異分子マンション

カナデ

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「リツコさんもいかがですか、お仕事後の一杯。ご馳走しますよ」

「あたしはいいよ。それより、今日はテツジさんと二人でお出掛け?」

「さっきまでシュンスケさんの部屋にいたんです」

「……なんか意外な組み合わせだね。三人仲良しだったんだ」

「えぇ。シュンスケさんいわく、今日から〝三人親友同盟〟だそうです」

 ね、とテツジに同意を求めるハル。
 テツジは缶ジュースを両手に握り締め、小さく頷いた。

「あの、ぼく、コンビニで働き始めてから、ほんの少しだけ人見知りを克服できたような気がしてきて……。だから勇気を出して、もう一歩踏み出したいと思って……ぼくも、誰かに異彩を打ち明けてみようと考えたんだ。でも一人じゃ不安だったから、ハルくんにお付き合いしてもらって……」

「それでシュンスケに話したんですね」

「うん。シュンスケくんは、ぼくがファミリアに来てから初めて話をした住人さんで……。コンビニで働く前は、ハルくんとシュンスケくんしか話し相手がいなかったんだ。自分から人に話し掛けることができないから……」

「へぇ。最初はシュンスケのこと『鬱陶しい奴』って思いませんでした?」

「いや、その、まぁ、いろいろ思うところはあったけど……。異彩を話すこともできて、今では少し歳の離れた弟みたいに思ってるよ」

「……弟?」

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