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1.気がついたら異世界転移
しおりを挟む「えっ?ここどこ?」
気が付くとうす暗い森の中。
私は土の上に眠っていたようだ。
起き上がって周囲を確認するが全く見たこと無い景色。
ガサガサと数人の足音が近づいてくる。
怖い状況の筈なのに、起きたばかりの私の口からは思ったよりのんびりとした声が出た。
「だれ?」
「っ!!…………殿下、女人です。………奇妙な服を着てますね。」
木々の中から姿を表したのはシルバーブロンドのサラサラ髪のイケメンと、冴えない顔にポテッとしたお腹の豪奢な服を着た男。漫画で見るような騎士みたいな格好の人もいる。
「おお!なんと美しいっ!!」
冴えない顔の男が私に近づこうとするのをイケメンさんが止めてくれた。
「殿下、武器を持っている可能性もあります。俺が確認するまでお待ちください。」
ここがどこかも、この人たちが誰かも分からない。
けれど理解出来なさすぎて、呆然としていた。
イケメンさんは私の傍まできて膝を付く。
近くで見ると神々しいほどのイケメン。
後光が差して見える!
能天気な私はこんな状況なのに、彼の顔に見惚れてぼうっとしてしまった。
「おい、お前はどこから潜入した。ここは王家の森だぞ!」
「えっ?王家?」
やっと頭が回転し出す。
王家なんて日本には無い。
なのに言葉はちゃんと解るこの不思議な状況……。
…………。もしや話題の異世界転移??
そう言えば、毎晩ベッドの中でネット小説を読んでいた。
まさかこんな事が私の身に起きるなんて………。
…………必死に頭をフル回転!!
王家ってことは下手すれば、不敬罪で投獄もあり得るのかな??
恐ろしい可能性に思い至り、焦った私は急いで状況を説明した。
「私は如月美夕と申します。別の世界のしがない会社員でして、確か風邪を拗らせて家で寝ていた筈なんですが……。全然この世界の事は分かんないので、武器なんてトンでもない。」
両手を万歳するようにあげて、武器を持っていない事をアピールする。
疑われたら大変っっ。
ちょっと口角を上げて愛想笑いもしちゃう!!
「なるほど、異界の渡り人か……。ここ50年程は現れなかったが……。」
「おお!異界の渡り人とは。どおりで美しいはずだ。早速、王家で保護しよう。」
イケメンさんの後ろから見ていた冴えない顔の男は大袈裟に手を広げて近づいてきた。
その馴れ馴れしさとニヤニヤした様子が気持ち悪い。
思わずイケメンさんの服をちょんちょんと引っ張った。
「どうしたんです?」
私の合図に気付いたイケメンさんが此方を向いてくれる。
ーーーおおっっ!!
ーーーやっぱり格好いい!
断然こっち!!
「あ、あの殿下ってことは王族の方ですよね?…わ、わたし庶民だし畏れ多いのでこっちの方と一緒に行きます。」
「うん?そなたレオンハルトが恐ろしくないのか?」
殿下は目を丸くして驚いている。
このイケメンさんレオンハルトっていうのか………。
名前までかっこいい!!
「え?いいえ。目が眩しいぐらい格好良いです………。」
むしろ貴方の方が恐ろしいです、なんて言葉を呑み込み愛想笑いを浮かべる。
相手は殿下、愛想笑いは大切。
「なんとっ!美的感覚が我々とは違うようだっ!そんなことがあると聞いたことはあったか……。」
冴えない顔の殿下は掌を額に当てて大袈裟に天を仰いだ。
何だろう?冴えない顔なのに身振り手振りが煩いっ。
この殿下はいつもこんな感じなのだろうか?
王族だから??
「私の方から説明しますね。ここはヒイラギ国です。王家の森に魔力の乱れがあると魔導師団より連絡がありまして、私と殿下で様子を見に来たところ貴女を発見しました。」
目の前にいるイケメンはまるで二次元!!
私は話を聞きながら彼の顔を凝視していた。
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