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第2章 血の追求者
2-17:VS東雲菫 パート3
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「さて無駄に長く話してしまいましたがそれもここまでです。森園さん、貴方に恨みはありませんがやられてください。今の状態でも充分に仕留めることは可能ですが念のため更に苦しんでいただきます。――包霊呪縛」
菫が取り出したのは包帯と小瓶に入った少量の血である。
少量の血は恐らく自分の血で間違いなさそうだが、包帯の方は市販で売られているのとは少し違う素材で出来ている。
その包帯に血を垂らし、親指でビーッと線を引く。
準備が完了したところで指と指の間を絡ませて祈るように念を込める。
すると包帯が幽霊の如くフウッと時光に近づき身体に絡みつき動きを封じる。
「ではさようなら」
(万事休すか!)
冷たく放たれる言葉と同時にシュッと数本のメスが投げ飛ばされる。
直撃覚悟で時光が目を閉じた瞬間に、
「流除至水!」
「雷輪守!」
時光の頭上から滝のように大量に流れてくる水と目の前に雷の壁が展開され、メスが粉々に砕け散る。
空間を突き抜けて登場してきたのが恵と舞香である。
「先輩ご無事ですか!」
「時光クン大丈夫かい!」
「2人とも助かった。ありがとう」
恵の放った魔法によって、ずぶ濡れになった時光だがそのおかげで菫にかけられた症状と縛りつけられた包帯による魔法が洗い流された。
ただ体に若干の痺れと左腕に受けた怪我の痛みが残っていて今まで通りの動きをとるには時間がかかりそうである。
間一髪のところで2人が登場してきたわけだが舞香は言うまでも自分の魔法を使ってきたが、恵に関しては舞香から「雷瞬輪」という手首に装着して移動したい場所まで瞬時に移動出来る道具を使って時光のところまでやってきた。
舞香と同じ動きが出来る原理で若干多めの魔力が消費するが、それには時光も装着している。
「あちらにいる方が東雲菫さんで間違いないですか?」
「ああ、2人とも気をつけて」
時光の前にいた恵と舞香が構え直すと、
「恵ちゃん、時光クンの傍にいて援護をお願い出来るかな?不本意だけどここは私の方が良さそうだから」
「わかりました。気をつけてください」
そう言って恵が時光の傍で構え、舞香がその2人の前に立ち菫と対峙する形になる。
「随分と嫌った言い方をされていましたが、私何か貴女に不快な気持ちにさせましたか?」
菫は少しわざとらしく悲しむ言い方で舞香に尋ねると、
「ええ、貴女は私たちの大切な友達を傷つけました。それだけでも充分な動機になりますがいけませんか?」
語気を強めて舞香はサバイバルナイフを構える。
時光を助けに来た時に刀ではなく素手で挑んでいることを瞬時に判断して自分も槍ではなくリーチの短い武器で挑む。
「いいえ。目的のために成し得る時の理由はいりませんからね」
菫も同じく構え直す。
少しの間、両者の睨み合いが続き、
「ふっ!」
先に仕掛けたのは菫で時光を縛りつけた包帯で舞香を自分の方に引き寄せようと放つが、
「はあっ!」
後方に飛び退きサバイバルナイフに魔力を込めてスパッと綺麗に切り落とす。
「おや、これを簡単に切り落とすとは。これでも防刃・防弾はもちろん、防水の機能がついているんですけどね」
最後にチラッと恵を見て言う素振りをすると、
「こちらとしてもなめられたものですね。ただのナイフではありませんよ」
「同じく私の魔法もただの水ではありません」
不服を訴える2人に対して態度を崩さず非礼を詫びる。
「これは失礼しました。ですがそれを持ってして私を倒せないようであれば宝の持ち腐れですよ」
今度は時光に最初に仕掛けた注射器を放たず自分の腕に打つ。
「2人とも来るぞ!」
時光の言葉とほぼ同時に菫があっという間に背後につき時光をメスで切りかかろうとするが、
「させません!」
咄嗟に杖で菫のメスを弾きその隙をついて、
「水迅砲!」
砲丸くらいの大きさをした水の弾丸を菫に打ち込み後方に飛ばす。
咄嗟の対応だったため威力が弱く直撃しても大したダメージにはなっていない。
それでも一時的に距離を取ることが出来た。
「これもまた面白い技ですが、この程度の攻撃で倒れる私ではありませんよ」
「私もこの程度で倒したとは思っていませんし、どこまで通用するか確かめただけなので」
「ほう」
互いに言葉で牽制する。
「ならばこれは如何ですか!」
その瞬間に間合いを詰められメスで切りかかろうとするが、
「はああっ!」
今度は遅れをとられず2人の間を割って入る舞香が菫の攻撃をいなす。
「フフッ、見事ですね。では少しずつ力を入れて加速していきますよ」
言った直後に空高くメスを放ち、これまでよりも本数を増やして時光たちに刺しかかる。
「双仙ノ灯!」」
迎え撃つは炎の柱、飛んで来るメスを溶かして威力を殺す。
力なきメスは飴細工の如くグニャリと曲がってしまった。
安心するのも束の間、次の攻撃が迫ってくる。
「次はこれで踊っていただきますよ」
先ほどから出てきている包帯を今度は縛りつけるためではなく、薬品を染み込ませて魔法陣を展開させる。
すると燕のような鳥の形になり時光たちに襲い掛かる。
「雷輪守!」
先ほどと同じように壁を展開して防ぎ切ろうとするが、
「っ!そんなっ!」
「これでもう簡単に砕け散ることはありませんよ。「強固促進薬」によって物理的なものに耐えられる強度まで高まっていますので」
鳥の形状をした包帯は砕け散ることなく隙を与えず猛威を振るう。
加えて菫から仕掛けてくる攻撃の対処という流れになり防戦一方になる。
(この人の力、底なしか⁉)
時光が内心苦しみながらそう思うと、それを察していたのか菫が悟る。
「不思議に思いますか?私が先ほど打った注射器ですが「瞬発促進薬」といって一時的に運動能力の底上げ、相手に隙を与えず連続で攻撃を仕掛けることが出来ます」
菫が取り出したのは包帯と小瓶に入った少量の血である。
少量の血は恐らく自分の血で間違いなさそうだが、包帯の方は市販で売られているのとは少し違う素材で出来ている。
その包帯に血を垂らし、親指でビーッと線を引く。
準備が完了したところで指と指の間を絡ませて祈るように念を込める。
すると包帯が幽霊の如くフウッと時光に近づき身体に絡みつき動きを封じる。
「ではさようなら」
(万事休すか!)
冷たく放たれる言葉と同時にシュッと数本のメスが投げ飛ばされる。
直撃覚悟で時光が目を閉じた瞬間に、
「流除至水!」
「雷輪守!」
時光の頭上から滝のように大量に流れてくる水と目の前に雷の壁が展開され、メスが粉々に砕け散る。
空間を突き抜けて登場してきたのが恵と舞香である。
「先輩ご無事ですか!」
「時光クン大丈夫かい!」
「2人とも助かった。ありがとう」
恵の放った魔法によって、ずぶ濡れになった時光だがそのおかげで菫にかけられた症状と縛りつけられた包帯による魔法が洗い流された。
ただ体に若干の痺れと左腕に受けた怪我の痛みが残っていて今まで通りの動きをとるには時間がかかりそうである。
間一髪のところで2人が登場してきたわけだが舞香は言うまでも自分の魔法を使ってきたが、恵に関しては舞香から「雷瞬輪」という手首に装着して移動したい場所まで瞬時に移動出来る道具を使って時光のところまでやってきた。
舞香と同じ動きが出来る原理で若干多めの魔力が消費するが、それには時光も装着している。
「あちらにいる方が東雲菫さんで間違いないですか?」
「ああ、2人とも気をつけて」
時光の前にいた恵と舞香が構え直すと、
「恵ちゃん、時光クンの傍にいて援護をお願い出来るかな?不本意だけどここは私の方が良さそうだから」
「わかりました。気をつけてください」
そう言って恵が時光の傍で構え、舞香がその2人の前に立ち菫と対峙する形になる。
「随分と嫌った言い方をされていましたが、私何か貴女に不快な気持ちにさせましたか?」
菫は少しわざとらしく悲しむ言い方で舞香に尋ねると、
「ええ、貴女は私たちの大切な友達を傷つけました。それだけでも充分な動機になりますがいけませんか?」
語気を強めて舞香はサバイバルナイフを構える。
時光を助けに来た時に刀ではなく素手で挑んでいることを瞬時に判断して自分も槍ではなくリーチの短い武器で挑む。
「いいえ。目的のために成し得る時の理由はいりませんからね」
菫も同じく構え直す。
少しの間、両者の睨み合いが続き、
「ふっ!」
先に仕掛けたのは菫で時光を縛りつけた包帯で舞香を自分の方に引き寄せようと放つが、
「はあっ!」
後方に飛び退きサバイバルナイフに魔力を込めてスパッと綺麗に切り落とす。
「おや、これを簡単に切り落とすとは。これでも防刃・防弾はもちろん、防水の機能がついているんですけどね」
最後にチラッと恵を見て言う素振りをすると、
「こちらとしてもなめられたものですね。ただのナイフではありませんよ」
「同じく私の魔法もただの水ではありません」
不服を訴える2人に対して態度を崩さず非礼を詫びる。
「これは失礼しました。ですがそれを持ってして私を倒せないようであれば宝の持ち腐れですよ」
今度は時光に最初に仕掛けた注射器を放たず自分の腕に打つ。
「2人とも来るぞ!」
時光の言葉とほぼ同時に菫があっという間に背後につき時光をメスで切りかかろうとするが、
「させません!」
咄嗟に杖で菫のメスを弾きその隙をついて、
「水迅砲!」
砲丸くらいの大きさをした水の弾丸を菫に打ち込み後方に飛ばす。
咄嗟の対応だったため威力が弱く直撃しても大したダメージにはなっていない。
それでも一時的に距離を取ることが出来た。
「これもまた面白い技ですが、この程度の攻撃で倒れる私ではありませんよ」
「私もこの程度で倒したとは思っていませんし、どこまで通用するか確かめただけなので」
「ほう」
互いに言葉で牽制する。
「ならばこれは如何ですか!」
その瞬間に間合いを詰められメスで切りかかろうとするが、
「はああっ!」
今度は遅れをとられず2人の間を割って入る舞香が菫の攻撃をいなす。
「フフッ、見事ですね。では少しずつ力を入れて加速していきますよ」
言った直後に空高くメスを放ち、これまでよりも本数を増やして時光たちに刺しかかる。
「双仙ノ灯!」」
迎え撃つは炎の柱、飛んで来るメスを溶かして威力を殺す。
力なきメスは飴細工の如くグニャリと曲がってしまった。
安心するのも束の間、次の攻撃が迫ってくる。
「次はこれで踊っていただきますよ」
先ほどから出てきている包帯を今度は縛りつけるためではなく、薬品を染み込ませて魔法陣を展開させる。
すると燕のような鳥の形になり時光たちに襲い掛かる。
「雷輪守!」
先ほどと同じように壁を展開して防ぎ切ろうとするが、
「っ!そんなっ!」
「これでもう簡単に砕け散ることはありませんよ。「強固促進薬」によって物理的なものに耐えられる強度まで高まっていますので」
鳥の形状をした包帯は砕け散ることなく隙を与えず猛威を振るう。
加えて菫から仕掛けてくる攻撃の対処という流れになり防戦一方になる。
(この人の力、底なしか⁉)
時光が内心苦しみながらそう思うと、それを察していたのか菫が悟る。
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