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しおりを挟む血流を良くする効果があると言われるふくらはぎのマッサージを終えると、ハルの身体からタオルケットを外した。上半身を起こした彼は清々しい表情で伸びをしている。
「どう? 多少は効果あった?」
「えぇ、とても楽になりました。ほんの十分程度のマッサージで、こんなにも身体の軽さが変わるんですね」
「管理人さんは働きすぎなの。適度に手を抜かないと早死にするんじゃない? そうなったら時間を大事にする意味もないよ」
「……そうですね。できる限り気を付けます」
玄関先まで見送ると、ハルは「またお願いしてもいいですか?」と言った。自分のマッサージが役に立つなら嬉しい。「いつでもやってあげるよ」と返しておいた。
ハルが帰ってから十分ほど経った頃、再びインターフォンが鳴った。
今度は誰だろう。
ドアスコープから確認すると、白衣のポケットに手を突っ込むノブユキの姿が見えた。ハルの懸念が現実になってしまったか……と思ったが、無視するわけにもいかない。仕方なくドアを開けた。
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