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導きの先にある幸福
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応接室を出たセシリアとクラウディオの足音が遠ざかると、広い空間には静寂が訪れた。
残されたのは、エドワードとエリザベス、ただ二人。
エリザベスは背筋を伸ばし、グラスを持つ指先でそっと縁をなぞった。
「……見事に育ちましたわね、あの二人」
声音は柔らかく、どこか母性すら帯びている。
対面に座るエドワードは、ゆったりとした所作で脚を組み替え、蒼の瞳を細めた。
「実に楽しそうだったな」
「わたくし、そんなに分かりやすうございました?」
不意に視線を受け、エリザベスは頬を染める。
手にしたグラスの縁を指でなぞりながら、目を伏せて誤魔化すように笑った。
胸の奥がくすぐったく、息が少しだけ早くなる。
「ああ。あまりにも君が楽しそうに導くから、私まで興が乗ってしまったじゃないか」
「まあ……。わたくしのせいにされるのですか?」
分かっていて、エリザベスは小さく唇を尖らせた。わざと拗ねてみせるその仕草に、エドワードは面白そうに目を細める。
「私としては、最初から承認するつもりだった」
エリザベスは思わず目を丸くし、唇に指を添えた。
「つまり最初から許す気でいらしたのに、あえて冷たく突き放して見せたと? それはわたくしが楽しそうだったからと?」
からかうように小首を傾げる。
長い睫毛の影に隠れる瞳が、笑いを含んで彼を見上げていた。
「そうすれば、あの二人は共に立ち向かう。絆も深まる」
侯爵はグラスを揺らし、赤い液体が灯りに滲むのを眺めながら、低く囁いた。
「……そうすれば若風の恋芽を摘みとれるだろ?」
エリザベスはくすりと微笑み、わざと肩をすくめてみせる。
「侯爵様は、ほんとうに意地悪なお方。でも……それも含めて、わたくしは嫌いではございませんわ」
エリザベスは大きく息を吐き、緊張をほどくように椅子へ深く腰掛ける。
「……ああ、でも楽しかった」
満足げに微笑むその姿に、エドワードの唇も自然とほころんだ。
「楽しかった、か。普通は“疲れた”と言う場面だと思うが」
「いいえ? わたくしにとっては、弟分と妹分が成長する姿を見届けるのですもの。疲れるどころか、嬉しくて仕方がございませんわ」
エリザベスは頬を紅潮させ、まるで宝物を手にした少女のような笑みを浮かべる。
その表情を眺めるうちに、エドワードの胸が温かく満たされていった。
(……君がこうして心から楽しそうにしている。それだけで、この場を設けた価値がある)
エドワードはグラスを卓上に置き、両肘を膝に乗せて彼女を見据える。
「……君が楽しそうなら、それだけで私は満足だ」
低く響く声は、冷徹な侯爵ではなく――最愛の婚約者にだけ向けられる、熱を帯びた男の声。
その直截な言葉に、エリザベスは思わず胸を押さえた。
頬が熱を帯び、呼吸が浅くなる。
「侯爵様は……どうしてそんなに、甘やかしてばかりでいらっしゃるの」
ふわりと笑う彼女の横顔が愛おしくて、エドワードはつい意地悪をしたくなった。
「君は甘いものが好きだろう? 焼き菓子も、私の言葉も」
「っ……!」
不意打ちのからかいに、エリザベスは思わず耳まで真っ赤になる。
「も、もう……侯爵様ったら、あの二人では遊びたらなかったのですか?」
慌てて視線を逸らす仕草すら愛らしく、エドワードの胸は幸福で満ちる。
彼は身を屈め、彼女の耳元に唇を寄せて囁いた。
「照れる君も、可愛い」
「っ……! エドワード様……!」
反撃できずに真っ赤になったエリザベスを見て、エドワードは小さく笑った。
「甘やかすのは当然だ。最愛の婚約者に、他にどう振る舞えという?」
ずるい、と心の中で呟きながらも、エリザベスはその甘さに抗えない。
彼女が視線を逸らすと、エドワードは立ち上がり、ゆっくりと彼女の傍へ歩み寄った。
深紅の椅子の背後に立ち、彼女の肩に大きな手を置く。
「エリザベス」
囁きに似た声音が耳に触れ、彼女はびくりと肩を震わせた。
静かな断言ののち、彼の唇が彼女の頬に触れた。
熱を帯びた温もりが一瞬だけ広がり、すぐに離れる――はずだった。
しかし、エリザベスが目を閉じたのを見て、エドワードは迷いを捨てた。そのまま彼女の顎をそっと持ち上げ、唇を重ねる。
「んっ……」
柔らかな接触は、甘く、長く、そして深く。
時間の感覚が失われるほどに、二人だけの世界が広がった。
やがて唇が離れると、エリザベスは息を乱し、紅潮した頬で彼を見上げた。
「……もう、本当に……ずるいお方」
「君をずっと大切にしたいだけだ」
彼の蒼の瞳には、一切の迷いがなかった。
エリザベスは、溢れる熱を押さえきれずに小さく笑った。
「……ええ。わたくしも、侯爵様に大切にされるのは、嫌いではございませんわ」
言葉の端に隠された照れを、エドワードは見逃さなかった。
彼は彼女の額にもう一度口づけ、深紅のカーテンに閉ざされた世界で囁いた。
「ならもっと大切にさせてくれ。愛しい婚約者」
唐突に視界が浮き上がり、エリザベスは思わず悲鳴を上げた。
「え……っ、きゃあ!? こっ、侯爵家!? な、なにをなさるのっ」
エドワードの逞しい腕が、彼女の身体を軽々と抱き上げていた。
胸元に寄せられる感覚に、心臓が跳ね上がる。
「見ての通りだ」
彼は涼しい顔で言い、イタズラっぽく口角を上げる。
「君を大切にする方法のひとつだろう?」
「だ、だからといって……! このように運ぶ必要は……っ」
必死に抗議するものの、腕の中から逃れることは叶わない。そのたびにエリザベスの身体が僅かに揺れ、彼女の頬はますます赤く染まっていく。
エドワードはそんな彼女を見下ろし、わざと囁くように低く言った。
「今夜は少し疲れてもらうつもりだからな」.
「っ……! つ、疲れた! 今日はもう疲れましたわ!」
耳まで真っ赤に染めて、“楽しかった”から“疲れた”へ変更させたエリザベスに、彼は愉悦を隠さず笑う。
「若い二人の先導者として、嘘はよくない」
歩みは廊下を抜け、奥の扉――寝室へと続いていた。
「お、降ろしてくださいまし! 誰かに見られたら……!」
「構わん。見られたら、君が私の最愛の婚約者だと知らしめるだけだ」
さらりと言い放つ声音に、エリザベスの胸が甘く締めつけられる。抗議の言葉は喉で止まり、代わりに小さな吐息だけが零れた。
やがて扉が開き、薄暗い寝室に灯りが差す。エドワードはそのまま彼女を抱いたまま中へ踏み込み、静かに扉を閉ざした。
「さて……」
腕の中で赤面し続ける彼女を見下ろし、侯爵はイタズラな笑みをさらに深める。
「降ろしてほしいのか? それとも……このままがいいのか?」
「っ……!」
答えられるはずもなく、エリザベスは顔を覆った。
しかし、彼女の胸の奥では抗えぬ幸福が広がっていた。
残されたのは、エドワードとエリザベス、ただ二人。
エリザベスは背筋を伸ばし、グラスを持つ指先でそっと縁をなぞった。
「……見事に育ちましたわね、あの二人」
声音は柔らかく、どこか母性すら帯びている。
対面に座るエドワードは、ゆったりとした所作で脚を組み替え、蒼の瞳を細めた。
「実に楽しそうだったな」
「わたくし、そんなに分かりやすうございました?」
不意に視線を受け、エリザベスは頬を染める。
手にしたグラスの縁を指でなぞりながら、目を伏せて誤魔化すように笑った。
胸の奥がくすぐったく、息が少しだけ早くなる。
「ああ。あまりにも君が楽しそうに導くから、私まで興が乗ってしまったじゃないか」
「まあ……。わたくしのせいにされるのですか?」
分かっていて、エリザベスは小さく唇を尖らせた。わざと拗ねてみせるその仕草に、エドワードは面白そうに目を細める。
「私としては、最初から承認するつもりだった」
エリザベスは思わず目を丸くし、唇に指を添えた。
「つまり最初から許す気でいらしたのに、あえて冷たく突き放して見せたと? それはわたくしが楽しそうだったからと?」
からかうように小首を傾げる。
長い睫毛の影に隠れる瞳が、笑いを含んで彼を見上げていた。
「そうすれば、あの二人は共に立ち向かう。絆も深まる」
侯爵はグラスを揺らし、赤い液体が灯りに滲むのを眺めながら、低く囁いた。
「……そうすれば若風の恋芽を摘みとれるだろ?」
エリザベスはくすりと微笑み、わざと肩をすくめてみせる。
「侯爵様は、ほんとうに意地悪なお方。でも……それも含めて、わたくしは嫌いではございませんわ」
エリザベスは大きく息を吐き、緊張をほどくように椅子へ深く腰掛ける。
「……ああ、でも楽しかった」
満足げに微笑むその姿に、エドワードの唇も自然とほころんだ。
「楽しかった、か。普通は“疲れた”と言う場面だと思うが」
「いいえ? わたくしにとっては、弟分と妹分が成長する姿を見届けるのですもの。疲れるどころか、嬉しくて仕方がございませんわ」
エリザベスは頬を紅潮させ、まるで宝物を手にした少女のような笑みを浮かべる。
その表情を眺めるうちに、エドワードの胸が温かく満たされていった。
(……君がこうして心から楽しそうにしている。それだけで、この場を設けた価値がある)
エドワードはグラスを卓上に置き、両肘を膝に乗せて彼女を見据える。
「……君が楽しそうなら、それだけで私は満足だ」
低く響く声は、冷徹な侯爵ではなく――最愛の婚約者にだけ向けられる、熱を帯びた男の声。
その直截な言葉に、エリザベスは思わず胸を押さえた。
頬が熱を帯び、呼吸が浅くなる。
「侯爵様は……どうしてそんなに、甘やかしてばかりでいらっしゃるの」
ふわりと笑う彼女の横顔が愛おしくて、エドワードはつい意地悪をしたくなった。
「君は甘いものが好きだろう? 焼き菓子も、私の言葉も」
「っ……!」
不意打ちのからかいに、エリザベスは思わず耳まで真っ赤になる。
「も、もう……侯爵様ったら、あの二人では遊びたらなかったのですか?」
慌てて視線を逸らす仕草すら愛らしく、エドワードの胸は幸福で満ちる。
彼は身を屈め、彼女の耳元に唇を寄せて囁いた。
「照れる君も、可愛い」
「っ……! エドワード様……!」
反撃できずに真っ赤になったエリザベスを見て、エドワードは小さく笑った。
「甘やかすのは当然だ。最愛の婚約者に、他にどう振る舞えという?」
ずるい、と心の中で呟きながらも、エリザベスはその甘さに抗えない。
彼女が視線を逸らすと、エドワードは立ち上がり、ゆっくりと彼女の傍へ歩み寄った。
深紅の椅子の背後に立ち、彼女の肩に大きな手を置く。
「エリザベス」
囁きに似た声音が耳に触れ、彼女はびくりと肩を震わせた。
静かな断言ののち、彼の唇が彼女の頬に触れた。
熱を帯びた温もりが一瞬だけ広がり、すぐに離れる――はずだった。
しかし、エリザベスが目を閉じたのを見て、エドワードは迷いを捨てた。そのまま彼女の顎をそっと持ち上げ、唇を重ねる。
「んっ……」
柔らかな接触は、甘く、長く、そして深く。
時間の感覚が失われるほどに、二人だけの世界が広がった。
やがて唇が離れると、エリザベスは息を乱し、紅潮した頬で彼を見上げた。
「……もう、本当に……ずるいお方」
「君をずっと大切にしたいだけだ」
彼の蒼の瞳には、一切の迷いがなかった。
エリザベスは、溢れる熱を押さえきれずに小さく笑った。
「……ええ。わたくしも、侯爵様に大切にされるのは、嫌いではございませんわ」
言葉の端に隠された照れを、エドワードは見逃さなかった。
彼は彼女の額にもう一度口づけ、深紅のカーテンに閉ざされた世界で囁いた。
「ならもっと大切にさせてくれ。愛しい婚約者」
唐突に視界が浮き上がり、エリザベスは思わず悲鳴を上げた。
「え……っ、きゃあ!? こっ、侯爵家!? な、なにをなさるのっ」
エドワードの逞しい腕が、彼女の身体を軽々と抱き上げていた。
胸元に寄せられる感覚に、心臓が跳ね上がる。
「見ての通りだ」
彼は涼しい顔で言い、イタズラっぽく口角を上げる。
「君を大切にする方法のひとつだろう?」
「だ、だからといって……! このように運ぶ必要は……っ」
必死に抗議するものの、腕の中から逃れることは叶わない。そのたびにエリザベスの身体が僅かに揺れ、彼女の頬はますます赤く染まっていく。
エドワードはそんな彼女を見下ろし、わざと囁くように低く言った。
「今夜は少し疲れてもらうつもりだからな」.
「っ……! つ、疲れた! 今日はもう疲れましたわ!」
耳まで真っ赤に染めて、“楽しかった”から“疲れた”へ変更させたエリザベスに、彼は愉悦を隠さず笑う。
「若い二人の先導者として、嘘はよくない」
歩みは廊下を抜け、奥の扉――寝室へと続いていた。
「お、降ろしてくださいまし! 誰かに見られたら……!」
「構わん。見られたら、君が私の最愛の婚約者だと知らしめるだけだ」
さらりと言い放つ声音に、エリザベスの胸が甘く締めつけられる。抗議の言葉は喉で止まり、代わりに小さな吐息だけが零れた。
やがて扉が開き、薄暗い寝室に灯りが差す。エドワードはそのまま彼女を抱いたまま中へ踏み込み、静かに扉を閉ざした。
「さて……」
腕の中で赤面し続ける彼女を見下ろし、侯爵はイタズラな笑みをさらに深める。
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