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「サミュエル様……用事もないのにどうされたのですか?」
ジニアは、にこやかな表情で俺を出迎えてくれた。
だが、以前の君ではない。
花が咲くようにほころぶ笑顔
弾むような声
キラキラと輝く瞳
彼女の表情には心の底から滲み出るような、恋心があった。
けれど今はそれらが全て消え去っていて………。
「最近二人で会って無かったろ?デートでもどうかなって思って……」
彼女のあまりの変化に戸惑った俺は、頭を掻きながら少し掠れた声でデートに誘う。
我ながら情けないような態度。
「まあ、お気遣いありがとうございます。けれど時間はサミュエル様ご自身が交友関係を広めることにおつかいください。私のことはどうかお気になさらず」
俺からデートに誘ったことなんて一度も無い。
いつも彼女にせがまれて仕方なくデートしてたんだ。
なのに、ジニアは俺の誘いを断った。
はっきりと俺達の関係が変わっていく。
愚かな俺は、まだ自分の犯した過ちに気が付かない。彼女の気持ちは重すぎる、そう思っていたから。
いっそ楽になったかも、なんて心のどこかでほっとした俺。
後悔?
なんてものじゃない。
胸が抉られるようなこの喪失感を、この時の俺はまだ知らなかった。
ジニアの友人が俺に教えてくれた。
「彼女は魔女の魔法で貴方への恋心を失くしたの。私は……反対したんだけど……ね。だけど、サミュエル様の望む通り、割り切った政略結婚の相手にはなれると思うわ」
彼女は悩んでいたのよって。
俺は彼女に深く許されていたことを知ったんだ。
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