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マッタリオンライン

ゲームの中

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「何処だ?ここ?」
自分こと、月神 蓮(ツキガミレン)はある場所にいた。
何処かって?俺も聞きたい。
何故か自分はコンクリートではなく、石で出来た道路らしい道のど真ん中にいた。その道は綺麗に整っておりクルマ等が通っても全然ガタガタしそうにない。
辺りは何処か古めかしい町のような所である。回りの家はレンガや石などで立てられている家が沢山あった。見た目は中世ヨーロッパ見たいな町並みなのに。
遠くには白いお城が見える。まるでディズニーランドのお城のようだ。その町には人も暮らしているようで普通に住民が生活をしている。麻やら布の服などを着ていた。

いや、その前にだ。ここは何処になの?
俺は家でゲームをしていた筈なのに…………
目をひとに向けると自分と同じようにキョロキョロしている人が沢山いた。
「何処だよここ!!」
「かあさぁぁん、とおさぁぁぁん!」
「何処だにゃ?」
「まさか、転生?」
様々な事を皆、言っていた。そんな訳も解らない俺達に住民達が不思議そうに俺達の事を見ていたり喋りかけたりしていた。
「どうしたの貴方達?」
「パパ!あの人達いきなり現れたよ!あれって魔法?」
「きゃあー、どうしたのよ!」
「なんだ!天移魔法か?」
「なにもない空間から現れたにゃ?どういうことだにゃ?」
住民達は皆口々に何かを言っていた。住民達も不安があるそうだ。聞くところによると[いきなり空間から現れたらしい]からだ。一体何があったんだ?
ゲームをしていたのは俺だけじゃ無いらしい。空間から現れたらしい自分と全く同じ服を着ている人達が「俺はゲームをしていた。」とか「ココ何処よ!早く家に返しなさい!」とか言っていたからだ。空間から現れたらしい俺達は皆同じ服を着ている。よくコスプレでありそうな赤と青の服だ。まるで勇者が着るような服だ。ズボンは普通で布の様なもので作られている。正直ダサい気がする。そんな腰には皮で出来た茶色のベルトがしてあり、皆茶色のバッグと腰には剣が納めてあった。剣は以外と大きく刃が50センチほどありそうだ。
以外と重く、1、5㎏はありそうだ。空間から現れた俺達は皆口々に不安を訴えていた。お家に帰りたいという人も居れば、運営ふざけんな、とか、やったね!ヒャッホーう、という人もいたり反応は人それぞれに違った。
てか本当に何処だここ?
俺は日本という町にいたはずだぞ!?
色々な考え事をしていると頭にいきなりあるものが浮かんだ。



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ステータス                名前 レンさん
種族   [人]
レベル  1
攻撃5
防御5
魔力(MP)5
運5
スピード5
振り分けポイント  50
取得したスキル
<片手剣>
                       
称号  <神に選ばれし者><神が授けしアイテムを所持>


防具         冒険者の服     [防御5]
魔法バッグ    
武器
冒険者の剣    [攻撃5]

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「な、、な、なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
なにこれなにこれなんだこれ?
ステータス?これってまんまゲームじゃん!まじで!          
どういうこと?
なにこれゲームっすか?
えええええええ、でもおれは自分の部屋にいたぞ!
まじで、これはゲームの世界なのか?
いやいやいやいやいや、間て待て、一回落ち着け俺。一旦今日の出来事を振り返ろう。
そう思い、自分は目をつむり今日の出来事を思い出していった。



………………………………
…………………………
…………………
……………
……


「いやっっっっほぉぉぉぉぉお!!今日は待ちに待ったゲームの発売日だぜ」
俺は今日の朝から浮かれていた。その理由は単純だった。だって今日は待ちに待った新作ゲームの発売日だったからだ。

[マッタリ系RPG、マッタリオンラインが発売するからだった]
2030年、VR技術が発達した現在、ゲームは目まぐるしい変化を遂げていた。
2030年はもう人間が足を踏み入れた場所すらもう残ってないと言われていた時代である。
あるのは深海、宇宙のみである。普通の一般市民が宇宙に行くのは金がかかりすぎる。かといって深海にいくにも金がかかる。人類は地球と言う星を探求しつくしたのだ。火星移住計画と呼ばれるようなものもあったがどれ程の時間がかかるかわかるような物でもなかった。
それによりまだ人類が行ったことのないような面白い場所や誰れもが息を飲む絶景、誰もが行きたくないような場所を作ろうとなった。そのお陰でVR技術(バーチャルリアリティーが進歩していったのだ。)
特に人気を集めたのが冒険ものだった。
ゴーグルと呼ばれる物をシュノーケル見たいに取り付ける。するとまるで自分がその仮想空間にいるように感じられるのだ。(ヘルメット式もあるぞ!)
まだ見ぬ世界に心を踊らせ、まだ見ぬ宝に心を震わせ、人々はゲームに虜になっていった。
まだ見ぬ世界を子供のように探検した。
そしてそのVR技術で莫大な儲けを出したのが日本の[天皇ゲーム社]と[フェニックス社]と海外、アメリカの
[VRドリーム]である。
どのゲーム会社も様々なゲームを作っていた時代である。
そしてあることが起こった。
その三社が合併し、今まであったゲームよりももっと素晴らしいゲームを作り出すと言ったのだ。
その時、まだ2018年。
その時三社の会社が吸収合併をして生まれたのが

                                                              
                                                                      [アポカリプス]
と呼ばれる会社である。


ゲームの完成には12年もの歳月がかかった。
俺はこの日を今か今かと待ち望んでいた。今は高校三年だけどゲームは止められない。待っている間は、過去に発売されていた[フェニックス社]と[天皇ゲーム社]のゲームを全て買ってそれで遊んでいた。
どれも素晴らしいゲームだった。(自分が買っていったのはファンタジーやRPG、冒険ものである。)
ストーリーもよく実際に泣けるようなものやマジかよ!と思えるハプニングも楽しかった。
しかし、俺は飽きたらなかった。
この会社が出しているゲームはどれも素晴らしく、素晴らしいものである。(大事なので2回言います)
だが、この会社が合併するのもないと言われていた。
普通のゲーム会社等は自分達の技術や技が取られたくないので合併などはしたくないものである。
しかし、この三社は自分達の技術を惜しみ無く出し合い、マッタリオンラインと言われるゲームを作っていたのだ。
それにこの三社は2030年まで他のゲームを一切販売しなかったのだ。マッタリオンライン以外のゲームを開発しなかったというのだ。
ここまででもこのゲームが完成するまでのスゴさが分かるだろう。
とても素晴らしい会社である。
これはある記者会見によると
「この合併した新しい会社がはじめて出すゲームに一切の妥協をしたくないからです。」
と答えていたのだ!この人達に祝福あれ!何というゲーム魂。男気。この会社はどれを取っても素晴らしかった。

完成した予告映像は凄かった。どのゲームにもひけをとらない美しさがあったり、ゲームの中なのに現実で本当に存在するかのようなモンスター達。もうめっちゃ楽しそうである。
そしてこのゲームで新しく出されたのがもっと自由に動けるように、現実と同じことが出来るように作っていこうというゲーム魂もあった。
あ、説明を忘れていたが動くのはどうすんだよ!と思う人がいるかも知れませんが心配ご無用。まずマッタリオンラインのカセット(CD)見たいなやつをVRゲーム機本体に挿入する。
次にその本体から出ているコードのようなもの(パッドと呼ばれる・先っぽがばんそうこう見たいになってるよ。)を右腕、左腕、右足、左足に取り付ける。先がペッタっと張り付けられるようになっている。そしてゴーグルを掛ける。
これにより体から出ている電気信号を感知し、自由自在な動きをVRでも同じように動くことが出来る。
ゲームの使用は自分のキャラを動かすのではなく、自分が動くという感じだ。自分の視点から見た景色や人を見ることが出来ることが出来る。FPSという物だ。わからない人はネットで検索してね。
本当に楽しそうだ。
ああ、早くゲームしたい。
普通の人にも楽しめるように料理や普通の生活、または何処かで買い物や旅に出ることだってできる。
そして一番の魅力はこのゲームのなかの世界の大きさである。
現在全くと言っていいほど情報がない。予告映像だけね。
運営からの言葉によると
「まあ、地球サイズくらいはあるんじゃないっすか」
恐ろしい大きさのスケールである。まあ12年間。全ての社員を合わせて全力で作ったものだ。面白くないのがおかしい程だ。従業員総勢5万人が全力を捧げこのゲームを作り出したのだ。もう奇跡の賜物である。
(あ、目から涙が……シクシク)これは絶対買わないと人生損である。いや、もう買わないのはバカである。

しかし、この商品を買うのには大きな問題がある。まず倍率である。
このゲームは一旦100万個の販売をする。リアリティーを追求するために量産が難しいのだ。
まずは金である。
ネットで競りにかけられるのが20万個。これは厳しい。最初っから50万程の値がついた。(マッタリオンラインは普通7万7777円で売っています。普通に高いけどね!)それほどの価値がある物なのだ!
7万7777円は運営が考えた値段です。まあいっつもフェニックス社は奇想天外な事を起こしてくる。
まあ値段にそれほどの理由はないだろうけど。
普通のVRゲームが5000円から1万だとしたら一般が7倍なのに競りで50倍である。やばすぎるぜw
今でも20個程残っており300万突入という天居しらずなゲームである。
俺はこんなもんには手を出せない。おれは普通の高校生だから。
そして次は運である。
まずネットにある応募表に応募する。
そしてその中から運営がランダムに選び決める。これは多分厳しい。今でも約1000万人の人が応募している。あたるのは30万人だけだ。
そして残りの40万は体の不自由な障害者等に送られる。
このVR技術は医療にも応用され体の動かない人や体に障害のある人に送られる。
今は頭にに張るだけで電気信号を感知したり脊髄の近くの皮膚に張ったりして、VRの体で動かせるような装置を作っている。
足が不自由になりもう一度歩きたい、もう一度走りたい、という要望に答えるためだ。
この三社がが合併し皆が楽しめるようなゲームを作り出して行ったことが何よりもいいことだと思う。
まあ、利益なんてドブにすてるほどあるからね。

んでもうひとつ。
最後は根性である。
残り10万がフェニックス社本店で発売されるのだ!(なぜフェニックス社本店なのかというと日本の真ん中東京に本店があるからです。)
発売日は12月31日。
俺の冬休みは12月1日から……………
俺はこのために冬休みを潰したんだ…勿論友達とな!
友達は2人。
1人は        [池上勇輝(イケガミユウキ)]
イケメンだが勉強は苦手。アニメオタクでは無かったら多分モテていただろう黒髪で伸長170センチほど。
高校3年の18歳である。
二人目は    [池上光樹(イケガミコウキ)]である。
顔はまあまあで勇輝の弟。兄のアニオタを受け継いでいる。ゲーム好きである。伸長167ぐらいだ。今は中学三年の15歳であり兄より3歳下。
このメンバーの中で寒い中テントで31日も外で待ったのだ。当然こんな真冬に外で待つなど正気の沙汰ではない。勿論1番のり。3年間バイトで貯めたお金を使う時が来たのだ。
まあ先ずは三人の割り勘で大きなテントを買って店の前で立てていた。
通行のじゃま?知らんなそんな事。(後に店長のオッサンにめっちゃ起こられたがマッタリオンラインが欲しいからここに居るんです!と訴えると「ふん、好きにしろ!」と言われたのでありがたく使わせて貰っていた。全くツンデレだな、親父さんは。とかテントの中でいっていた。
まあ、食材とかはすべてコンビニ弁当で済ませた。まあたった31日ぐらいコンビニ弁当ぐらい問題ないだろう。と思い俺達は頑張っていた。
まあ一番の大敵は寒さだったな。
もう毛布をありったけ持ってきて堪え忍んでいた。まあ男三人も居りゃあ息苦しくなるな。
12月15日ごろになり再び店長がテントの方に表れてある言葉を言った。
「君たちにはもうゲームは確実に買えるようにしておくから帰りなさい。死ぬよ?」
そんな一言だった。しかし、俺達のゲーム魂はそんな事は許さなかった。
「「「いや、俺達はここで待ちます!」」」
だって、15日も並んだんだからせめて最後までやりきりたいじゃん?それに今までの事がバカみたいになるし。
友達と居るこの時間も楽しかったしせめて最後まで居て達成感を味わいたかったんだ。それに俺達だけズルをするのはせこいじゃん?
それを感じた店長は「風邪を引かんように気を付けろよ」とだけ言って店に入っていった。
あの時の店長の姿はかっこよかった。この三人が敬礼したほどだ。見た目は普通のオッサンだけどね。
んでやっと12月28日ぐらいに人が現れ始めた。今思えばそうすれば良かった。いや、そんな事ない。


12月31日
とうとうこの日がやって来た。この日は東京行きの飛行機、新幹線、バスが、近年まれに見る混雑をし、ラジオやテレビでも社会現象となっていた。ゲームの売り方は店の外で屋台のように売ることになっている。フェニックス社の前には小さな青い屋台が出来ている。
ズラズラと約50万人もも客が居るのだろう。だが俺達が1番だ!!!!!
このゲームを買うために海外から来た人なども居た。海外にも売っているのだがもう品切らしい。え?
俺達海外に行けば良かったってか?いや、言葉通じないし金もないわ。
9時
遂にこの時間がやって来た。待っていた。この時を!親の反対を押切り、31日も待ったんだ!
昨日は興奮して眠れなかった!あ、寒かったからかな?
まあいい。
遂に来たんだ!
この日が!

そして店の中から大きな段ボールを持った店長が現れる。

そして屋台の中に入りゆっくりと段ボールをハサミで開けていく。

その茶色の段ボールから出てきたのは美しい青い宝石のような色をしたカセットケースである。
そのカセットケースには[マッタリオンライン]という名前しか書いてない。
だが!!
その存在感は見るものの心をあるもので覆わせた。
そして見た物が思った。

欲しいと!!!!!!!

そしてテントから出て列の一番最初に並んでいた俺達に店長自らが渡しに来た。
「君たちが待ち望んでいたゲームだよ。いやー、私もあんたらの熱意に押されてね。まあ開発部の私にしたら待ち望んでいる君達に真っ先にあげようと思ってね。」
渡されたのは3個の美しいカセットケースと最新式のゴーグルが3つであった。
(補足、ゴーグルが高ければ高いほど画質がめっちゃいい。)
「え、いいんですか?」
「ああ、私からの気持ちだ。なんせ31日も待ってくれたんだからね」
「てか、開発部だったんですか!!」
「ん?はて、そんな事言ったかな?そんな事よりお金はキッチリ貰うよ。勿論ゴーグルはただだからね。」
「「「有難うございます!!!」」」
三人は店長にお礼を言ったあとお金を払い子供のようにはしゃぎながら帰った。

「私もあんな子供とゲームしたいねえ」
店長いや、[佐藤誠一(サトウセイイチ)]がそんな独り言をゲームを売りながら言っていたのを誰も知らない。

そして俺達は別れて別々に家に帰ったんだ。
そして俺はカセットを本体にいれて体にパッドを貼ってゴーグルを着けたんだ。
そしたらいきなり
「名前をどうしますか」
て、聞かれたから「レンさんでいいかなー」
て言ったのか。
「レイさんに決まりました。他にも身長や顔立ちや誕生日を記入していってください。」
んで俺は事細かな事を決めていったんだ。
勿論顔はイケメン。だれも金を払って不細工な顔でゲームをしたいと思わないだろう。
身長は今の自分と同じの170にしてある。
誕生日も1月31日と記入してキャラ設定を終えたところだったんだ。
「レイさん、身長170センチ、誕生日1月31日で宜しいですか?」
自分は再度確認を行ったあと[Yes]と言った。
すると突然画面が真っ白になり、
「レイさん###############………………………………」

画面が真っ白になって……気絶したんだっけ?そっから記憶が無いな。
やっぱり……………

「で、今に至るのか……………」

俺は自分の手や足を見る。
少しいや、だいぶ格好が違うが俺の体だ。自由に動かせるし……
これはVRじゃない。
ゴーグルを取ろうとしても取れないしパッドもない。

「どういうことだよこれ………」
蓮はこの状況が飲み込めなかった。いや、認めたく無かったのかもしれない。
だがある事実だけは変わらない。





「ここはゲームの世界なのか?」



いや、わかっている気がする。自分は現実逃避をしている事だって。
本当にここがゲームの中だって。
俺達はこの何も知らない世界に飛ばされたのだ。
腰のベルトには剣を持って。
そしてまた腰には茶色のバッグを着けて。
こんな変な物を着けて俺達はここに飛ばされたのだ。



今日、マッタリオンラインと言われるゲームをしていたゲームプレイヤー約100万人はゲームという名の異世界に飛ばされた。






                                        





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今後も修正などをしていくかも知れません
不明な点があれば報告してください。








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