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第1章 始まりの壁
1-24:嵐の前の静けさ
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「お間違えなければ証明書を翳してください」
「はい」
違法に取り扱われていたお金を回収して本部の活動資金にするため水色コートの青年は魔導財務機関に申請しに来ていた。
「いつもお疲れ様です」
「いいえ。私に出来ることはこれくらいなので」
軽く会釈して答えると受付の女性が微笑み答えを返す。
「そう謙遜なさらなくても。もう少し自分を労ってもよろしいかと思いますよ」
「本当にたいしたことではありませんよ」
「失礼ですが本当に不思議な方ですね」
「よく周りから言われますので大丈夫ですよ」
「そうでしたか。本日はもうご帰宅でいらっしゃいますか?」
「ええ、今日は少し早めに帰ってやることがあるので」
「お時間をとらせてしまったようで申し訳ございません」
「これくらいなら大丈夫ですよ。気になさらないでください」
少し慌てて謝る女性に水色コートの青年はやんわりと宥める。
「ありがとうございます。お気をつけて」
「はい。またお願いします」
「こちらこそ」
お互いに礼をして水色コートの青年がその場を後にすると、受付の女性がその後ろ姿を見送りポーッとする。
しばらく歩いていると、スマホがブブッと鳴り内容を確認する。
「これはいよいよ私も参戦する感じになりますか…」
ポツリと呟くと、前から見知った人が自分の前に現れる。
「これはまた久しぶりですね」
「そうですわね。またこうして貴方と話せる機会が出来て嬉しいですよ」
水色コートの青年から話をかけると、女性も嬉々とした様子で話をかける。
「貴方のご活躍は何処に行っても耳にしますよ」
「アハハッ。思っているほど大層なことは何も。ただ自分のやっていることが間違っていないことを証明し続けているだけだよ」
「そういうことを当たり前に言える人は少ないですよ。それに貴方のような人が今後、もっと必要とされる時があるのですから自分自身を大切になさってください」
「善処するよ。敵わないね」
「フフッ」
そう言葉を交わした水色コートの青年が予感していることを女性に伝える。
「薄々わかっているかもしれないけど、私が所属している組織に呼ばれるかもしれないからその時は」
「ええ、わかっていますよ。改めてその時はお願いしますね」
最後に確認を済ませ、お互いその場を後にした。
♦
「とうとうここまで進めましたね」
「長いようであっという間でした」
達人と青年が懐かしむように言葉を交わす。
手筈が整い、今か今かと待ち望んでいる様子である。
「教会で起きた事件に関して映像で拝見しましたが、お見事でした」
「それはどうも」
達人は素直にそう述べる。
「話が変わりますが、よろしいですか?」
「何でしょう?」
青年の質問に耳を傾ける。
「権藤さんが現役だった時に犯罪者を追い詰める際にどの程度まで攻撃が許されていましたか?」
「今の貴方たちとほぼ同じでしたよ。必要とあればその場で犯罪者を殺すこともありましたが、あくまで最終手段であって基本は怯ませる程度です」
「そうでしたか」
達人は質問の意図を汲み取り当時の方針を青年に説明した後にこう補足する。
「ただ私の前の歴代はかなり荒れていたそうですよ」
「それは何処までご存じですか?」
「さあ私もそのようなことがあったとしか聞いたことないので詳しいことは何も」
達人は首を横に振って答える。
「どういう理由であれ殺人集団だと世間の人に思われないための包囲網であり魔法を悪用しないための方針を立てたのかと。そうでなければ今頃こうして暢気に話すこともままなりません」
「仰る通りです」
「さて話はここまでにして備えてきたことを実行しましょう」
「はい」
達人の言葉に短く返事する青年である。
「はい」
違法に取り扱われていたお金を回収して本部の活動資金にするため水色コートの青年は魔導財務機関に申請しに来ていた。
「いつもお疲れ様です」
「いいえ。私に出来ることはこれくらいなので」
軽く会釈して答えると受付の女性が微笑み答えを返す。
「そう謙遜なさらなくても。もう少し自分を労ってもよろしいかと思いますよ」
「本当にたいしたことではありませんよ」
「失礼ですが本当に不思議な方ですね」
「よく周りから言われますので大丈夫ですよ」
「そうでしたか。本日はもうご帰宅でいらっしゃいますか?」
「ええ、今日は少し早めに帰ってやることがあるので」
「お時間をとらせてしまったようで申し訳ございません」
「これくらいなら大丈夫ですよ。気になさらないでください」
少し慌てて謝る女性に水色コートの青年はやんわりと宥める。
「ありがとうございます。お気をつけて」
「はい。またお願いします」
「こちらこそ」
お互いに礼をして水色コートの青年がその場を後にすると、受付の女性がその後ろ姿を見送りポーッとする。
しばらく歩いていると、スマホがブブッと鳴り内容を確認する。
「これはいよいよ私も参戦する感じになりますか…」
ポツリと呟くと、前から見知った人が自分の前に現れる。
「これはまた久しぶりですね」
「そうですわね。またこうして貴方と話せる機会が出来て嬉しいですよ」
水色コートの青年から話をかけると、女性も嬉々とした様子で話をかける。
「貴方のご活躍は何処に行っても耳にしますよ」
「アハハッ。思っているほど大層なことは何も。ただ自分のやっていることが間違っていないことを証明し続けているだけだよ」
「そういうことを当たり前に言える人は少ないですよ。それに貴方のような人が今後、もっと必要とされる時があるのですから自分自身を大切になさってください」
「善処するよ。敵わないね」
「フフッ」
そう言葉を交わした水色コートの青年が予感していることを女性に伝える。
「薄々わかっているかもしれないけど、私が所属している組織に呼ばれるかもしれないからその時は」
「ええ、わかっていますよ。改めてその時はお願いしますね」
最後に確認を済ませ、お互いその場を後にした。
♦
「とうとうここまで進めましたね」
「長いようであっという間でした」
達人と青年が懐かしむように言葉を交わす。
手筈が整い、今か今かと待ち望んでいる様子である。
「教会で起きた事件に関して映像で拝見しましたが、お見事でした」
「それはどうも」
達人は素直にそう述べる。
「話が変わりますが、よろしいですか?」
「何でしょう?」
青年の質問に耳を傾ける。
「権藤さんが現役だった時に犯罪者を追い詰める際にどの程度まで攻撃が許されていましたか?」
「今の貴方たちとほぼ同じでしたよ。必要とあればその場で犯罪者を殺すこともありましたが、あくまで最終手段であって基本は怯ませる程度です」
「そうでしたか」
達人は質問の意図を汲み取り当時の方針を青年に説明した後にこう補足する。
「ただ私の前の歴代はかなり荒れていたそうですよ」
「それは何処までご存じですか?」
「さあ私もそのようなことがあったとしか聞いたことないので詳しいことは何も」
達人は首を横に振って答える。
「どういう理由であれ殺人集団だと世間の人に思われないための包囲網であり魔法を悪用しないための方針を立てたのかと。そうでなければ今頃こうして暢気に話すこともままなりません」
「仰る通りです」
「さて話はここまでにして備えてきたことを実行しましょう」
「はい」
達人の言葉に短く返事する青年である。
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