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第四章(最終章)
第63話 Re:ゼロと無し
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寝た!爆睡だ!超爆睡だ!無駄に広い寝室のベッドで目覚めると明るい光が部屋に差し込んでいる。
「サツキサン。おはよう。今、何時?」
「イエス、マスター。おはようございます。今は10時23分です」
「うわっ、そんな時間!」
「本日は昼食後に報告会の予定です」
「そうだったね」
昨日はお風呂の廊下でのドタバタ劇の後に部屋で横になっていると新藤君がサツキサンを返しにやって来た。その際に報告会の連絡があった。
「朝方にアルフィーナ王女が来ました。昼食をご一緒にとの言伝てを承りました」
「了解~」
昼食にはアルフィーナ王女、彩月、ルミナ様、セシリちゃんがテーブルに座り、メイアさんは扉脇で控えていた。
「昨晩はゴメンね。寝落ちしてました~」
「いえ、お疲れのようでしたのでお気になさらず」
「ウオ~!旨そう!固形物だ!」
「お兄ちゃん……固形物って……」
「ほら、宇宙ではゼリーしか食べてなかったから」
「へへへ~。お陰でウエストが2cm縮みました~」
彩月さんはダイエット出来たみたいで嬉しそうだ……よ?
「ホントですか!私もゼリー食にしようかしら」
コレが切っ掛けになり女子達の間でゼリー食が流行り出した……みたいな?
久しぶりにみんなで食べる食事はとても美味しかった。食事は何を食べるかではなく、誰と食べるかって言う話は本当だった。
「しかし昨日の女子達の♥モードは何だったの?」
「サツキがお風呂でライトの話しをしたからじゃ」
「サツキお姉ちゃんとライトお兄ちゃんの恋話ステキです~♥」
「あ~、私も宇宙の果てで愛を叫んで欲しいですわ~♥」
「いやいや、みんなのメールは俺に力を沢山くれたよ。本当に嬉しかったんだ。其れと在れとは話し違うんじゃ?」
「他の女性方もライト様の素晴らしい所に気がついてしまったようですわ」
「まあ、ライトだから仕方ない事じゃが」
「ライトお兄ちゃん、カッコいいもんね~」
「「「「ね~~~」」」」
「あ、アハハ……(汗)。後~、俺が彩月の初恋の人って、そんな廊下でごっつんトキメキフラグみたいなイベント無かったよね?」
「もっと昔の話しだよ~」
「はっ?」
「私の事、覚えてない?」
「はい?いつ?どこで?高校で初対面だよ……ね……?」
「「「………」」」
3人の視線がジト目で刺さるよ?
「やっぱり私の事、覚えて無かったんだ……」
全く分からないよ~(汗)。いつ?どこ?
「可哀想なサツキ様……」
「私の時と同じなんじゃがな~」
「でも、ほら、ライトお兄ちゃんだから~」
「そうよね~。光斗君だからね~。はぁ~」
彩月が溜息をつく。
え~~~、全然分かりませ~ん(汗)
「ライト様。そろそろお時間です」
後ろに控えていたメイアさんが新藤君との報告会の時間が近い事を教えてくれる。
「あっ、ホントだ。行こう、光斗君」
彩月にも促された。うわ~、結局彩月の初恋イベは分からないままだ~(汗)。ホント何時なの?
◆
報告会は大広間で行われた。新藤君、如月君、俺、彩月、岡本さんの5人が会場の前のテーブル、国王様、アルフィーナ王女、宰相、大将軍は前右のテーブル、ナイトウイングス全員と関係貴族は会場に椅子を並べ座る配置だ。メイアさんは定位置の扉脇で控えている。
「では、早速だが始めるとしよう」
新藤君がUNの解析と状況報告を開始する。
「まず今までUNと称していたが、此れからは本星を特異中性子星、雲を特異暗黒粒子雲、其の個体を特異暗黒粒子と呼ぶ事にした。
そして全体像を暗黒台風D号とする。
まず光斗達の調査で分かった全体像を見てもらおう。高山さん頼む」
全体像を描いてある紙を高山さんの『複写』を使って白い壁に大きく複写した。
その真っ黒い暗黒台風D号は中央は丸く、その周りに台風のような渦巻き状の雲がある。雲の渦は幾つかの雲の帯に分かれ、反時計回りに流れている。
「現在での地球と暗黒台風D号との距離は約2億キロ離れている。進行速度は時速約100万キロ。1日辺り約2400万キロで近付いている。
中央の大きさは約1400万キロ。この中心に特異中性子星が有る。
特異中性子星の大きさ直径7キロ、重力は地球の10倍程度、自転周期は約2秒、大気層は約1cm。
中性子星に非常によく似ているが、一般的な中性子星と比べれば其の重力は0が幾つも足りないのは不幸中の幸いだ。
もし真の中性子星だったら太陽系外周に来た時点で超重力により太陽系が崩壊する程に危険な星だからな。
また外周にある渦の雲の帯は最大1億3000万キロ。短い所で3000万キロ位だ。
本星の破壊は目星がついている。大筋の作戦はサツキサンの案で既に世界各国に協力を仰いでいる。
しかし厄介なのが取り巻きの特異暗黒雲だ。
光斗達が持ち帰って来てくれた特異暗黒粒子を観察、調査したが破壊は不可能だ。こいつは物理的にも魔法的にも一切のエネルギーを弾いてしまう。
光斗のアブソルートビジョンが唯一貫通出来る事からこいつの応用を考えて行くしかないだろう」
「アブソルートビジョン+誘惑とか?」
「其れが難しいんだ」
俺の意見に新藤君が答える。
「まずみんなに特異暗黒粒子の説明をしよう。
そもそも暗黒粒子とは質量を持つ見えない物質と呼ばれ、俺達の世界では未知の物質とされている。ヒッグス素粒子等の話は有るが克明する。
この暗黒粒子と反対の属性を持つ特異暗黒粒子が本星である特異中性子星の内部で生成され星外へと放出されている。
高山さん、此れを」
高山さんが暗黒中性子星が描かれた2枚の絵を壁に映す。
1枚は断面図で内部の様子が描かれている。中心にコア。包む様に地殻が有るが上と下は黒く塗り潰されている。
「この黒く塗り潰した場所に特異暗黒粒子が貯まっている。特異中性子星の内部では、予測だが何らかの影響、特異なダークエネルギーにより自らの地殻が崩壊し転換され質量を持たない見える物質=特異暗黒粒子に変化していると思われる」
新藤君はテーブルの上のビンを取り掲げる。
「この黒く見えてるのが特異暗黒粒子だ。
内核と外核を持つ球体で、大きさは約1cm~3cm。黒く見えているのが外核にある電子雲、内核は無だ。
電子雲は内核の無の影響があり、克つ反発の属性を持っている。此れにより一切の外的要素と交わる事がない。
此処で気を付けないといけない点はコイツは『無』であり『ゼロ』ではないという事だ」
「ハーイ。新藤先生、この前から無とゼロの違いが全く分からないんですけど~」
俺は手を上げて質問した。
「光斗以外に分からないって人はいるか~」
如月君以外は全員が手を上げた。白山先生が手を上げているのを見て新藤君は溜息をついた。
「新藤~、そもそも無が見えるってのもおかしくないか?」
相沢君が質問する。
「小学生でも見えるんだがな~(苦笑)」
新藤君は用意されているボードに5÷0を書いた。白山先生が「あっ」と声をあげる。
「コレが無だ。相沢、此れの答えはゼロか?」
「えっ!何だっけ?」
「おバカ!解無しでしょ!」
相沢君に突っ込む高山さん。
新藤君はボードに5÷0≠0と書いた。
「ゼロ徐算と同じだ。式は存在し見る事が出来るが答えは『無』だ。そして『ゼロ』ではない。みんな分かったか」
クラス全員と宰相様は「ハーイ」と返事をした。国王様達は『?』の顔になっている。
「此れが厄介な原因は5÷0×3とか何かをしようとしても解無しになってしまうって事だ」
新藤君はボードに5÷0×3≠0と書いた。
俺も何故に厄介なのか漸く理解出来てきた。
「そこで俺達は5÷0×3α=0となるαの要素を考えないといけない」
「そりゃ無理だろう」
中川君が速攻諦める。
「無理でも考えないといけない。1つの要素はさっきも言った光斗のアブソルートビジョンだ。解にはならないが貫通は出来る。つまり内核に道を作れる」
「何故アブソルートビジョンは貫通出来るの?」
茜音さんが質問する。
「アブソルート=『絶対』だからだろ?俺にも分からん(苦笑)」
「愛の力です」
サツキサンが答えると場内が笑いの渦とかした。俺と彩月は顔を赤らめ俯いてモジモジ状態だ……。
「ゴホン」
新藤君は咳払いをし話しを続ける。
「話しを戻すが、ライトの言った『アブソルートビジョン+誘惑』だが、誘惑も相手がいないといけない。テレポートもだ。だが相手は無だ」
シーンと会場は静かになった。
「僕達が対策出来ない場合はどうなるんですか?」
楠木君が質問する。
「特異暗黒粒子は『無』で有ることから無害な側面もある。
幾つか実験して分かった事は外核の反発力だ。
硬いものには弾かれる。金属や皮膚とかは粒子の方が弾かれて行く。
しかし光等のエネルギーや空気は特異暗黒粒子の方が強い。
よって太陽の光が遮られ世界は暗闇に閉ざされる。
数日で有れば地熱もあるので問題無いだろう。空気は空気の方が弾かれてしまう。
逆を言えば大気圏を越えて侵入してくるが、体内に取り込まれる心配は無いという事にはなるが……」
ほっとした顔をした人が何人もいる。
「特異暗黒粒子雲の薄い雲なら大丈夫だろう。
しかし本体の雲が接近して来たら違う問題が多岐にわたり発生する。
1つは濃度が濃くなると酸欠の問題が発生する。コイツらはパラドックスだが容積を持っている。
つまり空気中に余分なモノ=特異暗黒粒子が混ざる為に呼吸に必要な酸素量が減って行くんだ」
「でも家の中で其れが入り込まないようにすれば大丈夫じゃない?」
高山さんが質問する。
「人間ならね。動物はどうする?」
「そっか、そうだよね。私達が守るのは地球だもんね」
高山さんは微笑みながら了解した。
「此れに関連して大気中に余分な容積が増える事により、空気の逃げる影響でも嵐が…………」
新藤君の説明が続く。さっきから何かが引っ掛かっている。新藤君の太陽の光が届かなくなり辺りの件りだ。
地球は大丈夫かもしれない。
しかし人の心はどうだ?人の心は強くない。太陽が無い世界で心は折れないのか?子供は?老人は?病人だっている。
世界中の全員なんて無理だ。世界を覆う漆黒の闇の中で人々は心の灯りまでもが消えてしまう……。
心の灯火……。
ふとアルフィーナ王女と目が合う。
…………『灯火』。彼女の『灯火』が有ればこの国は大丈夫かもしれない。この国だけは……。
でも世界は救えない。彼女のどんな闇の中でも照らす『灯火』が世界を照らせたら……。
!?
また何かが引っ掛かかる。彼女の『灯火』は特異暗黒粒子の闇の中でどうやって光を灯すんだ?
アルフィーナ王女をじっと見つめ俺は考えていた。アルフィーナ王女も此方に気付きニコッと笑ってくれる。
しかし俺は笑う事も出来ずにじっと見つめていた。
特異暗黒粒子が逃げるのか?
でも光の方が弱いから特異暗黒粒子は逃げない?
逃げれない?
でもアルフィーナ王女の『灯火』は絶対に明るくする………『絶対』!
ガタン!
俺はテーブルをバタンと両手で叩き立ち上がった。立ち上がった時に倒れた椅子の音も重なりみんなが俺に注目する。
「新藤君!今すぐに試したい事が有るんだ!」
新藤君もビックリした目で俺を見ている。
「アルフィーナ王女!前に出て来てくれ!」
慌ててアルフィーナ王女が俺の隣にやって来る。
「い、如何致しました?」
「此方で『灯火』を使って欲しいんだ」
アルフィーナ王女は首を傾げながらも手のひらを上にし両手を添え、手のひらに小さな『灯火』の光が灯る。
俺は其の光にそっと特異暗黒粒子の入ったビンを近付けた。
サラサラサラ………………
『灯火』の光に照らされた特異暗黒粒子は霧散して消えて無くなった。ビンの中には其れこそ何も無い空のビンとなった。
俺はアルフィーナ王女を抱き上げた!
「凄い!凄いよアルフィーナ!君が世界を救うんだ!君の『灯火』は世界を照らす希望の光だ!アハハハ」
アルフィーナ王女は訳が分からないって感じで目を白黒させている。
アルフィーナ王女を下ろし新藤君を見た。
「す、凄い……。此れが王女の『灯火』か…」
「ああ、此れがアルフィーナ王女の『灯火』だ!どんな暗闇の中でも光を灯す『灯火』だ!」
「見えたな。希望の光が見えたな!」
俺と新藤君がハイタッチをする。
如月君が大きな声で言った。
「みんなー!アルフィーナ王女の『灯火』の光が、特異暗黒粒子を見事に消し去った!
王女の『灯火』はどんな暗闇の中でも光を灯す!
太陽の光さえも消す事が出来ない暗黒を、俺達の心に広がり始めた暗黒を、王女の『灯火』の光が照らしてくれる!
俺達の希望の光だー!」
「凄え~!」「アルフィーナ王女様ステキ~!」「灯火サイコー!」「希望の光だ~!」「ヨッシャー!」「アルフィーナ王女様~!」
会場はアルフィーナ王女への喝采と賛辞が響き渡る。
アルフィーナ王女は俺の隣で口元に両手をあて大粒の涙を流していた。
国王様も、お妃様も、大将軍も、宰相様も、メイアさんも泣いていた。
昔、その女の子の心には、小さく、力弱い灯火が光っていた。しかしその光は誰からも謗られ、罵しられ、そして女の子の心の深淵の奥に落ちて行った。
その光を見るものは誰もいなかった。父も母も自分でさえも……。
しかし、今はみんなが見ている。みんなが褒め称えてくれている。世界に必要な光だと……。
「ありがとう。アルフィーナ王女」
止めどなく溢れる涙を流すアルフィーナ王女を、俺は強く抱き締めた。
報告会はその後本体である特異中性子星破壊作戦の状況報告会へと移っていった。
俺はというと泣き崩れてしまったアルフィーナ王女を抱き上げて会議室を後にした。アルフィーナ王女は会議に参加出来る状態ではなかったからだ。
そんな彼女を見て感動したのかクラスの女の子達も泣いていた。会議室を出る時に彩月とメイアさんも一緒に来てくれた。
彼方の作戦の現時点での主役は国王様達だ。俺がいなくても大丈夫だろう。
◆
アルフィーナ王女の私室で俺と彩月はメイアさんが淹れてくれた紅茶を飲んでいた。あの後にアルフィーナ王女をベッドに運び、暫く付き添っていたが気が抜けたのか眠りについたので寝室を出て来たのだ。
「良かったね。アルフィーナ王女様はスキルの事でずっとお悩みだったから」
「ああ、小さい頃からのトラウマだから中々に氷は溶けないと思っていたけど、良い方向に行くといいな。でも……」
「でも?」
「アルフィーナ王女はシンクロハーモライズが使えない。つまり俺達とは同調が出来ないんだ」
「あっ」
「………」
「マスター」
「なんだい?サツキサン」
「其の件に関しては提案が有ります」
「解決策が?」
「イエス、マスター。マスターとアルフィーナ王女様の愛の力次第ですが」
「俺達の?」
「イエス、マスター。シンクロハーモライズは度重なる使用でデータ解析が終了しました。従いましてアプリ化が可能となっています。しかしアルフィーナ王女にはナビゲーターが必要です」
「ナビゲーターは俺って事か」
「イエス、マスター。幸いにしてマスターの魔法属性は光です」
「おお、すっかり忘れてた。そんな設定あったね。結局、魔法はほとんど覚えて無いんだけど」
「イエス、マスター。マスターは冒険者Gクラスの魔法使いです」
「たはは。まだ伝説のGクラスなんだよな~(苦笑)」
「ふふ、思い出した。此方の世界に来た時に光斗君が初めて私の携帯に電話してきた時の事。あれから1クラスも上がって無いんだ(笑)」
「色々有りすぎてギルドに行けなかったからな~。ところでサツキサン。俺の光魔法属性をどうするの?」
「イエス、マスター。マスターの光属性魔力にアルフィーナ王女様がシンクロする事により、其の回路を通じてアプリへのアクセス権限を付与します。
私にアクセス出来ればシンクロハーモライズアプリを使用しマスター達のスキルとの同調が可能となります」
「成る程。まずは魔法で同調して、次にスキルの同調へと至るってわけだ」
「イエス、マスター。マスター達クラスメイト様はデフォルトで備わっていますが、通常はかなり困難なスキルです」
「だから愛の力で乗り切るんだね」
「イエス、マスター」
「私にも手伝える事があったら言ってね」
「それからマスター。新藤様にお願いが有るのですが……ゴニョゴニョ」
サツキサン…………凄すぎです。
「サツキサン。おはよう。今、何時?」
「イエス、マスター。おはようございます。今は10時23分です」
「うわっ、そんな時間!」
「本日は昼食後に報告会の予定です」
「そうだったね」
昨日はお風呂の廊下でのドタバタ劇の後に部屋で横になっていると新藤君がサツキサンを返しにやって来た。その際に報告会の連絡があった。
「朝方にアルフィーナ王女が来ました。昼食をご一緒にとの言伝てを承りました」
「了解~」
昼食にはアルフィーナ王女、彩月、ルミナ様、セシリちゃんがテーブルに座り、メイアさんは扉脇で控えていた。
「昨晩はゴメンね。寝落ちしてました~」
「いえ、お疲れのようでしたのでお気になさらず」
「ウオ~!旨そう!固形物だ!」
「お兄ちゃん……固形物って……」
「ほら、宇宙ではゼリーしか食べてなかったから」
「へへへ~。お陰でウエストが2cm縮みました~」
彩月さんはダイエット出来たみたいで嬉しそうだ……よ?
「ホントですか!私もゼリー食にしようかしら」
コレが切っ掛けになり女子達の間でゼリー食が流行り出した……みたいな?
久しぶりにみんなで食べる食事はとても美味しかった。食事は何を食べるかではなく、誰と食べるかって言う話は本当だった。
「しかし昨日の女子達の♥モードは何だったの?」
「サツキがお風呂でライトの話しをしたからじゃ」
「サツキお姉ちゃんとライトお兄ちゃんの恋話ステキです~♥」
「あ~、私も宇宙の果てで愛を叫んで欲しいですわ~♥」
「いやいや、みんなのメールは俺に力を沢山くれたよ。本当に嬉しかったんだ。其れと在れとは話し違うんじゃ?」
「他の女性方もライト様の素晴らしい所に気がついてしまったようですわ」
「まあ、ライトだから仕方ない事じゃが」
「ライトお兄ちゃん、カッコいいもんね~」
「「「「ね~~~」」」」
「あ、アハハ……(汗)。後~、俺が彩月の初恋の人って、そんな廊下でごっつんトキメキフラグみたいなイベント無かったよね?」
「もっと昔の話しだよ~」
「はっ?」
「私の事、覚えてない?」
「はい?いつ?どこで?高校で初対面だよ……ね……?」
「「「………」」」
3人の視線がジト目で刺さるよ?
「やっぱり私の事、覚えて無かったんだ……」
全く分からないよ~(汗)。いつ?どこ?
「可哀想なサツキ様……」
「私の時と同じなんじゃがな~」
「でも、ほら、ライトお兄ちゃんだから~」
「そうよね~。光斗君だからね~。はぁ~」
彩月が溜息をつく。
え~~~、全然分かりませ~ん(汗)
「ライト様。そろそろお時間です」
後ろに控えていたメイアさんが新藤君との報告会の時間が近い事を教えてくれる。
「あっ、ホントだ。行こう、光斗君」
彩月にも促された。うわ~、結局彩月の初恋イベは分からないままだ~(汗)。ホント何時なの?
◆
報告会は大広間で行われた。新藤君、如月君、俺、彩月、岡本さんの5人が会場の前のテーブル、国王様、アルフィーナ王女、宰相、大将軍は前右のテーブル、ナイトウイングス全員と関係貴族は会場に椅子を並べ座る配置だ。メイアさんは定位置の扉脇で控えている。
「では、早速だが始めるとしよう」
新藤君がUNの解析と状況報告を開始する。
「まず今までUNと称していたが、此れからは本星を特異中性子星、雲を特異暗黒粒子雲、其の個体を特異暗黒粒子と呼ぶ事にした。
そして全体像を暗黒台風D号とする。
まず光斗達の調査で分かった全体像を見てもらおう。高山さん頼む」
全体像を描いてある紙を高山さんの『複写』を使って白い壁に大きく複写した。
その真っ黒い暗黒台風D号は中央は丸く、その周りに台風のような渦巻き状の雲がある。雲の渦は幾つかの雲の帯に分かれ、反時計回りに流れている。
「現在での地球と暗黒台風D号との距離は約2億キロ離れている。進行速度は時速約100万キロ。1日辺り約2400万キロで近付いている。
中央の大きさは約1400万キロ。この中心に特異中性子星が有る。
特異中性子星の大きさ直径7キロ、重力は地球の10倍程度、自転周期は約2秒、大気層は約1cm。
中性子星に非常によく似ているが、一般的な中性子星と比べれば其の重力は0が幾つも足りないのは不幸中の幸いだ。
もし真の中性子星だったら太陽系外周に来た時点で超重力により太陽系が崩壊する程に危険な星だからな。
また外周にある渦の雲の帯は最大1億3000万キロ。短い所で3000万キロ位だ。
本星の破壊は目星がついている。大筋の作戦はサツキサンの案で既に世界各国に協力を仰いでいる。
しかし厄介なのが取り巻きの特異暗黒雲だ。
光斗達が持ち帰って来てくれた特異暗黒粒子を観察、調査したが破壊は不可能だ。こいつは物理的にも魔法的にも一切のエネルギーを弾いてしまう。
光斗のアブソルートビジョンが唯一貫通出来る事からこいつの応用を考えて行くしかないだろう」
「アブソルートビジョン+誘惑とか?」
「其れが難しいんだ」
俺の意見に新藤君が答える。
「まずみんなに特異暗黒粒子の説明をしよう。
そもそも暗黒粒子とは質量を持つ見えない物質と呼ばれ、俺達の世界では未知の物質とされている。ヒッグス素粒子等の話は有るが克明する。
この暗黒粒子と反対の属性を持つ特異暗黒粒子が本星である特異中性子星の内部で生成され星外へと放出されている。
高山さん、此れを」
高山さんが暗黒中性子星が描かれた2枚の絵を壁に映す。
1枚は断面図で内部の様子が描かれている。中心にコア。包む様に地殻が有るが上と下は黒く塗り潰されている。
「この黒く塗り潰した場所に特異暗黒粒子が貯まっている。特異中性子星の内部では、予測だが何らかの影響、特異なダークエネルギーにより自らの地殻が崩壊し転換され質量を持たない見える物質=特異暗黒粒子に変化していると思われる」
新藤君はテーブルの上のビンを取り掲げる。
「この黒く見えてるのが特異暗黒粒子だ。
内核と外核を持つ球体で、大きさは約1cm~3cm。黒く見えているのが外核にある電子雲、内核は無だ。
電子雲は内核の無の影響があり、克つ反発の属性を持っている。此れにより一切の外的要素と交わる事がない。
此処で気を付けないといけない点はコイツは『無』であり『ゼロ』ではないという事だ」
「ハーイ。新藤先生、この前から無とゼロの違いが全く分からないんですけど~」
俺は手を上げて質問した。
「光斗以外に分からないって人はいるか~」
如月君以外は全員が手を上げた。白山先生が手を上げているのを見て新藤君は溜息をついた。
「新藤~、そもそも無が見えるってのもおかしくないか?」
相沢君が質問する。
「小学生でも見えるんだがな~(苦笑)」
新藤君は用意されているボードに5÷0を書いた。白山先生が「あっ」と声をあげる。
「コレが無だ。相沢、此れの答えはゼロか?」
「えっ!何だっけ?」
「おバカ!解無しでしょ!」
相沢君に突っ込む高山さん。
新藤君はボードに5÷0≠0と書いた。
「ゼロ徐算と同じだ。式は存在し見る事が出来るが答えは『無』だ。そして『ゼロ』ではない。みんな分かったか」
クラス全員と宰相様は「ハーイ」と返事をした。国王様達は『?』の顔になっている。
「此れが厄介な原因は5÷0×3とか何かをしようとしても解無しになってしまうって事だ」
新藤君はボードに5÷0×3≠0と書いた。
俺も何故に厄介なのか漸く理解出来てきた。
「そこで俺達は5÷0×3α=0となるαの要素を考えないといけない」
「そりゃ無理だろう」
中川君が速攻諦める。
「無理でも考えないといけない。1つの要素はさっきも言った光斗のアブソルートビジョンだ。解にはならないが貫通は出来る。つまり内核に道を作れる」
「何故アブソルートビジョンは貫通出来るの?」
茜音さんが質問する。
「アブソルート=『絶対』だからだろ?俺にも分からん(苦笑)」
「愛の力です」
サツキサンが答えると場内が笑いの渦とかした。俺と彩月は顔を赤らめ俯いてモジモジ状態だ……。
「ゴホン」
新藤君は咳払いをし話しを続ける。
「話しを戻すが、ライトの言った『アブソルートビジョン+誘惑』だが、誘惑も相手がいないといけない。テレポートもだ。だが相手は無だ」
シーンと会場は静かになった。
「僕達が対策出来ない場合はどうなるんですか?」
楠木君が質問する。
「特異暗黒粒子は『無』で有ることから無害な側面もある。
幾つか実験して分かった事は外核の反発力だ。
硬いものには弾かれる。金属や皮膚とかは粒子の方が弾かれて行く。
しかし光等のエネルギーや空気は特異暗黒粒子の方が強い。
よって太陽の光が遮られ世界は暗闇に閉ざされる。
数日で有れば地熱もあるので問題無いだろう。空気は空気の方が弾かれてしまう。
逆を言えば大気圏を越えて侵入してくるが、体内に取り込まれる心配は無いという事にはなるが……」
ほっとした顔をした人が何人もいる。
「特異暗黒粒子雲の薄い雲なら大丈夫だろう。
しかし本体の雲が接近して来たら違う問題が多岐にわたり発生する。
1つは濃度が濃くなると酸欠の問題が発生する。コイツらはパラドックスだが容積を持っている。
つまり空気中に余分なモノ=特異暗黒粒子が混ざる為に呼吸に必要な酸素量が減って行くんだ」
「でも家の中で其れが入り込まないようにすれば大丈夫じゃない?」
高山さんが質問する。
「人間ならね。動物はどうする?」
「そっか、そうだよね。私達が守るのは地球だもんね」
高山さんは微笑みながら了解した。
「此れに関連して大気中に余分な容積が増える事により、空気の逃げる影響でも嵐が…………」
新藤君の説明が続く。さっきから何かが引っ掛かっている。新藤君の太陽の光が届かなくなり辺りの件りだ。
地球は大丈夫かもしれない。
しかし人の心はどうだ?人の心は強くない。太陽が無い世界で心は折れないのか?子供は?老人は?病人だっている。
世界中の全員なんて無理だ。世界を覆う漆黒の闇の中で人々は心の灯りまでもが消えてしまう……。
心の灯火……。
ふとアルフィーナ王女と目が合う。
…………『灯火』。彼女の『灯火』が有ればこの国は大丈夫かもしれない。この国だけは……。
でも世界は救えない。彼女のどんな闇の中でも照らす『灯火』が世界を照らせたら……。
!?
また何かが引っ掛かかる。彼女の『灯火』は特異暗黒粒子の闇の中でどうやって光を灯すんだ?
アルフィーナ王女をじっと見つめ俺は考えていた。アルフィーナ王女も此方に気付きニコッと笑ってくれる。
しかし俺は笑う事も出来ずにじっと見つめていた。
特異暗黒粒子が逃げるのか?
でも光の方が弱いから特異暗黒粒子は逃げない?
逃げれない?
でもアルフィーナ王女の『灯火』は絶対に明るくする………『絶対』!
ガタン!
俺はテーブルをバタンと両手で叩き立ち上がった。立ち上がった時に倒れた椅子の音も重なりみんなが俺に注目する。
「新藤君!今すぐに試したい事が有るんだ!」
新藤君もビックリした目で俺を見ている。
「アルフィーナ王女!前に出て来てくれ!」
慌ててアルフィーナ王女が俺の隣にやって来る。
「い、如何致しました?」
「此方で『灯火』を使って欲しいんだ」
アルフィーナ王女は首を傾げながらも手のひらを上にし両手を添え、手のひらに小さな『灯火』の光が灯る。
俺は其の光にそっと特異暗黒粒子の入ったビンを近付けた。
サラサラサラ………………
『灯火』の光に照らされた特異暗黒粒子は霧散して消えて無くなった。ビンの中には其れこそ何も無い空のビンとなった。
俺はアルフィーナ王女を抱き上げた!
「凄い!凄いよアルフィーナ!君が世界を救うんだ!君の『灯火』は世界を照らす希望の光だ!アハハハ」
アルフィーナ王女は訳が分からないって感じで目を白黒させている。
アルフィーナ王女を下ろし新藤君を見た。
「す、凄い……。此れが王女の『灯火』か…」
「ああ、此れがアルフィーナ王女の『灯火』だ!どんな暗闇の中でも光を灯す『灯火』だ!」
「見えたな。希望の光が見えたな!」
俺と新藤君がハイタッチをする。
如月君が大きな声で言った。
「みんなー!アルフィーナ王女の『灯火』の光が、特異暗黒粒子を見事に消し去った!
王女の『灯火』はどんな暗闇の中でも光を灯す!
太陽の光さえも消す事が出来ない暗黒を、俺達の心に広がり始めた暗黒を、王女の『灯火』の光が照らしてくれる!
俺達の希望の光だー!」
「凄え~!」「アルフィーナ王女様ステキ~!」「灯火サイコー!」「希望の光だ~!」「ヨッシャー!」「アルフィーナ王女様~!」
会場はアルフィーナ王女への喝采と賛辞が響き渡る。
アルフィーナ王女は俺の隣で口元に両手をあて大粒の涙を流していた。
国王様も、お妃様も、大将軍も、宰相様も、メイアさんも泣いていた。
昔、その女の子の心には、小さく、力弱い灯火が光っていた。しかしその光は誰からも謗られ、罵しられ、そして女の子の心の深淵の奥に落ちて行った。
その光を見るものは誰もいなかった。父も母も自分でさえも……。
しかし、今はみんなが見ている。みんなが褒め称えてくれている。世界に必要な光だと……。
「ありがとう。アルフィーナ王女」
止めどなく溢れる涙を流すアルフィーナ王女を、俺は強く抱き締めた。
報告会はその後本体である特異中性子星破壊作戦の状況報告会へと移っていった。
俺はというと泣き崩れてしまったアルフィーナ王女を抱き上げて会議室を後にした。アルフィーナ王女は会議に参加出来る状態ではなかったからだ。
そんな彼女を見て感動したのかクラスの女の子達も泣いていた。会議室を出る時に彩月とメイアさんも一緒に来てくれた。
彼方の作戦の現時点での主役は国王様達だ。俺がいなくても大丈夫だろう。
◆
アルフィーナ王女の私室で俺と彩月はメイアさんが淹れてくれた紅茶を飲んでいた。あの後にアルフィーナ王女をベッドに運び、暫く付き添っていたが気が抜けたのか眠りについたので寝室を出て来たのだ。
「良かったね。アルフィーナ王女様はスキルの事でずっとお悩みだったから」
「ああ、小さい頃からのトラウマだから中々に氷は溶けないと思っていたけど、良い方向に行くといいな。でも……」
「でも?」
「アルフィーナ王女はシンクロハーモライズが使えない。つまり俺達とは同調が出来ないんだ」
「あっ」
「………」
「マスター」
「なんだい?サツキサン」
「其の件に関しては提案が有ります」
「解決策が?」
「イエス、マスター。マスターとアルフィーナ王女様の愛の力次第ですが」
「俺達の?」
「イエス、マスター。シンクロハーモライズは度重なる使用でデータ解析が終了しました。従いましてアプリ化が可能となっています。しかしアルフィーナ王女にはナビゲーターが必要です」
「ナビゲーターは俺って事か」
「イエス、マスター。幸いにしてマスターの魔法属性は光です」
「おお、すっかり忘れてた。そんな設定あったね。結局、魔法はほとんど覚えて無いんだけど」
「イエス、マスター。マスターは冒険者Gクラスの魔法使いです」
「たはは。まだ伝説のGクラスなんだよな~(苦笑)」
「ふふ、思い出した。此方の世界に来た時に光斗君が初めて私の携帯に電話してきた時の事。あれから1クラスも上がって無いんだ(笑)」
「色々有りすぎてギルドに行けなかったからな~。ところでサツキサン。俺の光魔法属性をどうするの?」
「イエス、マスター。マスターの光属性魔力にアルフィーナ王女様がシンクロする事により、其の回路を通じてアプリへのアクセス権限を付与します。
私にアクセス出来ればシンクロハーモライズアプリを使用しマスター達のスキルとの同調が可能となります」
「成る程。まずは魔法で同調して、次にスキルの同調へと至るってわけだ」
「イエス、マスター。マスター達クラスメイト様はデフォルトで備わっていますが、通常はかなり困難なスキルです」
「だから愛の力で乗り切るんだね」
「イエス、マスター」
「私にも手伝える事があったら言ってね」
「それからマスター。新藤様にお願いが有るのですが……ゴニョゴニョ」
サツキサン…………凄すぎです。
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