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しおりを挟む「俺が干渉しすぎたせいで、ハルやユイカ、リツコちゃんを傷付ける結果になってしまった。申し訳なかった」
立ち上がり、深々と頭を下げるノブユキ。
彼の研究は行き過ぎたものだったかもしれないが、甥と姪を心から大切に想っている上での行為だったということは伝わってきた。無表情でいるハルは何を感じているだろう。
「……僕とユイカのAIチップ、外してくれますか?」
頭を上げたノブユキは「その必要はない」と告げた。パソコンからの遠隔操作でAIチップに入っている情報を削除してしまえば、同時に制御も失われるそうだ。
今後、管理人兄妹は百パーセント自分自身の意思で生活する日々を取り戻すことになる。双方、兄妹以上の感情を抱くこともなくなるはずだ。万事解決――と思ったが、ノブユキは「しかしなぁ」と呟きながら椅子に座り直した。
「ユイカは昔からハルを溺愛していた。恋愛感情が消えてもそこに変化はないからね。リツコちゃんという恋人を素直に受け入れるかどうかは別問題だな」
勝手に恋人扱いされてしまっている。
慌てて否定したが、隣からハルに呼ばれた。
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