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第三章 運命の決闘《デート》@練習試合
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第三章 運命の決闘《デート》@練習試合
1
ミニ・ゲーム後、荷物を纏めた俺たちは、Cの土のグラウンドへと向かった。ゲームはすぐに終わったから、まだ自主練の時間はたくさんあった。
Cのグラウンドへの道中、俺は沖原たちにいつもの調子で話し掛け続けた。しかし、二人ともショックが抜け切らない様子で、反応は薄かった。
新入生テストが終わったため、次の日から朝練が始まった。時間は、午前七時から八時二十分までである。正規練習の短縮版で、ボールを扱う練習とフィジカル・トレーニングの、両方を行った。
練習後の部室、Cの部員たちは、喋りながらいそいそと着替えをしていた。
制服に着替えて鞄を持った俺は、パイプ椅子から立ち上がろうとした。すると、あおいちゃんの慎ましやかな声が、部室の外から聞こえてきた。
「お着替え中に失礼します。星芝くん、沖原くん、佐々くん。わたし、あなたたちにとっても大事なお話があるの。この後、時間は、大丈夫かな?」
「ぜーんぜん大丈夫だよー。すぐに行くから、ちょろっとだけ待っててね」
軽く明るく答えた俺は、部室の奥にいる沖原と佐々を目で急かす。
俺の視線を感じたのか、二人とも着替えの速度がアップした。
俺たち三人が外に出ると、すぐ近くに、制服姿のあおいちゃんが立っていた。真剣な、決意を感じさせる佇まいである。
「ほんとにほんとにありがとう。部室の前だと話しづらいから、場所を変えさせてもらうね」
委員長然として告げたあおいちゃんは、振り返って早い足取りで歩き始めた。俺たちは、あおいちゃんの後を従いていく。
俺の前を行くあおいちゃんは、「わたしは未奈ちゃんの親友、わたしは未奈ちゃんの親友」と、深刻な語調で小さく呟いていた。
委員長決めの時も思ったけど、あおいちゃんは、自分の中だけで思考がぐるぐる回る女の子である。ま、俺はそうやって色々、考えられる子、良いと思うけどね。
校舎裏まで来た俺たちは、向かい合った。フェンスを挟んだ校外の道では、若い女性が犬の散歩をしていた。
あおいちゃんは目を閉じて、ゆっくりとした呼吸を始めた。一秒、二秒、三秒。朝練をする吹奏楽部の楽器の音色が、耳に小さく聞こえてくる。
目を開けたあおいちゃんはばっと、いきなり九十度のお辞儀をかました。
「昨日はごめんっ! 話は未奈ちゃんから聞いたよ! ミニ・ゲームであなたたち、嫌な思いしたよね。未奈ちゃんはああやって、ずけずけとものを言う人なの! どうか、わかってあげて!」
あおいちゃんの必死の謝罪には、切迫感すらあった。しかしよく聞くと、未奈ちゃんの毒舌を正す意向はない。
「んー。確かに口は汚いけど、未奈ちゃんの発言ってかなーり的を射てるからね」
俺が何気なく感慨を口にすると、あおいちゃんは、ゆっくりと顔を上げた。俺をじっと見つめる目は、わずかに潤んでいる。
「少し長くなるけど、未奈ちゃんの昔の話、聞いてくれる?」
哀願するように尋ねたあおいちゃんに、俺は、「うん、ぜひお願い」と食いついた。
「わたしと未奈ちゃんは幼馴染で、小学校から同じチームなの。四歳でサッカーを始めた未奈ちゃんは小一からずーっとエース級だった。だけどもう一人、凄い子がいたの」
あおいちゃんの表情は、既に決然としたものに変わっていた。本当に、未奈ちゃんが好きなんだね。
「サッカー・プレイヤーなら誰でも知ってるスーパー・スター、皇樹秀くん。彼も同じチームだったのよ。わたしもそこそこだったけど、学年のエースは皇樹くんだった。周りがみんな皇樹くんに敗北宣言をしていく中で、未奈ちゃんだけは皇樹くんと競ってたの。でもね」
言葉を切ったあおいちゃんは、悲痛そうにわずかに口を引き結ぶ。
「小六の時に、とうとう勝てなくなった。皇樹くん、男の子だから、高学年で運動能力がぐーんと伸びてね。それでも未奈ちゃんは皇樹くんに挑むんだけど、やっぱり勝てないのよね。あの時の未奈ちゃん、見てられなかったよ。なんで女に生まれたんだろうって、いっつも泣いてた」
口を震わせるあおいちゃんは、再び泣き出しそうな様子だ。俺は、どんな言葉を掛けるべきかわからない。
「それから未奈ちゃんは、強豪で、男女サッカー部の交流が盛んな竜神の中等部に入ったの。男女を含めた最強選手になるっていう、ちょっと運動に詳しい人が聞けば、鼻で笑う夢を捨てきれずにね」
「男女最強……」沖原が呆然と呟いた。
「フィジカルはボロ負け。得意分野のスピードも、ちょっと速い男子には勝てない。でも未奈ちゃんは諦めてない。二十四時間、サッカーのことしか考えてないから、できる努力は全部する。だから弱い男子選手を見ると、毒舌で発破を掛けて奮起させようとするの。悪口に耐えられない選手とは練習したって意味がないし辞めさせちゃえ、って発想でね」
めちゃくちゃだ。だけど原動力は、強過ぎるサッカーへの思いである。
「未奈ちゃん、チーム・メイトの女の子には優しいよね。あれはなんでなの?」
責めていると思われないよう、俺は柔らかく尋ねた。
「女子のチームは、いろいろあってね。人間関係が崩れると終わりなのよ」
悟ったようなあおいちゃんの口振りに、俺たちは黙り込む。するとあおいちゃんは、右手を口元に持っていって少し顔を近づけてきた。
「それとここだけの話、未奈ちゃんは、皇樹くんを、恋愛的な意味で好きなの」
脳天に稲妻が落ちた。目の前が真っ暗になった。ソンナ。ミナチャンニハソウイウウイタハナシハ、ドコカラモキイタコトナカッタヨ。ウソイッテンデショ、アオイチャン。
「だから皇樹くんには負けたくない。人としての価値が劣ったまま、好きな子と結ばれたくはない。星芝くんたちも共感できるよね。だけど未奈ちゃんの場合は、普通の人とは程度が違うの。絶対的なサッカーの実力が基準で、男女それぞれのサッカー界で同じ地位に着いてるから良いとは、どうしても考えられないのよ」
フリーズする俺の耳に、あおいちゃんの沈鬱な言葉が飛び込んでくる。
「わかってあげて! 未奈ちゃんのサッカーへの思いと、皇樹くんへの妄執を! お願い! 文句があるなら、わたしがぜーんぶ引き受けるから!」
再び頭を下げたあおいちゃんの叫び声が静寂を破った。
あおいちゃんの真っ直ぐに見返す俺は、心からの言葉をあおいちゃんに送る。
「価千金の新情報、ほんとにありがとう。女子Aとの練習試合、時間の無駄だったって言われないよう頑張るって誓うよ。それと申し訳ないけど、最終的に未奈ちゃんと結ばれるのは俺だ。今度の試合はアピールの格好の場だし、俺、全力で躍動しちゃうよ」
「ったくあの女。人を素人素人呼びやがって癇に障んだよ。今は俺なんか眼中にナッシングだろうが、ぼっこぼこにして二度と舐めた口、聞けねぇようにしてやんよ」
剣呑な調子で、佐々も続く。
あおいちゃんは、「ありがとう」と、右手の人差し指で目元を拭きながら薄く笑みを浮かべた。
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ミニ・ゲーム後、荷物を纏めた俺たちは、Cの土のグラウンドへと向かった。ゲームはすぐに終わったから、まだ自主練の時間はたくさんあった。
Cのグラウンドへの道中、俺は沖原たちにいつもの調子で話し掛け続けた。しかし、二人ともショックが抜け切らない様子で、反応は薄かった。
新入生テストが終わったため、次の日から朝練が始まった。時間は、午前七時から八時二十分までである。正規練習の短縮版で、ボールを扱う練習とフィジカル・トレーニングの、両方を行った。
練習後の部室、Cの部員たちは、喋りながらいそいそと着替えをしていた。
制服に着替えて鞄を持った俺は、パイプ椅子から立ち上がろうとした。すると、あおいちゃんの慎ましやかな声が、部室の外から聞こえてきた。
「お着替え中に失礼します。星芝くん、沖原くん、佐々くん。わたし、あなたたちにとっても大事なお話があるの。この後、時間は、大丈夫かな?」
「ぜーんぜん大丈夫だよー。すぐに行くから、ちょろっとだけ待っててね」
軽く明るく答えた俺は、部室の奥にいる沖原と佐々を目で急かす。
俺の視線を感じたのか、二人とも着替えの速度がアップした。
俺たち三人が外に出ると、すぐ近くに、制服姿のあおいちゃんが立っていた。真剣な、決意を感じさせる佇まいである。
「ほんとにほんとにありがとう。部室の前だと話しづらいから、場所を変えさせてもらうね」
委員長然として告げたあおいちゃんは、振り返って早い足取りで歩き始めた。俺たちは、あおいちゃんの後を従いていく。
俺の前を行くあおいちゃんは、「わたしは未奈ちゃんの親友、わたしは未奈ちゃんの親友」と、深刻な語調で小さく呟いていた。
委員長決めの時も思ったけど、あおいちゃんは、自分の中だけで思考がぐるぐる回る女の子である。ま、俺はそうやって色々、考えられる子、良いと思うけどね。
校舎裏まで来た俺たちは、向かい合った。フェンスを挟んだ校外の道では、若い女性が犬の散歩をしていた。
あおいちゃんは目を閉じて、ゆっくりとした呼吸を始めた。一秒、二秒、三秒。朝練をする吹奏楽部の楽器の音色が、耳に小さく聞こえてくる。
目を開けたあおいちゃんはばっと、いきなり九十度のお辞儀をかました。
「昨日はごめんっ! 話は未奈ちゃんから聞いたよ! ミニ・ゲームであなたたち、嫌な思いしたよね。未奈ちゃんはああやって、ずけずけとものを言う人なの! どうか、わかってあげて!」
あおいちゃんの必死の謝罪には、切迫感すらあった。しかしよく聞くと、未奈ちゃんの毒舌を正す意向はない。
「んー。確かに口は汚いけど、未奈ちゃんの発言ってかなーり的を射てるからね」
俺が何気なく感慨を口にすると、あおいちゃんは、ゆっくりと顔を上げた。俺をじっと見つめる目は、わずかに潤んでいる。
「少し長くなるけど、未奈ちゃんの昔の話、聞いてくれる?」
哀願するように尋ねたあおいちゃんに、俺は、「うん、ぜひお願い」と食いついた。
「わたしと未奈ちゃんは幼馴染で、小学校から同じチームなの。四歳でサッカーを始めた未奈ちゃんは小一からずーっとエース級だった。だけどもう一人、凄い子がいたの」
あおいちゃんの表情は、既に決然としたものに変わっていた。本当に、未奈ちゃんが好きなんだね。
「サッカー・プレイヤーなら誰でも知ってるスーパー・スター、皇樹秀くん。彼も同じチームだったのよ。わたしもそこそこだったけど、学年のエースは皇樹くんだった。周りがみんな皇樹くんに敗北宣言をしていく中で、未奈ちゃんだけは皇樹くんと競ってたの。でもね」
言葉を切ったあおいちゃんは、悲痛そうにわずかに口を引き結ぶ。
「小六の時に、とうとう勝てなくなった。皇樹くん、男の子だから、高学年で運動能力がぐーんと伸びてね。それでも未奈ちゃんは皇樹くんに挑むんだけど、やっぱり勝てないのよね。あの時の未奈ちゃん、見てられなかったよ。なんで女に生まれたんだろうって、いっつも泣いてた」
口を震わせるあおいちゃんは、再び泣き出しそうな様子だ。俺は、どんな言葉を掛けるべきかわからない。
「それから未奈ちゃんは、強豪で、男女サッカー部の交流が盛んな竜神の中等部に入ったの。男女を含めた最強選手になるっていう、ちょっと運動に詳しい人が聞けば、鼻で笑う夢を捨てきれずにね」
「男女最強……」沖原が呆然と呟いた。
「フィジカルはボロ負け。得意分野のスピードも、ちょっと速い男子には勝てない。でも未奈ちゃんは諦めてない。二十四時間、サッカーのことしか考えてないから、できる努力は全部する。だから弱い男子選手を見ると、毒舌で発破を掛けて奮起させようとするの。悪口に耐えられない選手とは練習したって意味がないし辞めさせちゃえ、って発想でね」
めちゃくちゃだ。だけど原動力は、強過ぎるサッカーへの思いである。
「未奈ちゃん、チーム・メイトの女の子には優しいよね。あれはなんでなの?」
責めていると思われないよう、俺は柔らかく尋ねた。
「女子のチームは、いろいろあってね。人間関係が崩れると終わりなのよ」
悟ったようなあおいちゃんの口振りに、俺たちは黙り込む。するとあおいちゃんは、右手を口元に持っていって少し顔を近づけてきた。
「それとここだけの話、未奈ちゃんは、皇樹くんを、恋愛的な意味で好きなの」
脳天に稲妻が落ちた。目の前が真っ暗になった。ソンナ。ミナチャンニハソウイウウイタハナシハ、ドコカラモキイタコトナカッタヨ。ウソイッテンデショ、アオイチャン。
「だから皇樹くんには負けたくない。人としての価値が劣ったまま、好きな子と結ばれたくはない。星芝くんたちも共感できるよね。だけど未奈ちゃんの場合は、普通の人とは程度が違うの。絶対的なサッカーの実力が基準で、男女それぞれのサッカー界で同じ地位に着いてるから良いとは、どうしても考えられないのよ」
フリーズする俺の耳に、あおいちゃんの沈鬱な言葉が飛び込んでくる。
「わかってあげて! 未奈ちゃんのサッカーへの思いと、皇樹くんへの妄執を! お願い! 文句があるなら、わたしがぜーんぶ引き受けるから!」
再び頭を下げたあおいちゃんの叫び声が静寂を破った。
あおいちゃんの真っ直ぐに見返す俺は、心からの言葉をあおいちゃんに送る。
「価千金の新情報、ほんとにありがとう。女子Aとの練習試合、時間の無駄だったって言われないよう頑張るって誓うよ。それと申し訳ないけど、最終的に未奈ちゃんと結ばれるのは俺だ。今度の試合はアピールの格好の場だし、俺、全力で躍動しちゃうよ」
「ったくあの女。人を素人素人呼びやがって癇に障んだよ。今は俺なんか眼中にナッシングだろうが、ぼっこぼこにして二度と舐めた口、聞けねぇようにしてやんよ」
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