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継母と男の話が聞こえた。
「約束の金の残りを受け取りに来たぜ。」
「はいよ、受け取りな。おかげで、蓮華の縁談を牡丹に譲れたよ。遠野家の嫡男なんて蓮華には勿体ないさ。」
「ひでー女だな!その縁談だって、あの嬢ちゃんの母親の実家から来た縁談だろ?嬢ちゃんの実母を殺して、娘を襲わせる。恐ろしい女だねぇ~。くわばら、くわばら。」
男は両手を擦り合わせおどけたような仕草で継母を煽る。そんな男の悪言すら、継母は意に介する様子は無く何かを考える素振りを見せると、ニヤリと意味深な微笑みを浮かべた。
「あんた、蓮華を孕ませて頂戴。報酬は弾むわ。子供は産ませて、次の世話役にするから。あの子だっていつ死ぬか分からないからね。夜叉堂の世話役が居なくなったら面倒だ。」
「あん?夜叉堂?」
男は眉をピクリと跳ね上げた。
夜叉堂なんて初めて聞いたといった風情だ。
「ああ、お前さんは他所の人間だから知らないんだねぇ。……鬼を封印している夜叉堂ってのがあってね、藪元家はその世話役を任されているのさ。」
「鬼?迷信だろ?」
馬鹿にしたように話す男に継母はキセルの煙を燻らせながら面倒そうに説明した。
「さあね。鬼はまだ生きたままあのお堂に封印されてるとの噂だけどねぇ。言い伝えじゃあ、たいそう強い鬼らしいよ。今でも藪元家には各地の神社や宮司から莫大なお金が集まっているのは事実だ。」
「へぇー、その世話役をさせといてあんな奴隷のような扱いか。あんたの方が鬼だなー。」
「みんな似たようなもんさ。あのお堂に入れば寿命は縮む。代々世話役は短命だよ。誰もがあそこの世話をするのが嫌で藪元へと押し付けてるのさ。鬼なんて不気味な者に近づきなくないからねぇー。封印の御札は書いた人間から命を奪う。人身御供のようなもんさ。」
「放っておいたら駄目なのか?面倒じゃないか?」
「世話役の命を吸いとって封印が保たれてるそうだよ。だから藪元の血が必要なんだ。今度は蓮華を誘拐して孕むまで慰み者にするといい。孕んだら解放しておくれ。産ませるから……。」
「ああ、分かった。なら監禁場所を用意しないとな。報酬は弾んでくれよ!」
「分かったよ。さて話は終わりだ。行きな!」
盗み聞いた話は衝撃的で………。
どうやって部屋へと戻ったのか覚えていない。
あの男にまた襲われるかもしれない。
家に自由に出入りする男だ。防ぎようなんて無い。
夜の静寂の中、恐怖と孤独が私を押し潰す。
「うっ……うっ…………。お゛があ゛ざ……ん……。」
母を思い……泣きながら、震えながら、眠りについた。
殺されたなんて……。
私は騙されてきたんだ。
私がどれだけ涙を流しても、一夜さんは夢に出て来ない。
私は一人。
頼れる人なんて居ない。
怖かった……。
何もかもが……。
夜叉堂のことも……。
「約束の金の残りを受け取りに来たぜ。」
「はいよ、受け取りな。おかげで、蓮華の縁談を牡丹に譲れたよ。遠野家の嫡男なんて蓮華には勿体ないさ。」
「ひでー女だな!その縁談だって、あの嬢ちゃんの母親の実家から来た縁談だろ?嬢ちゃんの実母を殺して、娘を襲わせる。恐ろしい女だねぇ~。くわばら、くわばら。」
男は両手を擦り合わせおどけたような仕草で継母を煽る。そんな男の悪言すら、継母は意に介する様子は無く何かを考える素振りを見せると、ニヤリと意味深な微笑みを浮かべた。
「あんた、蓮華を孕ませて頂戴。報酬は弾むわ。子供は産ませて、次の世話役にするから。あの子だっていつ死ぬか分からないからね。夜叉堂の世話役が居なくなったら面倒だ。」
「あん?夜叉堂?」
男は眉をピクリと跳ね上げた。
夜叉堂なんて初めて聞いたといった風情だ。
「ああ、お前さんは他所の人間だから知らないんだねぇ。……鬼を封印している夜叉堂ってのがあってね、藪元家はその世話役を任されているのさ。」
「鬼?迷信だろ?」
馬鹿にしたように話す男に継母はキセルの煙を燻らせながら面倒そうに説明した。
「さあね。鬼はまだ生きたままあのお堂に封印されてるとの噂だけどねぇ。言い伝えじゃあ、たいそう強い鬼らしいよ。今でも藪元家には各地の神社や宮司から莫大なお金が集まっているのは事実だ。」
「へぇー、その世話役をさせといてあんな奴隷のような扱いか。あんたの方が鬼だなー。」
「みんな似たようなもんさ。あのお堂に入れば寿命は縮む。代々世話役は短命だよ。誰もがあそこの世話をするのが嫌で藪元へと押し付けてるのさ。鬼なんて不気味な者に近づきなくないからねぇー。封印の御札は書いた人間から命を奪う。人身御供のようなもんさ。」
「放っておいたら駄目なのか?面倒じゃないか?」
「世話役の命を吸いとって封印が保たれてるそうだよ。だから藪元の血が必要なんだ。今度は蓮華を誘拐して孕むまで慰み者にするといい。孕んだら解放しておくれ。産ませるから……。」
「ああ、分かった。なら監禁場所を用意しないとな。報酬は弾んでくれよ!」
「分かったよ。さて話は終わりだ。行きな!」
盗み聞いた話は衝撃的で………。
どうやって部屋へと戻ったのか覚えていない。
あの男にまた襲われるかもしれない。
家に自由に出入りする男だ。防ぎようなんて無い。
夜の静寂の中、恐怖と孤独が私を押し潰す。
「うっ……うっ…………。お゛があ゛ざ……ん……。」
母を思い……泣きながら、震えながら、眠りについた。
殺されたなんて……。
私は騙されてきたんだ。
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