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第二章
第45話 秋と言えば文化祭だよね? 後編
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「なかなかに盛況じゃな」
2階のバルコニーに席を用意し、ロイヤルファミリーは高みの見物となった。
警護として俺とメイアさん、オリバーさん。階下には紫の翼隊が警護をしている。彼女達には時間で交代するよう指示をしている。
「やはりクレープが大人気ね」
お妃様イチオシのクレープ屋には既に長蛇の列が出来ていた。
クレープ屋をこの時間担当しているのは山梨さん、 芳川さん、南秦さん達だ。此処から見ても大分パニックっている。しかし、お客さん達の顔を見ればニコニコご満悦なのが見て取れる。
他のたこ焼き屋や輪投げ等の催し物も人だかりが出来ていて、子供達の笑い声も聞こえてくる。
収穫祭の方もサツキサンの画像で確認する限り大いに盛り上がっているようだ。そんな折りに俺のスマホが鳴った。南秦さんだ?電話を取りつつクレープ屋の方を見ると何か揉めているようだよ?
「もしもし、どうしたの?」
『アイスクリームが完売したんだけど、お客さんがどうしても食べさせて欲しいって』
もう完売したんだ(汗)。今から作る?人手が足りないし……。
!
『南秦さん、少し待ってて』
「サツキサン!如月君と楠木君、藍原君、笠原君を食堂に呼んで。其れと前に来た時の宿屋のおばちゃんをさっき見かけたんだけど、まだ会場にいるかな?」
「イエス、マスター。如月様と楠木様、藍原様、笠原様には緊急メールを送りました。宿屋のおばちゃん様はたこ焼き屋に並んでいます」
俺はメイアさんに宿屋のおばちゃんを食堂迄連れて来て貰うようお願いした。そして如月君に電話をする。
◆
「しばらくしたら宿屋のおばちゃんが行くから、アイスクリーム作成の人手を集めて貰うよう協力を仰いでよ」
『錬成の件とおばちゃんの件、了解した。女の子を何人か呼んでくれないか』
「オッケー」
如月君との電話を切るとサツキサンから女の子に一斉メールで、手の空いている人を食堂に招集をかけた。
「南秦さん、とりま楠木君の錬成アイスクリームで時間を稼ぎつつアイスクリームの追加作成をするから、アイスクリーム希望の列を分けて欲しいんだ」
『はい。分かりました』
楠木君の錬成は確かに便利だが、食材を50%もロスるのは勿体なさすぎる。人手を集めて突貫作業する方向で何とかしよう。幸いに撹拌器具は30個近く有るしね。藍原君と笠原君で冷凍石を必要分用意し、後は人海戦術だ。
宿屋のおばちゃんは超ノリノリとの連絡を如月君から貰った。アイスクリームの製法を教えて貰えるとの事で、沢山の宿屋や食堂の人達が集まる事が出来た。後にアイスクリーム発祥の街と呼ばれる起源がこの時であったとか?
アイスクリーム騒動も一段落し、俺は国王様、お妃様、アルフィーナ王女を交えゆっくりと色々な話しをする事が出来、此れは此れで良い時間を過ごせた。
「マスター。そろそろ私は準備に入る時間です」
「あれ?もうそんな時間?」
腕時計を覗くと3時ちょっと手前だった。
「サツキサン、クラスの女の子にグレートホールに集まるよう緊急メールをお願い」
「イエス、マスター」
◆
会場に沢岸さんの案内放送が入る。
『ご来場の皆様にご連絡致します。当イベントは3時30分を持ちまして終了とさせて頂きます。皆様が全員ご退場の後に、抽選に当選いたしました100名の方は4時頃より再入場となります。ご迷惑をお掛け致しますがご協力の程よろしくお願い致します』
「此の後に何が有るのじゃ?」
国王様は興味津々顔で聞いて来た。
「お、お恥ずかしながらナイトウイングスじょモガモガ」
アルフィーナ王女に口を塞がれたよ?
「お父様、此処から特別ステージをご覧になっていて下さい」
国王様とお妃様、セナス王子は『?』顔でキョトンとしていた。
◆
領主館の中庭に設置された特別ステージ前には抽選で当選した100名の人達が集まっていた。
特別ステージの前列は警備と称してクラスの男子が最前列をキープしている。
4時30分
アップテンポな明るい曲に乗って歌声が聞こえる。高山さんと笠原さんが赤とピンクと黒のギンガムチェックのミニスカートの可愛い衣装で、特別ステージの袖から小刻みなステップを交え登場した。
頭には笠原さんのスキル「空間音量補正」を魔力石に融合させて作ったヘッドセットを付けている。其の歌声は特設ステージ脇のスピーカーと会場に数ヶ所有るスピーカーから聞こえてくる。
流れている音楽は、みんなのスマホにあった曲を厳選し、裏メイド隊が歌いやすいようにサツキサンが編集している。
「「「カナコー!」」」
「「「ショーコー!」」」
最前列の3組男子は既にノリノリだが、100名の街の人達は呆気にとられてポカーンと見ている(汗)。
二人が歌っている歌は日本のアイドルグループが歌っていた明るいJ-ポップだ。
一節歌い終わると両袖から高山さん達と同じ衣装で3人づつ女の子が歌いながら出て来る。右からはアルフィーナ王女、ルミナ様、セシリちゃん。左からは彩月、茜音さん、葵さんだ。
いいのか?王女様にミニスカ履かせて?
一節毎に女の子達は増えていき、全員で47人+1になった。
チーム名はNWG48(ナイトウイングスガールズ48)。因みにサツキサンもメンバーの1人だよ(苦笑い)。
明るく楽しいリズムに合わせて可愛い女の子がミニスカートで歌を歌い、華麗に踊る綺麗なユニゾン。此の世界には無いアイドルダンスに会場の街の人達も少しずつリズムを刻み始めていた。
「皆さーーーん。今日は私達の茅高祭に、そしてNWG48のファーストライブに来てくれてありがとーーーーッ!」
「「「オーーーッ!」」」
チームリーダーの高山さんが両手を振って挨拶をした。最前列の3組男子は悪ノリでかなりテンションが高い。街の人達もチラホラとノリ始めている。
「次の曲は今日の為にAチームのみんなが歌とダンスを必死に沢山練習しました。Aチームの歌と踊りをご覧くださ~い」
さっきの曲よりも更にアップテンポなリズムが流れる。
曲の前奏でステージの前列に赤の翼隊と紫の翼隊の10人が並んだ。
センターにはキャサリンさんとアリスさんだ。普段は男装って感じのアリスさんのミニスカ姿は超激レアだ!
キャサリンさんとアリスさんは両袖に向かって華麗なバク転を始める。其のタイミングで中央から順に他の8人もバク転で後を追う。
そして中央には白と水色のフワフワミニスカート衣装に着替えたアルフィーナ王女がいた。
彼女のソロパートで2曲目は始まった。綺麗な美声に魅了されてしまう。
バックダンスには同じ衣装で3組女子と裏メイド隊合わせて8人が楽しそうに可愛い振り付けのダンスをしている。
右の袖からルミナ様とセシリちゃんが、左からはカーシャさんとアイシャさんが歌いながら歩いて出て来る。
アルフィーナ王女と合流した4人は、笑顔で向き合いながら、息のあったダンスを披露した。
因みにNWG48はAチーム、Bチーム、Cチームに分かれている。アルフィーナ王女達はAチームだ。
3曲目はゆっくりしたイントロが流れBチームのダンサーが出て来た。彼女達は白と紫のフレアスカートの衣装だ。
綺麗な歌声が聞こえて来るがステージに歌い手はいない。スローテンポのラブソング。
そう、遂にやって来たサツキサンの歌のお披露目だ。
声優アイドル畠山さんヴォイスのサツキサン。最前列のオタトリ君達は涙を流しながら聞き入っている。
3節目のコーラスパートではバックダンサーと同じ白と紫のフレアスカート姿で右袖から白山先生、山梨さん、芳川さん、南秦さんが、左袖からは真山さん、八神さん、渡辺さん、木原さんが綺麗なハーモニーを作り歩きながらセンターで合流した。
ゆっくりした曲の可愛い振り付けは大人しめの彼女達には良く似合っていた。綺麗なコーラスは街の人達にも感動を与えていた。泣いている女の子もチラホラ見える。
4曲目はハイテンポのJ-ポップ、THEアイドルってノリの楽しい曲だ。両袖からCチーム全員が駆け足で出て来た。彼女達はパステルカラーで色とりどりなリボンを付けた可愛いミニスカートの衣装だ。
センターには高山さん、笠原さん、岡山さんが軽快にアイドルダンスを披露する。2節には彩月、茜音さん、葵さん。3節にはメイアさん、オリヴィア様、ナタリアさん。4節目にカーシャさん、アイシャさん、キャサリンさんがめっちゃ楽しそうに歌って踊って、飛んで、跳ねて、裏メイド隊も魔女っ娘3人組も歌ってダンスして、最前列の3組男子のみならず、観客の街の人達もテンション上げ上げでノリノリだった。因みにバルコニーの国王様もお妃様もセナス王子もノリノリだ!
「みんなーーーーッ!今日はありがとうーーー!」
「「「オーーーッ!」」」
「次で最後の曲になりまーーーす!」
「「「えーーーッ!」」」
「最後は全員で歌います。曲名は……」
彼女達がラストに選んだ曲は大ヒットした紙飛行機の詩だった。
センターには彩月が立ち歌い始める。
~毎日訪れる朝、毎日が良い日であるとは限らない、辛い日も悲しい日もある~
アルフィーナ王女のAチームが歌う。
~夢、希望、未来に向かって頑張る事が大切だから~
全員が歌う。
~空を飛ぶ白い紙飛行機。私達もきっと飛ぶ事が出来る。心の翼、思いを乗せて羽ばたいた空、どう翔ぶ? 飛び続ける? 何処までも? 初めて見る空、初めて見る国、羽を休めるのも悪くないよね。飛ぶ距離よりも大切な事が其処には有るのだから~
俺は彼女達の詩を、涙を流しながら聞いていた。俺達が此の世界で生きる事、飛ぶ事、其の羽に乗せられた思い。彼女達も噛み締めながら歌っている。俺だけじゃない。彼女達も、クラスの男子も、そして会場の街の人達も、涙で頬を濡らしていた。
曲はクライマックスに差し掛かる。47人の女の子達は、47機+1機の紙飛行機を手に持ち、そして夕焼けの空へ羽ばたかせた。
~私達の思いは空へと羽ばたく。空へ舞え、私達の夢と希望を乗せて風に乗り飛んでいけ!思いを乗せて羽ばたいた空、どう翔ぶか、飛び続けるか、羽を休めるのも悪くないよね。飛ぶ距離よりも大切な人が其処にはいるのだから~
空を飛ぶ色とりどりの48機の紙飛行機。
夢と希望を乗せて飛ぶ紙飛行機。
飛行機を知らない街の人達は、初めて見る紙飛行機に心をときめかせていた。真っ直ぐ飛ぶもの、大きく旋回するもの、空へ舞い上がるもの、みんな自由に茜空を飛び続ける。
~青空へ翔べ!希望の空へ飛び立とう!私達は誰もが紙飛行機なのだから~
曲が終わりNWG48のメンバーが一列に並び客席へとお辞儀をした。
会場は割れんばかりの大きな拍手で彼女達を讃えた。バルコニーの国王様達も椅子から立ち上がり大きな拍手で彼女達を讃えた。
ステージ上の女の子達はみんなで抱き合い歓喜の涙を流している。
スペシャルライブは大成功で幕を閉じた。
◆
紙飛行機を拾った子供達は早速飛ばして遊んでいた。母親達に促され帰路へとつく。
「お姉ちゃん、バイバ~イ」
門の近くにいた裏メイド隊員に手を振って笑顔で帰って行く子供達。
涙、笑顔、感動。さまざまな思いを胸に街の人達は会場を後にした。
門を閉じ、領主館にはナイトウイングスと関係者だけが残った。
後は文化祭恒例の後夜祭がラストイベントとして企画されていた。
出し物の片付けや掃除をするグループ、後夜祭の準備をするグループ、ガーデニングパーティーを準備するグループに分かれ、各々がてきぱきと行動する。
1時間後には後夜祭が行われ、ガーデニングパーティーの会場で彩月がみんなに感謝の挨拶をした。
「今日は1日お疲れ様でした。無事に茅高祭を終わらせる事が出来て……(涙)、ほ、本当にありがとうございました」
彩月は挨拶途中で泣いてしまったが、クラスの女の子達も思いは同じで涙の雫が零れていた。
「ご協力頂きましたナイトウイングスの先輩方、ナタリアさん始め領主館の皆様方、ありがとうございました」
「「「ありがとうございました」」」
クラスのみんなが裏メイド隊や領主館の人達に頭を下げた。
裏メイド隊の女の子達は既に涙ぐんでいたが、今の感謝の言葉が追い討ちとなり、涙が涙を呼び寄せ、彼方此方で優しい涙の笑顔が見える。
裏メイド隊を代表してキャサリンさんが挨拶をする。
「サツキ様、3組隊の皆様、私達裏メイド隊全員が、こんなに楽しいお祭りを、生まれて初めて経験させて貰いましたした。此方こそお声掛け頂きありがとうございました」
「「「ありがとうございました」」」
パチパチパチ
上座に座っていた国王様が拍手をする。
「今日は誠に素晴らしい祭りを見せて貰った。久しぶりに血が騒いだわい」
「国王様、もう一つイベント有りますよ」
俺が国王様にそう告げていると
「先ずは乾杯しよう!」
如月君が乾杯の音頭を取った。
「俺達の茅高祭の成功とNWG48に乾杯!」
「「「かんぱーい!」」」
各々グラスを持ち乾杯をする。女の子達は涙脆くなっているのか乾杯でも涙を溢していた。
「「「ライト様。ありがとうございました」」」
魔女っ娘3人組のルルシーさん、ソフィアさん、コロナさんがグラスを持って俺に挨拶に来た。彼女達はまだパステルカラーのミニスカート衣装のままだ。
「いやいや、政策の件で来て貰ったのに、お祭りに巻き込んでしまってスミマセン」
「いいのよ、ライト様」
赤ワインを注いだグラスを持ち、頬を少し赤らめたナタリアさんだ。
「私達、めっちゃめっちゃ感動しました」
「あ~あ、学術祭も此れぐらい楽しかったら良かったのにね」
「でも他の娘達にメッチャ自慢出来るわよ。こんなに可愛いお洋服で歌って踊ったんだもん」
コロナさんはフリフリのスカートを摘まんでクルクル回る。
そんな中、オリヴィア様もやって来た。
「なぁなぁライト、もうライブはらやないのか?可愛い服をもっともっと着させておくれよ~」
オリヴィア様は以外と可愛い物好きだ。パステルカラーのミニスカートをくるんくるんとさせる度に、黄金の髪の毛がキラキラ光る。
「ライト様」
あう(涙)。
振り向くと赤とピンクと黒のギンガムチェックのミニスカートを着たお妃様がいたよ?
アルフィーナ王女の衣装を拝借したのだろうか?お妃様には少し小さいようで、ふくよかな胸がはみ出しそうです(汗)。しかもスカート丈も短い上にペチパン履いてないよ?
「は、はい?」
「とても楽しいお祭りでしたね。是非とも王都でもライブをやって頂きたいものです」
まさかお妃様も歌いたいとか?
「イエス、お妃様」
サツキサンやる気なの?
「イエス、マスター。NWG48は目指せ世界一のアイドルユニットです。王都でも帝都でもご希望が有れば歌って踊ります」
アハハ、マドラキア帝国でも歌う予定なんだね(汗)。
後日、NWG48は王都でセカンドライブを行った。動員数は1000人を超え、伝説のアイドルユニットとなる?
◆
キャンプファイヤーに炎が灯る。音楽隊によるダンス曲が流れ、燃え上がる炎を囲んだダンスパーティーへと会は移っていった。
「光斗君、今日はありがとう」
「お疲れ様、彩月」
白と赤のフレアスカートに着替えた彩月と此の世界のダンス曲でダンスを踊る。
男女比率の関係で女の子同士のペアもいるがみんな楽しそうに踊っていた。女の子達は白と赤、白と紫、白と青のフレアスカートに全員が着替えていた。
曲の流れで男女が入れ替わる。
「ライトお兄ちゃん、今日は楽しかったね」
「セシリちゃんも頑張ったね」
「ライト様、皆様とても素晴らしいです」
「ありがとう。アルフィーナ王女」
「ライト~!明日もお祭りをしたいのじゃ!」
「ルミナ様、流石にそれは無理かと~」
メイアさん、アイシャさん、オリヴィア様、アリスさん、代わる代わる女の子とダンスを続け、ダンス曲のラストパートナーは葵さんだった。曲の終わりに合わせて花火が打ち上がる。
「綺麗だね」
俺が花火の感想を口にした。葵さんは花火を見ないで赤い顔で俯いているよ?あれあれ?ピンクのオーラが濃く見えるのは気のせい?
俺はすっかり忘れていた。茅高祭の後夜祭に纏わる伝説を……。
オーラスの花火を一緒に見たカップルは永遠に結ばれる……。
こうして俺達の茅高祭は幕を閉じた。
2階のバルコニーに席を用意し、ロイヤルファミリーは高みの見物となった。
警護として俺とメイアさん、オリバーさん。階下には紫の翼隊が警護をしている。彼女達には時間で交代するよう指示をしている。
「やはりクレープが大人気ね」
お妃様イチオシのクレープ屋には既に長蛇の列が出来ていた。
クレープ屋をこの時間担当しているのは山梨さん、 芳川さん、南秦さん達だ。此処から見ても大分パニックっている。しかし、お客さん達の顔を見ればニコニコご満悦なのが見て取れる。
他のたこ焼き屋や輪投げ等の催し物も人だかりが出来ていて、子供達の笑い声も聞こえてくる。
収穫祭の方もサツキサンの画像で確認する限り大いに盛り上がっているようだ。そんな折りに俺のスマホが鳴った。南秦さんだ?電話を取りつつクレープ屋の方を見ると何か揉めているようだよ?
「もしもし、どうしたの?」
『アイスクリームが完売したんだけど、お客さんがどうしても食べさせて欲しいって』
もう完売したんだ(汗)。今から作る?人手が足りないし……。
!
『南秦さん、少し待ってて』
「サツキサン!如月君と楠木君、藍原君、笠原君を食堂に呼んで。其れと前に来た時の宿屋のおばちゃんをさっき見かけたんだけど、まだ会場にいるかな?」
「イエス、マスター。如月様と楠木様、藍原様、笠原様には緊急メールを送りました。宿屋のおばちゃん様はたこ焼き屋に並んでいます」
俺はメイアさんに宿屋のおばちゃんを食堂迄連れて来て貰うようお願いした。そして如月君に電話をする。
◆
「しばらくしたら宿屋のおばちゃんが行くから、アイスクリーム作成の人手を集めて貰うよう協力を仰いでよ」
『錬成の件とおばちゃんの件、了解した。女の子を何人か呼んでくれないか』
「オッケー」
如月君との電話を切るとサツキサンから女の子に一斉メールで、手の空いている人を食堂に招集をかけた。
「南秦さん、とりま楠木君の錬成アイスクリームで時間を稼ぎつつアイスクリームの追加作成をするから、アイスクリーム希望の列を分けて欲しいんだ」
『はい。分かりました』
楠木君の錬成は確かに便利だが、食材を50%もロスるのは勿体なさすぎる。人手を集めて突貫作業する方向で何とかしよう。幸いに撹拌器具は30個近く有るしね。藍原君と笠原君で冷凍石を必要分用意し、後は人海戦術だ。
宿屋のおばちゃんは超ノリノリとの連絡を如月君から貰った。アイスクリームの製法を教えて貰えるとの事で、沢山の宿屋や食堂の人達が集まる事が出来た。後にアイスクリーム発祥の街と呼ばれる起源がこの時であったとか?
アイスクリーム騒動も一段落し、俺は国王様、お妃様、アルフィーナ王女を交えゆっくりと色々な話しをする事が出来、此れは此れで良い時間を過ごせた。
「マスター。そろそろ私は準備に入る時間です」
「あれ?もうそんな時間?」
腕時計を覗くと3時ちょっと手前だった。
「サツキサン、クラスの女の子にグレートホールに集まるよう緊急メールをお願い」
「イエス、マスター」
◆
会場に沢岸さんの案内放送が入る。
『ご来場の皆様にご連絡致します。当イベントは3時30分を持ちまして終了とさせて頂きます。皆様が全員ご退場の後に、抽選に当選いたしました100名の方は4時頃より再入場となります。ご迷惑をお掛け致しますがご協力の程よろしくお願い致します』
「此の後に何が有るのじゃ?」
国王様は興味津々顔で聞いて来た。
「お、お恥ずかしながらナイトウイングスじょモガモガ」
アルフィーナ王女に口を塞がれたよ?
「お父様、此処から特別ステージをご覧になっていて下さい」
国王様とお妃様、セナス王子は『?』顔でキョトンとしていた。
◆
領主館の中庭に設置された特別ステージ前には抽選で当選した100名の人達が集まっていた。
特別ステージの前列は警備と称してクラスの男子が最前列をキープしている。
4時30分
アップテンポな明るい曲に乗って歌声が聞こえる。高山さんと笠原さんが赤とピンクと黒のギンガムチェックのミニスカートの可愛い衣装で、特別ステージの袖から小刻みなステップを交え登場した。
頭には笠原さんのスキル「空間音量補正」を魔力石に融合させて作ったヘッドセットを付けている。其の歌声は特設ステージ脇のスピーカーと会場に数ヶ所有るスピーカーから聞こえてくる。
流れている音楽は、みんなのスマホにあった曲を厳選し、裏メイド隊が歌いやすいようにサツキサンが編集している。
「「「カナコー!」」」
「「「ショーコー!」」」
最前列の3組男子は既にノリノリだが、100名の街の人達は呆気にとられてポカーンと見ている(汗)。
二人が歌っている歌は日本のアイドルグループが歌っていた明るいJ-ポップだ。
一節歌い終わると両袖から高山さん達と同じ衣装で3人づつ女の子が歌いながら出て来る。右からはアルフィーナ王女、ルミナ様、セシリちゃん。左からは彩月、茜音さん、葵さんだ。
いいのか?王女様にミニスカ履かせて?
一節毎に女の子達は増えていき、全員で47人+1になった。
チーム名はNWG48(ナイトウイングスガールズ48)。因みにサツキサンもメンバーの1人だよ(苦笑い)。
明るく楽しいリズムに合わせて可愛い女の子がミニスカートで歌を歌い、華麗に踊る綺麗なユニゾン。此の世界には無いアイドルダンスに会場の街の人達も少しずつリズムを刻み始めていた。
「皆さーーーん。今日は私達の茅高祭に、そしてNWG48のファーストライブに来てくれてありがとーーーーッ!」
「「「オーーーッ!」」」
チームリーダーの高山さんが両手を振って挨拶をした。最前列の3組男子は悪ノリでかなりテンションが高い。街の人達もチラホラとノリ始めている。
「次の曲は今日の為にAチームのみんなが歌とダンスを必死に沢山練習しました。Aチームの歌と踊りをご覧くださ~い」
さっきの曲よりも更にアップテンポなリズムが流れる。
曲の前奏でステージの前列に赤の翼隊と紫の翼隊の10人が並んだ。
センターにはキャサリンさんとアリスさんだ。普段は男装って感じのアリスさんのミニスカ姿は超激レアだ!
キャサリンさんとアリスさんは両袖に向かって華麗なバク転を始める。其のタイミングで中央から順に他の8人もバク転で後を追う。
そして中央には白と水色のフワフワミニスカート衣装に着替えたアルフィーナ王女がいた。
彼女のソロパートで2曲目は始まった。綺麗な美声に魅了されてしまう。
バックダンスには同じ衣装で3組女子と裏メイド隊合わせて8人が楽しそうに可愛い振り付けのダンスをしている。
右の袖からルミナ様とセシリちゃんが、左からはカーシャさんとアイシャさんが歌いながら歩いて出て来る。
アルフィーナ王女と合流した4人は、笑顔で向き合いながら、息のあったダンスを披露した。
因みにNWG48はAチーム、Bチーム、Cチームに分かれている。アルフィーナ王女達はAチームだ。
3曲目はゆっくりしたイントロが流れBチームのダンサーが出て来た。彼女達は白と紫のフレアスカートの衣装だ。
綺麗な歌声が聞こえて来るがステージに歌い手はいない。スローテンポのラブソング。
そう、遂にやって来たサツキサンの歌のお披露目だ。
声優アイドル畠山さんヴォイスのサツキサン。最前列のオタトリ君達は涙を流しながら聞き入っている。
3節目のコーラスパートではバックダンサーと同じ白と紫のフレアスカート姿で右袖から白山先生、山梨さん、芳川さん、南秦さんが、左袖からは真山さん、八神さん、渡辺さん、木原さんが綺麗なハーモニーを作り歩きながらセンターで合流した。
ゆっくりした曲の可愛い振り付けは大人しめの彼女達には良く似合っていた。綺麗なコーラスは街の人達にも感動を与えていた。泣いている女の子もチラホラ見える。
4曲目はハイテンポのJ-ポップ、THEアイドルってノリの楽しい曲だ。両袖からCチーム全員が駆け足で出て来た。彼女達はパステルカラーで色とりどりなリボンを付けた可愛いミニスカートの衣装だ。
センターには高山さん、笠原さん、岡山さんが軽快にアイドルダンスを披露する。2節には彩月、茜音さん、葵さん。3節にはメイアさん、オリヴィア様、ナタリアさん。4節目にカーシャさん、アイシャさん、キャサリンさんがめっちゃ楽しそうに歌って踊って、飛んで、跳ねて、裏メイド隊も魔女っ娘3人組も歌ってダンスして、最前列の3組男子のみならず、観客の街の人達もテンション上げ上げでノリノリだった。因みにバルコニーの国王様もお妃様もセナス王子もノリノリだ!
「みんなーーーーッ!今日はありがとうーーー!」
「「「オーーーッ!」」」
「次で最後の曲になりまーーーす!」
「「「えーーーッ!」」」
「最後は全員で歌います。曲名は……」
彼女達がラストに選んだ曲は大ヒットした紙飛行機の詩だった。
センターには彩月が立ち歌い始める。
~毎日訪れる朝、毎日が良い日であるとは限らない、辛い日も悲しい日もある~
アルフィーナ王女のAチームが歌う。
~夢、希望、未来に向かって頑張る事が大切だから~
全員が歌う。
~空を飛ぶ白い紙飛行機。私達もきっと飛ぶ事が出来る。心の翼、思いを乗せて羽ばたいた空、どう翔ぶ? 飛び続ける? 何処までも? 初めて見る空、初めて見る国、羽を休めるのも悪くないよね。飛ぶ距離よりも大切な事が其処には有るのだから~
俺は彼女達の詩を、涙を流しながら聞いていた。俺達が此の世界で生きる事、飛ぶ事、其の羽に乗せられた思い。彼女達も噛み締めながら歌っている。俺だけじゃない。彼女達も、クラスの男子も、そして会場の街の人達も、涙で頬を濡らしていた。
曲はクライマックスに差し掛かる。47人の女の子達は、47機+1機の紙飛行機を手に持ち、そして夕焼けの空へ羽ばたかせた。
~私達の思いは空へと羽ばたく。空へ舞え、私達の夢と希望を乗せて風に乗り飛んでいけ!思いを乗せて羽ばたいた空、どう翔ぶか、飛び続けるか、羽を休めるのも悪くないよね。飛ぶ距離よりも大切な人が其処にはいるのだから~
空を飛ぶ色とりどりの48機の紙飛行機。
夢と希望を乗せて飛ぶ紙飛行機。
飛行機を知らない街の人達は、初めて見る紙飛行機に心をときめかせていた。真っ直ぐ飛ぶもの、大きく旋回するもの、空へ舞い上がるもの、みんな自由に茜空を飛び続ける。
~青空へ翔べ!希望の空へ飛び立とう!私達は誰もが紙飛行機なのだから~
曲が終わりNWG48のメンバーが一列に並び客席へとお辞儀をした。
会場は割れんばかりの大きな拍手で彼女達を讃えた。バルコニーの国王様達も椅子から立ち上がり大きな拍手で彼女達を讃えた。
ステージ上の女の子達はみんなで抱き合い歓喜の涙を流している。
スペシャルライブは大成功で幕を閉じた。
◆
紙飛行機を拾った子供達は早速飛ばして遊んでいた。母親達に促され帰路へとつく。
「お姉ちゃん、バイバ~イ」
門の近くにいた裏メイド隊員に手を振って笑顔で帰って行く子供達。
涙、笑顔、感動。さまざまな思いを胸に街の人達は会場を後にした。
門を閉じ、領主館にはナイトウイングスと関係者だけが残った。
後は文化祭恒例の後夜祭がラストイベントとして企画されていた。
出し物の片付けや掃除をするグループ、後夜祭の準備をするグループ、ガーデニングパーティーを準備するグループに分かれ、各々がてきぱきと行動する。
1時間後には後夜祭が行われ、ガーデニングパーティーの会場で彩月がみんなに感謝の挨拶をした。
「今日は1日お疲れ様でした。無事に茅高祭を終わらせる事が出来て……(涙)、ほ、本当にありがとうございました」
彩月は挨拶途中で泣いてしまったが、クラスの女の子達も思いは同じで涙の雫が零れていた。
「ご協力頂きましたナイトウイングスの先輩方、ナタリアさん始め領主館の皆様方、ありがとうございました」
「「「ありがとうございました」」」
クラスのみんなが裏メイド隊や領主館の人達に頭を下げた。
裏メイド隊の女の子達は既に涙ぐんでいたが、今の感謝の言葉が追い討ちとなり、涙が涙を呼び寄せ、彼方此方で優しい涙の笑顔が見える。
裏メイド隊を代表してキャサリンさんが挨拶をする。
「サツキ様、3組隊の皆様、私達裏メイド隊全員が、こんなに楽しいお祭りを、生まれて初めて経験させて貰いましたした。此方こそお声掛け頂きありがとうございました」
「「「ありがとうございました」」」
パチパチパチ
上座に座っていた国王様が拍手をする。
「今日は誠に素晴らしい祭りを見せて貰った。久しぶりに血が騒いだわい」
「国王様、もう一つイベント有りますよ」
俺が国王様にそう告げていると
「先ずは乾杯しよう!」
如月君が乾杯の音頭を取った。
「俺達の茅高祭の成功とNWG48に乾杯!」
「「「かんぱーい!」」」
各々グラスを持ち乾杯をする。女の子達は涙脆くなっているのか乾杯でも涙を溢していた。
「「「ライト様。ありがとうございました」」」
魔女っ娘3人組のルルシーさん、ソフィアさん、コロナさんがグラスを持って俺に挨拶に来た。彼女達はまだパステルカラーのミニスカート衣装のままだ。
「いやいや、政策の件で来て貰ったのに、お祭りに巻き込んでしまってスミマセン」
「いいのよ、ライト様」
赤ワインを注いだグラスを持ち、頬を少し赤らめたナタリアさんだ。
「私達、めっちゃめっちゃ感動しました」
「あ~あ、学術祭も此れぐらい楽しかったら良かったのにね」
「でも他の娘達にメッチャ自慢出来るわよ。こんなに可愛いお洋服で歌って踊ったんだもん」
コロナさんはフリフリのスカートを摘まんでクルクル回る。
そんな中、オリヴィア様もやって来た。
「なぁなぁライト、もうライブはらやないのか?可愛い服をもっともっと着させておくれよ~」
オリヴィア様は以外と可愛い物好きだ。パステルカラーのミニスカートをくるんくるんとさせる度に、黄金の髪の毛がキラキラ光る。
「ライト様」
あう(涙)。
振り向くと赤とピンクと黒のギンガムチェックのミニスカートを着たお妃様がいたよ?
アルフィーナ王女の衣装を拝借したのだろうか?お妃様には少し小さいようで、ふくよかな胸がはみ出しそうです(汗)。しかもスカート丈も短い上にペチパン履いてないよ?
「は、はい?」
「とても楽しいお祭りでしたね。是非とも王都でもライブをやって頂きたいものです」
まさかお妃様も歌いたいとか?
「イエス、お妃様」
サツキサンやる気なの?
「イエス、マスター。NWG48は目指せ世界一のアイドルユニットです。王都でも帝都でもご希望が有れば歌って踊ります」
アハハ、マドラキア帝国でも歌う予定なんだね(汗)。
後日、NWG48は王都でセカンドライブを行った。動員数は1000人を超え、伝説のアイドルユニットとなる?
◆
キャンプファイヤーに炎が灯る。音楽隊によるダンス曲が流れ、燃え上がる炎を囲んだダンスパーティーへと会は移っていった。
「光斗君、今日はありがとう」
「お疲れ様、彩月」
白と赤のフレアスカートに着替えた彩月と此の世界のダンス曲でダンスを踊る。
男女比率の関係で女の子同士のペアもいるがみんな楽しそうに踊っていた。女の子達は白と赤、白と紫、白と青のフレアスカートに全員が着替えていた。
曲の流れで男女が入れ替わる。
「ライトお兄ちゃん、今日は楽しかったね」
「セシリちゃんも頑張ったね」
「ライト様、皆様とても素晴らしいです」
「ありがとう。アルフィーナ王女」
「ライト~!明日もお祭りをしたいのじゃ!」
「ルミナ様、流石にそれは無理かと~」
メイアさん、アイシャさん、オリヴィア様、アリスさん、代わる代わる女の子とダンスを続け、ダンス曲のラストパートナーは葵さんだった。曲の終わりに合わせて花火が打ち上がる。
「綺麗だね」
俺が花火の感想を口にした。葵さんは花火を見ないで赤い顔で俯いているよ?あれあれ?ピンクのオーラが濃く見えるのは気のせい?
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