幼なじみ(男)に嫁いだ時点で詰んだ俺は、その正体が淫魔でも受け入れるしかない…

pochi_koro

文字の大きさ
5 / 26

第五話

しおりを挟む
気が付けば、外は大分暗くなっていた…
「そろそろ…夕飯の準備しないとな。ってか、亜嵐も夕飯食う?」
「っえ?普通に食うよ?…二琥?なんで?」
「いや…っその…」
「っあ!淫魔は精液が食事だと思った?…くくっ…ごめんごめん…俺の説明が悪かったよ…」

「ホントそれ。…亜嵐の情報が一気に更新され過ぎて…俺もう…ついていけない…」
亜嵐は弾むように階段を降りて行く。
その後に続く俺は、一つ一つ亜嵐の情報を反芻していた…

「まあ、この先長いんだし♪それに、今まで知らなくても大丈夫だったじゃん♪」
振り返った亜嵐は、ニコニコと嬉しそうだった。
「でも…今までとは…違うだろ…?」
「んー?俺達結ばれたから?」
「その言い方…何か嫌…」
「何だよ?さっきあんなに可愛く鳴いて…二琥と俺は結ばれたじゃん♪」
「ねぇ…それも勘弁して…」

飄々と話す亜嵐に、変幻した亜嵐の姿が重なって見え…
俺は気恥ずかしさに身震いすると、亜嵐に続いて部屋へと入った。

「夕飯どうすんの?俺何か作ろうか?」
俺は気を取り直して棚を漁り始めたが、調理道具はおろか調味料すらない…
「って、何にも無いじゃん!亜嵐今まで飯どうしてたんだよ?」
「っえ?……普通に?…買ったりとか?」
「はぁ?毎日?」
「うん…道具は母さん達が全部持ってっちゃったし…」

「買い食いばっかじゃ勿体ねーな…それに身体にも良くないだろ?ちゃんと作った物食べろよ!」
「くふふ…二琥めっちゃ俺の心配するじゃん♪良いね、嫁っぽい♪」
「っはぁ?」

「んあー…二琥可愛いっ♪このまま一回する?」

亜嵐からふわりと甘い香りが立ち、僅かに瞳の色が変わり始める…

「うわーっ!待って亜嵐っ!そうだっ!買い出し行かないと!…そうだ…店閉まっちゃうし…」
「くくくっ…そうだね♪久々二琥の手料理食べたい♪」
「だろ?何が良い?」
「俺は店が閉まっちゃう位まで、此処で二琥だけ食べてても良いけど?」
「うん…っよし。行こう!」

これ以上香りが強くならないうちに、亜嵐は無視して出掛けることにした…

………
……

「ごめん…結局買ってきた蕎麦とか…」

鍋やフライパンまで買っていたら、すっかり遅くなってしまった。
「しかも…俺金持ってないし…」
勢い良く買い物に出たものの、実家諸とも経済支援を受けている身だった事をすっかり忘れてしまっていた…
「何言ってんだよ二琥~俺達夫婦なんだから♪財布は共有だろ?」

「そういう訳には…あぁっ!俺仕事無いんだった…明日から探さないとな…」
「え~?二琥働かなくていいし。俺が稼いで来るから♪」
「ん?亜嵐は王様になるんだし、働かなくていいんじゃ…」
「こっちで使う分はちゃんとこっちで稼がなきゃだし?…あっ、でも俺の稼ぎ良いから安心して♪」
「えっ?亜嵐?何の仕事?」

「うんっ…あっ…折角の引っ越し蕎麦なんだから落ち着いて食おうぜ!」
「は?誤魔化すなよ」
「えー?今度教えるから良いだろ?…ほいっ、あーん…」
「うわぁ…蕎麦は…あーんじゃねーよ」
「くくっ…じゃあ、蕎麦じゃない時にあーんするね♪」
亜嵐はその蕎麦を自分ですすると、美味しそうに頬張っていた。

………

「ごちそうさまでしたっ!んじゃあ風呂入ろうぜ♪」
「…ごちそうさま。亜嵐先に入ってこいよ?…俺ここ片付けちゃうから」
「何言ってんの二琥?一緒に入るに決まってんじゃん♪」
「…っ!」
「この家の風呂広いしっ♪」
「っムリ!…風呂は…まじで…何か…」

「何でー?風呂でしか出来ない感じ?ってあるじゃん?」
思わず片付けの手を止めて固まる。
「何を?…やだ…ムリ…」
「んくくっ…二琥やらしい想像してんの?」
「っえ?」

「背中流すとかさ?良いじゃん?」
「そんなっ…」
「こんなベタな流れ…くくっ…二琥って…本当つぼ♪」
「またそうやって…」
「幸せって事だよ♪」
亜嵐の優しい眼差しに少し鼓動が跳ねた…

そんな良い雰囲気の中辺りに漂い出した、この甘い香りに気が付きたくなかった…

「亜嵐…?」
「二琥…気が付いちゃった?」
「嫌だ…まじ…もう今日は無理…」
「ごめん…俺も無理…我慢できないっぽい…」
にじり寄ってきた亜嵐から逃げようとしたが、さっきまで蕎麦を食べていたダイニングテーブルに行く手を阻まれる…

その香りはあっという間に濃厚になると、変幻した亜嵐に唇を捕らえられていた…
「…んっ…二琥…無理だって…俺のカラダ知った後だから…この匂い…ヤバイでしょ?」
その言葉の通り、既に固く肥大している足の間を亜嵐に触って欲しくて堪らない…

その気持ちに気付いた様に、亜嵐はしゃがみこむと俺のソレを取り出して口に含む…
「んくっ…」
亜嵐の唾液の滑りを感じて腰が反る…これ以上の刺激が来たら、俺はすぐにでも果ててしまいそうだった…

「二琥のって…我慢汁まで美味しい…」
「んーっ…ふぁっ…やめっ…」

亜嵐は俺の先端を吸うと、舌で小さな穴を割り味わう様に吸い上げる…
「んんっ…んあっ…」
繰り返される快感に絆されていく…
快楽に犯された俺はテーブルに後ろ手をついたまま腰を振り、自ら亜嵐の口の奥まで押し入ろうとしていた…

「んっ…二琥…待って…」

亜嵐に促されるまま向きを替え、テーブルに手をつくと後ろから亜嵐に包まれる…
「二琥もうイッちゃいそう…一緒に気持ち良くなろ?」
そのまま亜嵐は長い指で俺の下半身を辿ると、俺の後ろからは熱くて固いモノが足の間に挟まってきた…
「んあっ…亜嵐?」
「ん?大丈夫だよ二琥?…今日は入れない…」

亜嵐の指は俺のモノを包み扱き始めると、後ろからは固い亜嵐のソレで擦られる…
亜嵐から溢れ始めた液体がぬちゅぬちゅと音を立て、扱かれている俺のモノからも卑猥な音が鳴っている…
「んっ…二琥っ…気持ち良いねっ…」
亜嵐の腰の動きが速さを増すと、俺の根元に快感が当たる…
俺は無意識に腰を動かし、俺のソレは更に肥大した…

「んくっ…二琥っ…んっ…飲ませて?」
亜嵐は切なそうにそこから離れ、俺を向き直らせしゃがみこむ…
俺は自らソレを亜嵐に差し出すと、亜嵐は愛しそうに奥まで咥えた…
「ダメっ…もう…っく…出るっ…」
亜嵐の口内の感触を味わった途端、限界まで膨らんでいた俺のモノは決壊した…

快感が腰から抜け落ちると、俺はその場にへたりこんだ…
「んくっ…っ二琥?…大丈夫?」
「っは…はぁ…はぁ…う、ん…なんとか…」
「そっか…あのさ…」
申し訳なさそうに亜嵐は自分のモノを指差し…
「二琥…これも…イカせて?」
亜嵐のソレは固いまま僅かにひくつき、果てるのを待ちわびていた…

「…えっ?…どうすれば?」
「…舐めて?」
ソレは自分にも付いているのに、目の前にするのは初めてで腰が引けてくる…
「大丈夫…苦しくないようにするから…」

「はいっ…あーん…」

亜嵐に促されるまま口を開くと、ソレは唇に擦れながら浸入してくる…
舌の上を滑るソレは俺の口内で肥大すると、ソコに流れる血流が俺にもわかる様だった…
思わず亜嵐を見上げると妖艶な笑みを浮かべている…

「んっ…二琥上手…ヤバい…良いね…」
亜嵐は優しく俺の頭を支えると、快楽の波を感じる様に腰を揺らした…

「んぐっ…んっ…っは…っん…」
酸素が足りない俺は、僅かの隙に必死で息を吸っていた…
「ダメだ…二琥っ…んあっ…苦しいよね…」
「…くちゅっ…っん…っはぁ…はぁ…はぁ…」
快感を堪え亜嵐は俺の口からソレを抜き取る。

「っん…二琥っ…そのままっ…んっ…イクよ?」
俺の目の前で亜嵐は自分を追い込みながら、苦しそうに吐息混じりの声を絞り出した…
「二琥っ…目閉じて…んっ…イクよっ…んくっ…んあぁっ…」
亜嵐の声に咄嗟に目をつむると、顔中に熱いものが注がれる…

「んっ…亜嵐…」
「んくっ…くくっ…二琥、すっごいエロい事になっちゃった…ごめんっ…待ってな…」
顔に降り注いだ熱い液体は、すぐにその熱を無くして顎や首まで垂れ落ちようとしていた…

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

【本編完結】最強魔導騎士は、騎士団長に頭を撫でて欲しい【番外編あり】

ゆらり
BL
 帝国の侵略から国境を守る、レゲムアーク皇国第一魔導騎士団の駐屯地に派遣された、新人の魔導騎士ネウクレア。  着任当日に勃発した砲撃防衛戦で、彼は敵の砲撃部隊を単独で壊滅に追いやった。  凄まじい能力を持つ彼を部下として迎え入れた騎士団長セディウスは、研究機関育ちであるネウクレアの独特な言動に戸惑いながらも、全身鎧の下に隠された……どこか歪ではあるが、純粋無垢であどけない姿に触れたことで、彼に対して強い庇護欲を抱いてしまう。  撫でて、抱きしめて、甘やかしたい。  帝国との全面戦争が迫るなか、ネウクレアへの深い想いと、皇国の守護者たる騎士としての責務の間で、セディウスは葛藤する。  独身なのに父性強めな騎士団長×不憫な生い立ちで情緒薄めな甘えたがり魔導騎士+仲が良すぎる副官コンビ。  甘いだけじゃない、骨太文体でお送りする軍記物BL小説です。番外は日常エピソード中心。ややダーク・ファンタジー寄り。  ※ぼかしなし、本当の意味で全年齢向け。 ★お気に入りやいいね、エールをありがとうございます! お気に召しましたらぜひポチリとお願いします。凄く励みになります!

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

「役立たず」と追放された神官を拾ったのは、不眠に悩む最強の騎士団長。彼の唯一の癒やし手になった俺は、その重すぎる独占欲に溺愛される

水凪しおん
BL
聖なる力を持たず、「穢れを祓う」ことしかできない神官ルカ。治癒の奇跡も起こせない彼は、聖域から「役立たず」の烙印を押され、無一文で追放されてしまう。 絶望の淵で倒れていた彼を拾ったのは、「氷の鬼神」と恐れられる最強の竜騎士団長、エヴァン・ライオネルだった。 長年の不眠と悪夢に苦しむエヴァンは、ルカの側にいるだけで不思議な安らぎを得られることに気づく。 「お前は今日から俺専用の癒やし手だ。異論は認めん」 有無を言わさず騎士団に連れ去られたルカの、無能と蔑まれた力。それは、戦場で瘴気に蝕まれる騎士たちにとって、そして孤独な鬼神の心を救う唯一の光となる奇跡だった。 追放された役立たず神官が、最強騎士団長の独占欲と溺愛に包まれ、かけがえのない居場所を見つける異世界BLファンタジー!

世界を救ったあと、勇者は盗賊に逃げられました

芦田オグリ
BL
「ずっと、ずっと好きだった」 魔王討伐の祝宴の夜。 英雄の一人である《盗賊》ヒューは、一人静かに酒を飲んでいた。そこに現れた《勇者》アレックスに秘めた想いを告げられ、抱き締められてしまう。 酔いと熱に流され、彼と一夜を共にしてしまうが、盗賊の自分は勇者に相応しくないと、ヒューはその腕からそっと抜け出し、逃亡を決意した。 その体は魔族の地で浴び続けた《魔瘴》により、静かに蝕まれていた。 一方アレックスは、世界を救った栄誉を捨て、たった一人の大切な人を追い始める。 これは十年の想いを秘めた勇者パーティーの《勇者》と、病を抱えた《盗賊》の、世界を救ったあとの話。

この俺が正ヒロインとして殿方に求愛されるわけがない!

ゆずまめ鯉
BL
五歳の頃の授業中、頭に衝撃を受けたことから、自分が、前世の妹が遊んでいた乙女ゲームの世界にいることに気づいてしまったニエル・ガルフィオン。 ニエルの外見はどこからどう見ても金髪碧眼の美少年。しかもヒロインとはくっつかないモブキャラだったので、伯爵家次男として悠々自適に暮らそうとしていた。 これなら異性にもモテると信じて疑わなかった。 ところが、正ヒロインであるイリーナと結ばれるはずのチート級メインキャラであるユージン・アイアンズが熱心に構うのは、モブで攻略対象外のニエルで……!? ユージン・アイアンズ(19)×ニエル・ガルフィオン(19) 公爵家嫡男と伯爵家次男の同い年BLです。

【連載版あり】「頭をなでてほしい」と、部下に要求された騎士団長の苦悩

ゆらり
BL
「頭をなでてほしい」と、人外レベルに強い無表情な新人騎士に要求されて、断り切れずに頭を撫で回したあげくに、深淵にはまり込んでしまう騎士団長のお話。リハビリ自家発電小説。一話完結です。 ※加筆修正が加えられています。投稿初日とは誤差があります。ご了承ください。

前世が教師だった少年は辺境で愛される

結衣可
BL
雪深い帝国北端の地で、傷つき行き倒れていた少年ミカを拾ったのは、寡黙な辺境伯ダリウスだった。妻を亡くし、幼い息子リアムと静かに暮らしていた彼は、ミカの知識と優しさに驚きつつも、次第にその穏やかな笑顔に心を癒されていく。 ミカは実は異世界からの転生者。前世の記憶を抱え、この世界でどう生きるべきか迷っていたが、リアムの教育係として過ごすうちに、“誰かに必要とされる”温もりを思い出していく。 雪の館で共に過ごす日々は、やがてお互いにとってかけがえのない時間となり、新しい日々へと続いていく――。

処理中です...