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冤罪と流刑の姫君
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夢であればどれほど良かったか。
目を開ければ、父に贈られたお気に入りのシャンデリアが目に入り、それが辛い王妃教育の励みでもあったのだが、煌びやかな光は無い。
代わりに視界に入ったのは、窓から差し込む太陽光に照らされた蝋燭の数々。どうやら部屋を灯すのは火のようだ。
背中が痛く感じるのは、波に飲まれたからだけではないだろう。粗末ながら清潔な寝台が背中を支えてくれていたからだ。
「.あ! おきた!」
「っ!?」
「おれ、ラウルさんよんでくるー!」
「走ったらまたマーシャさんにおこられるよ! んもう! ハリーったら」
エリザベスの顔を覗き込んだ少年はバタバタと大きな足音を立てながら去っていった。
その際、桶と布を持った少女が入れ違いに入室してきた。先ほどの少年によく似ている。
「目がさめたのね! よかった!」
「ここは……?」
掠れた声で問いかけると、少女はぱっと顔を綻ばせた。
「りょうしゅさまの家です! 人魚さん、痛いところはなーい? 浜にうちあげられてたから、わたしとハリーが助けたのよ!」
「え、えぇ。痛いところはないわ。助けてくれてありがとう」
「どういたしまして!」
少女がそう言った時、足音が近づいてきた。
扉が開き、落ち着いた風格の男が入室してきた。続いて、優しげな微笑をたたえた婦人が現れる。
「目を覚まされたか。エリクセン公爵令嬢――いえ、今はそうお呼びしてよいのか……」
男は言葉を濁したが、その目には確かな敬意が宿っていた。
「貴方は、もしかしてアルベリヒ男爵では? 夫人も……なぜそのようなお姿で、ッ」
エリザベスは上体を起こそうとするが、背中の痛みが強く、呻き声が漏れ言葉を詰まらせた。
すぐさま婦人が駆け寄り、枕を支えてやさしく体を支えてくれた。
「どうか無理なさらないでくださいませ。エリザベス王太子妃様。そうよね。最後にお会いしたのは、息子トレビスの葬式だったから、驚かれたでしょう」
エリザベスが知る夫婦は、隣国ルシエンテスの離島、土属性の魔力を所持した息子が誕生したことで叙爵したアルベリヒ男爵家夫妻。一代目ではあるが、貴族だ。
だが目の前にいる夫妻は、執事服とメイド服に身を包んでいる。あまりにも自然だ。
「あの時は本当にありがとうございました。大事な息子を亡くし、四方から責められ途方に暮れていた私たちに、優しい言葉と領地の再建にと支援金を与えてくれたのは、後にも先にもエリザベス王太子妃様。貴女だけでした」
婦人――マーシャが涙をにじませながら語ると、傍らの男も深く頷いた。
「我らは貴女様のおかげで立ち直れた。しかし、魔力源を失った我が家に貴族を名乗れるはずもない。今はこの島でただの雇われにすぎません」
元男爵は淡々と告げたが、その眼差しは恥じるものではなく、どこか誇らしげでもあった。
「ですが、わたくしは男爵──いえ、お二方が退位されたと聞き及んでおりません。まだ公表されておられないのですか」
「その通りです。この島を治めるお方、旦那様のご判断です。私共は本来爵位を返上し、家も息子も全てを失ったはずですが、旦那様がお声をかけてくださり、働き口を得、こうして暮らしています」
ルシエンテス王国は、魔力保持者に爵位を与え、実力で序列が決まる実力主義国家だ。代替わりの際、査定式が行われ、爵位が決まる。
大国である自国リンドブルグとは違い、ルシエンテスは小国。しかも島国だ。海に囲まれた島の中でも、中央に位置する最大地を王都、囲うようにいくつの離島を治める国。
失礼だが、大国リンドブルグから見れば取るに足らない弱小国。だからこそ、エリザベスはここへ流れるよう仕向けられたのだろう。
「今は平民ですが、だからとて今なお“恩”を忘れたことは一度もない」
ラウルの視線が真っ直ぐエリザベスに向けられる。
「ですから、こうして倒れている貴女を見つけたとき、これは神の与えたもうた機会だと思ったのです。今度は我らが、貴女様を支える番だと」
エリザベスの胸が熱くなる。
あの頃、自分はただ――目の前の苦しむ人に、少しでも寄り添いたい一心で手を伸ばしただけだった。
けれど、その小さな行いが、このような形で自分を救ってくれるとは。
「……ありがとう、ございます」
言葉が震え、涙が頬を伝う。
王妃教育の中で教えられたのは「泣いてはならない、決して弱みを見せてはならない」という教えだった。
だが、今はただ、胸を満たす安堵と感謝が涙となって溢れていた。
マーシャはそっと彼女の手を包み込み、柔らかく微笑んだ。
「どうか、ここでは心を休めてくださいませ。どのような事情があろうとも、私たちにとって貴女は“恩人”であり……何より、かけがえのない一人の女性ですから」
エリザベスは小さく頷いた。
失ったものは大きい。
けれど、確かにまだ繋がっている絆がある。
この島で、再び歩き出せるかもしれない。そう思えた瞬間だった。
窓の外では、海風に揺れるカーテンが小さくはためいている。
いつの間にか、ハリーとアニーは屋敷の外に出ていて、遠くからは子供たちの笑い声と、波音が聞こえた。
「……旦那様も、きっとお喜びになりますわ」
マーシャがぽつりと呟いた。
「旦那様? 伺って良いのなら、お二人の後を継がれた“お方”とは一体……」
エリザベスが問い返すと、ラウルとマーシャは顔を見合わせ、一瞬言葉を選んだ。
やがて、ラウルが低く答える。
「ええ……旦那様――エドワード様に。貴女がお目覚めになったことを、すぐにお伝えせねば」
その名を聞いた瞬間、胸の奥が強く鳴った。
長い時を経て忘れかけていた、銀の光のような記憶が、静かに心の底から浮かび上がる。
エリザベスは、息を呑んだ。
――エドワード様。
かつて、ただ一人だけ自分に「特別な温もり」をくれた人の名だった。
その名を聞いた瞬間、胸の奥に沈んでいた柔らかな記憶が、波のように押し寄せてきた。
まだ幼く、王妃教育に追われていた日々。
誰からも「未来の王太子妃」として扱われ、泣くことも許されず、弱音を吐けば叱責される。
そんなある日、舞踏の稽古で足を痛め、必死に堪えながら庭の片隅に身を隠した。
誰も来ないと思っていたその場所で、彼は現れた。
『痛いのを隠さなくていい。僕が治すから』
そう言って、そっと自分の足に触れた。
小さな掌から零れた光が、痛みを和らげていく。
それは肉体の痛みだけでなく、心をも包み込んでくれる不思議な温もりだった。
「妃候補」ではなく「ひとりの少女」として向けられた優しさ。
あの瞬間だけは、重い枷から解き放たれたように心が軽くなった。
――もしも夢なら、どれほど良かったか。
けれど、あれは確かに現実だった。
そして、彼の名はいつしか王城から消え、誰もその存在を語らなくなった。
記憶は幻のように霞んでいき……けれど、あの温もりだけは消えなかった。
その名を再び耳にした今、胸の奥が熱くなる。
エリザベスは、思わず両手を胸に重ね、震える声を漏らした。
「……エドワード様」
胸の奥に残る温もりは、決して幻ではない。
けれど、彼はもう遠い人。存在すら口にされなくなった人。
そう思うほどに、寂しさと懐かしさが入り混じり、胸を締め付ける。
その時、背後から聞こえたラウルの声が、彼女の思考を遮った。
「……旦那様は、必ず貴女をお助けくださるでしょう」
ラウルの言葉は意味深で、けれどそれ以上は語られない。
マーシャもまた、ただ優しく笑って首を振るだけだった。
胸の奥で小さく疼く名前と、男爵夫妻の口にした「旦那様」。
二つの影が重なることを、この時のエリザベスはまだ知らなかった。
目を開ければ、父に贈られたお気に入りのシャンデリアが目に入り、それが辛い王妃教育の励みでもあったのだが、煌びやかな光は無い。
代わりに視界に入ったのは、窓から差し込む太陽光に照らされた蝋燭の数々。どうやら部屋を灯すのは火のようだ。
背中が痛く感じるのは、波に飲まれたからだけではないだろう。粗末ながら清潔な寝台が背中を支えてくれていたからだ。
「.あ! おきた!」
「っ!?」
「おれ、ラウルさんよんでくるー!」
「走ったらまたマーシャさんにおこられるよ! んもう! ハリーったら」
エリザベスの顔を覗き込んだ少年はバタバタと大きな足音を立てながら去っていった。
その際、桶と布を持った少女が入れ違いに入室してきた。先ほどの少年によく似ている。
「目がさめたのね! よかった!」
「ここは……?」
掠れた声で問いかけると、少女はぱっと顔を綻ばせた。
「りょうしゅさまの家です! 人魚さん、痛いところはなーい? 浜にうちあげられてたから、わたしとハリーが助けたのよ!」
「え、えぇ。痛いところはないわ。助けてくれてありがとう」
「どういたしまして!」
少女がそう言った時、足音が近づいてきた。
扉が開き、落ち着いた風格の男が入室してきた。続いて、優しげな微笑をたたえた婦人が現れる。
「目を覚まされたか。エリクセン公爵令嬢――いえ、今はそうお呼びしてよいのか……」
男は言葉を濁したが、その目には確かな敬意が宿っていた。
「貴方は、もしかしてアルベリヒ男爵では? 夫人も……なぜそのようなお姿で、ッ」
エリザベスは上体を起こそうとするが、背中の痛みが強く、呻き声が漏れ言葉を詰まらせた。
すぐさま婦人が駆け寄り、枕を支えてやさしく体を支えてくれた。
「どうか無理なさらないでくださいませ。エリザベス王太子妃様。そうよね。最後にお会いしたのは、息子トレビスの葬式だったから、驚かれたでしょう」
エリザベスが知る夫婦は、隣国ルシエンテスの離島、土属性の魔力を所持した息子が誕生したことで叙爵したアルベリヒ男爵家夫妻。一代目ではあるが、貴族だ。
だが目の前にいる夫妻は、執事服とメイド服に身を包んでいる。あまりにも自然だ。
「あの時は本当にありがとうございました。大事な息子を亡くし、四方から責められ途方に暮れていた私たちに、優しい言葉と領地の再建にと支援金を与えてくれたのは、後にも先にもエリザベス王太子妃様。貴女だけでした」
婦人――マーシャが涙をにじませながら語ると、傍らの男も深く頷いた。
「我らは貴女様のおかげで立ち直れた。しかし、魔力源を失った我が家に貴族を名乗れるはずもない。今はこの島でただの雇われにすぎません」
元男爵は淡々と告げたが、その眼差しは恥じるものではなく、どこか誇らしげでもあった。
「ですが、わたくしは男爵──いえ、お二方が退位されたと聞き及んでおりません。まだ公表されておられないのですか」
「その通りです。この島を治めるお方、旦那様のご判断です。私共は本来爵位を返上し、家も息子も全てを失ったはずですが、旦那様がお声をかけてくださり、働き口を得、こうして暮らしています」
ルシエンテス王国は、魔力保持者に爵位を与え、実力で序列が決まる実力主義国家だ。代替わりの際、査定式が行われ、爵位が決まる。
大国である自国リンドブルグとは違い、ルシエンテスは小国。しかも島国だ。海に囲まれた島の中でも、中央に位置する最大地を王都、囲うようにいくつの離島を治める国。
失礼だが、大国リンドブルグから見れば取るに足らない弱小国。だからこそ、エリザベスはここへ流れるよう仕向けられたのだろう。
「今は平民ですが、だからとて今なお“恩”を忘れたことは一度もない」
ラウルの視線が真っ直ぐエリザベスに向けられる。
「ですから、こうして倒れている貴女を見つけたとき、これは神の与えたもうた機会だと思ったのです。今度は我らが、貴女様を支える番だと」
エリザベスの胸が熱くなる。
あの頃、自分はただ――目の前の苦しむ人に、少しでも寄り添いたい一心で手を伸ばしただけだった。
けれど、その小さな行いが、このような形で自分を救ってくれるとは。
「……ありがとう、ございます」
言葉が震え、涙が頬を伝う。
王妃教育の中で教えられたのは「泣いてはならない、決して弱みを見せてはならない」という教えだった。
だが、今はただ、胸を満たす安堵と感謝が涙となって溢れていた。
マーシャはそっと彼女の手を包み込み、柔らかく微笑んだ。
「どうか、ここでは心を休めてくださいませ。どのような事情があろうとも、私たちにとって貴女は“恩人”であり……何より、かけがえのない一人の女性ですから」
エリザベスは小さく頷いた。
失ったものは大きい。
けれど、確かにまだ繋がっている絆がある。
この島で、再び歩き出せるかもしれない。そう思えた瞬間だった。
窓の外では、海風に揺れるカーテンが小さくはためいている。
いつの間にか、ハリーとアニーは屋敷の外に出ていて、遠くからは子供たちの笑い声と、波音が聞こえた。
「……旦那様も、きっとお喜びになりますわ」
マーシャがぽつりと呟いた。
「旦那様? 伺って良いのなら、お二人の後を継がれた“お方”とは一体……」
エリザベスが問い返すと、ラウルとマーシャは顔を見合わせ、一瞬言葉を選んだ。
やがて、ラウルが低く答える。
「ええ……旦那様――エドワード様に。貴女がお目覚めになったことを、すぐにお伝えせねば」
その名を聞いた瞬間、胸の奥が強く鳴った。
長い時を経て忘れかけていた、銀の光のような記憶が、静かに心の底から浮かび上がる。
エリザベスは、息を呑んだ。
――エドワード様。
かつて、ただ一人だけ自分に「特別な温もり」をくれた人の名だった。
その名を聞いた瞬間、胸の奥に沈んでいた柔らかな記憶が、波のように押し寄せてきた。
まだ幼く、王妃教育に追われていた日々。
誰からも「未来の王太子妃」として扱われ、泣くことも許されず、弱音を吐けば叱責される。
そんなある日、舞踏の稽古で足を痛め、必死に堪えながら庭の片隅に身を隠した。
誰も来ないと思っていたその場所で、彼は現れた。
『痛いのを隠さなくていい。僕が治すから』
そう言って、そっと自分の足に触れた。
小さな掌から零れた光が、痛みを和らげていく。
それは肉体の痛みだけでなく、心をも包み込んでくれる不思議な温もりだった。
「妃候補」ではなく「ひとりの少女」として向けられた優しさ。
あの瞬間だけは、重い枷から解き放たれたように心が軽くなった。
――もしも夢なら、どれほど良かったか。
けれど、あれは確かに現実だった。
そして、彼の名はいつしか王城から消え、誰もその存在を語らなくなった。
記憶は幻のように霞んでいき……けれど、あの温もりだけは消えなかった。
その名を再び耳にした今、胸の奥が熱くなる。
エリザベスは、思わず両手を胸に重ね、震える声を漏らした。
「……エドワード様」
胸の奥に残る温もりは、決して幻ではない。
けれど、彼はもう遠い人。存在すら口にされなくなった人。
そう思うほどに、寂しさと懐かしさが入り混じり、胸を締め付ける。
その時、背後から聞こえたラウルの声が、彼女の思考を遮った。
「……旦那様は、必ず貴女をお助けくださるでしょう」
ラウルの言葉は意味深で、けれどそれ以上は語られない。
マーシャもまた、ただ優しく笑って首を振るだけだった。
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