この縦長の髪型!
 重くて首が曲げられないんですけどっ??

「ディ君がね、マリアーナさんはマカロンが好きって言ってたから特注したのよ」

「さすが、ママン!」

 髪飾りはマカロンが重なったようなデザイン。
 ええ?
 はっきり言って、頭が長くて変!

「やっぱりディ君の隣に立つなら、社交界の流行を作り出すぐらいじゃないと」

 デーヴィット様と婚約して初めてのパーティーで私は大注目!
 だって髪が盛り盛りなのよ?
 傍目には、私は王子様と婚約した途端に高級品を身に着けるイタい女よね。しかも目立ちたがりの。

 それでも私は耐えた。

 だってデーヴィット殿下と結婚するつもりだもの。一応王族が嫁ぎ先なら多少の我慢はするつもり。 

 だけどーー

 毎日のお妃教育という名のイビリ。
 それには我慢出来なかった!

 両親を無能だとか、貧乏だとか、そんな風に貶されて笑顔でなんていられない。

 私はデーヴィット様に泣きついた。

「王妃様、私にイヤミばっかり言うの。どうにかならないの?」

 だけど彼は自分の母親を良い人だと信じて疑わない。
 
「母上はマリアーナと仲良くしたいだけなんだよー」

 んな訳無いでしょっ!!
 あんなの悪意の塊よ?
 

 黙ってニコニコしてると舐められちゃう。おとなしいフリはもう止めたわ。
 反撃開始よっ!

 私は不快な事を言われたら直ぐに
「そういう言い方をされると気分が悪いです」
 そう、反論するようにした。
 
 すると、デーヴィット様が慌てて私の所にやって来た。

「マリアーナ、君が母上に逆らったって聞いたんだけど……」

「ええ。王妃様が私を貶すので、『気分が悪い』って言っただけですが?」

「母上はショックを受けててね。もしお妃教育が負担なら、アイティラに戻ってきてもらって、正妃としての政務はアイティラにやらせたらどうだってさ。どう?」

 はあーっ??
 何、この男!何から何まで全部お母さんの指示通りに動くのねっ。

 もう、こんな事故物件との結婚は止めたっ。
アイティラさんに戻って来てもらえば良いじゃないっ!!
 もう私は知らないっ!!




感想 39

あなたにおすすめの小説

妻が通う邸の中に

月山 歩
恋愛
最近妻の様子がおかしい。昼間一人で出掛けているようだ。二人に子供はできなかったけれども、妻と愛し合っていると思っている。僕は妻を誰にも奪われたくない。だから僕は、妻の向かう先を調べることににした。

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。

柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。 詰んでる。 そう悟った主人公10歳。 主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど… 何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど… なろうにも掲載しております。

女避けの為の婚約なので卒業したら穏やかに婚約破棄される予定です

くじら
恋愛
「俺の…婚約者のフリをしてくれないか」 身分や肩書きだけで何人もの男性に声を掛ける留学生から逃れる為、彼は私に恋人のふりをしてほしいと言う。 期間は卒業まで。 彼のことが気になっていたので快諾したものの、別れの時は近づいて…。

後妻の条件を出したら……

しゃーりん
恋愛
妻と離婚した伯爵令息アークライトは、友人に聞かれて自分が後妻に望む条件をいくつか挙げた。 格上の貴族から厄介な女性を押しつけられることを危惧し、友人の勧めで伯爵令嬢マデリーンと結婚することになった。 だがこのマデリーン、アークライトの出した条件にそれほどズレてはいないが、貴族令嬢としての教育を受けていないという驚きの事実が発覚したのだ。 しかし、明るく真面目なマデリーンをアークライトはすぐに好きになるというお話です。

従姉の子を義母から守るために婚約しました。

しゃーりん
恋愛
ジェットには6歳年上の従姉チェルシーがいた。 しかし、彼女は事故で亡くなってしまった。まだ小さい娘を残して。 再婚した従姉の夫ウォルトは娘シャルロッテの立場が不安になり、娘をジェットの家に預けてきた。婚約者として。 シャルロッテが15歳になるまでは、婚約者でいる必要があるらしい。 ところが、シャルロッテが13歳の時、公爵家に帰ることになった。 当然、婚約は白紙に戻ると思っていたジェットだが、シャルロッテの気持ち次第となって… 歳の差13歳のジェットとシャルロッテのお話です。

兄妹じゃないとわかったのでお兄様と結婚したら、全部仕込みでした

こじまき
恋愛
【20260401読みやすいように話を分割しました】 伯爵令嬢ヘイゼルは、兄アリステアに恋をしている。叶わないと知りながら、それでも諦めきれなかった。 しかし子ども時代の「取り違え」が発覚し、子爵令嬢ロレッタとして“正しい場所”で生き直すことに。 そして妹ではなくなった彼女に、アリステアは求婚する。 運命のねじれは正されて、望んだとおりに最愛の人と結ばれた―― けれど――その「正しい運命」は、兄アリステアによって用意されたものだった―― ※「小説家になろう」にも投稿しています。

『都合のいい女』枠で捨てられたはずの私でしたが、氷の公爵様が「お前がいない場所には意味がない」と言い出しました

にたまご
恋愛
"都合のいい道具"として扱われてきたはずだった。 「使えないなら帰れば?」 「あなたなんて、最初からいらなかったのよ」 瘴気の渓谷に置き去りにされた浄化術師リーネに残されたのは、自分の身ひとつと結界だけ。 荷物もない暗闇の中、淡い光を纏って歩いていたら、無口でいつも冷たいあの人が、初めて私に本心を打ち明けてくれて—— ※短編完結/不器用/ざまぁ/溺愛

離婚寸前で人生をやり直したら、冷徹だったはずの夫が私を溺愛し始めています

腐ったバナナ
恋愛
侯爵夫人セシルは、冷徹な夫アークライトとの愛のない契約結婚に疲れ果て、離婚を決意した矢先に孤独な死を迎えた。 「もしやり直せるなら、二度と愛のない人生は選ばない」 そう願って目覚めると、そこは結婚直前の18歳の自分だった! 今世こそ平穏な人生を歩もうとするセシルだったが、なぜか夫の「感情の色」が見えるようになった。 冷徹だと思っていた夫の無表情の下に、深い孤独と不器用で一途な愛が隠されていたことを知る。 彼の愛をすべて誤解していたと気づいたセシルは、今度こそ彼の愛を掴むと決意。積極的に寄り添い、感情をぶつけると――