ニッチなまーったりな、異世界、楽々のーんびり通販生活♪

さよなら。TOYBEE

文字の大きさ
223 / 245

ep.129-2 馬車の力を利用しよう。

しおりを挟む
「ふうむぅ」

「無駄ですよ。王様っ。わしが伊佐木を奴隷にして、伊佐木のアイディアをすべて奪い取ったら、王国は儲かるのです! すごく簡単なやり方ですよ!」

 そんなのひどいよっ!

「王様っ。奴隷を使った仕事では、王国に夢はできませんっ! 人を奴隷にして扱う仕事では、使役する人が性格が悪くなって、王国の治政が不安定になります! 力による支配じゃ! 王国の未来は作れないんだ!」



 くそぉっ。王様。僕の説得を聞いてくれっ!




 僕は思わず、坊さんの立てカンバンをチラリと観た。


善良な人間はパラレルワールドでも育てなければできない。
人を突き落として食べるのもままならない文明で、全生存の意味を説いても、
人間は本来、好き勝手なものであるからそれで動くものではない。
人間には、人を落とす不利益を説くのではなく、
人を落とすダメージを与えた上で、
人を幸福にする意味を説くのではなく、人を幸福にする快楽を与えなければならない。
人は家畜より始末に悪く教育できない。
なぜならば自分たちが優れていると思っているからで、
ただ、自分の立場を上げるためだけに理屈を大人の振りをしながら、ムチャクチャな理屈を振りかざし、
それを無理矢理に力のないものに整えさせて、立派な人間の振りをしているのが現代文明人である。
また、それはまだ文明的な方で、単なる人を襲って居場所を奪い取るくらいの知性しか持ち合わせて
いないのが、本来の文明人類である。
そこから、色々な快楽で導いて、徐々にモラルにならした上で、
そこではじめて、人を落とし自分だけが得をすることによる不利益を説くことができる。
ただ、人を落とす不利益を説いたところで、不利益がなくなる状態を悪人の権力者が騙し、
また、不利益に落ちているのが人類である。
ただ、人の教育は無駄ではなく、
快楽でモラルを説いて、ダメージで落としあいの不毛を知りつつ、
絶望世界の現状を知るに至った人類は、
同じ同一人物でも、別のパラレルワールドで、
別人格として、全生存への意志で動く状態ともなっている。
全救済からのすべての人間の総合力を結集した文明発展で、
我々がすべての快楽を手に入れられ、それを永遠に続けられるという道理は道理で、
ただ、人間が人間であるから実現できない状態なのが現状である。
また、それはまだ知性的な世界で、もっと深刻な地獄に我々は存在する。
人格破綻者が好き放題に力を使って遊び狂い、まるでまともな世界となっていない地獄である。
それを私たち信仰はなるべく多くのパラレルワールドの人間に伝えたい。
なるべく多くの全生存を作ると、少なくとも、100年幸福に生きられる世界ができる。
逆に悪を行うと、別人格である最悪人格がパラレルで目覚め、凄惨な悪を行った人間の地獄を天文学的に増やす。
信仰に力を。

アーメンズ・インシュアラー・陀仏



 うーーーん。色々あるけど、坊さんも大変みたい。

 それより、今は僕のことだ。




 王様はひげをごしごしやりながらうなずいた。

「ふむ。伊佐木の言うことも一理あるように思える。ただ、グデロンの言うことも一理ある。あいわかった! では、二人で勝負して伊佐木を奴隷にするか、伊佐木をこれまで通り扱うか決めることにしよう」

 グデロン公爵は不機嫌そう。

「フン! わかりましたよ! それではわしの勝負品としてわしの領地の美人1万人をすべて奴隷にして、あらたに貴族向けに高級娼館を作るアイディアを出しましょうっ! 貴族はただで、わしの領地の美人を抱くことができますぞ! これに勝てる商売のアイディアが伊佐木にありますかな?」

 くそぉお。

 美人1万人を奴隷にして貴族にただであてがう。そんな仕事に勝てる仕事のアイディアってあるの?


 グデロン公爵は心の中で嘲笑っているよお。

「ぐぅわはははっ。人間はバカなのだ。結局、金といい女と快楽を与えれば、なんでも言うことを聞くのだ。わしは趣味で、わしが殴りオモチャにできる美人だけを残そうと思いついて、わざわざわしの領地の企業を好き放題に金と力でぶっつぶし、不況があると平民を怯えさせ、仕事の奪い合いを起こさせ、これからの世界は不況のために人が争ってしか生きられないし、美人じゃなければ生きられない、美形と繁殖しなきゃ老後までの安定した居場所がなくなると言って、女どもに広めたら」

「あっという間に、女どもは美形しか見向きもしなくなり、美形だけを都合よく残す、お互い同士の殺し合いをはじめて、最後にわししかわしの領地に幸福に生きられる安定した居場所がないと教えてやったら、すべて10年で美形だけになって、わしがすべてやったことなのに、不用なブサイクの平民はみんな平民のクズ同士で恨み合いいがみ合いならお互い同士が悪いと憎しみあいならが死んで、美形はなーーーんでもわしの言うことを聞く、わしの美形の殴りオモチャの奴隷になりおった。その殴りオモチャを、今度は貴族にあてがって、貴族の男をぜぇーーんぶ篭絡させて、わしの派閥の最大にし、わし以外の派閥をすべて駆逐し」

「今度は貴族どもがわしの貴族なぐりオモチャになるように、ぜぇーーーんぶ、使役してやるぞっ。わしは頭がいいのだ。そのための貴族にすべてに美形の殴りオモチャをあてがう娼館計画だわ。わしがちょっと頭を回せば、この国を自由にできる。すべては、自分たちのことしか考えられず、わしの好き放題で、自由にできるほどの脳みそしか持たぬ、殴りオモチャの美人女奴隷とかわらんわーーーい。後はバカなウソの不況でぇ、管理するのが簡単だからと、殺し合いを続けさせて、わしの言いなりで、公爵であるわしの子どもしか居場所なくなったブサイクな産業界の殴りオモチャの金持ちみたいに貴族もみぃーーんな、わしの血族だけ残して、乞食として、わしに殴られ、野タレ死ねばいいわい。ぐぅわっははははっ」









 困った。大ピンチだ!

 ええい! こうなれば異世界通販検索だ。


 スキル : 異世界通販オープン!
 検索 : 貴族を本当の意味で喜ばせるアイディア!


 さあ!

 僕のピンチを助けてくれ。異世界通販!



 えええ。

 出て来たのはこんなものだった。


 「馬車の力を使って、さくさく美味しいネギのスナック菓子を作る機械」


 ええええ。

 さくさく美味しいネギのスナック菓子を馬車で作れる機械なんて!

 なんの価値があるの?



 貴族に1万人の美人な奴隷娼婦をあてがうグデロン公爵のアイディアに勝てるのっ?



 どういうこと!? 異世界通販!



 王様が言った。

「それでは、実際、貴族100人に、グデロン公爵のアイディアが上か、伊佐木のアイディアが上か、ローデルムの貴族広場で勝負するのじゃ! これから貴族をわしの名前で100人集める! そこで勝負じゃ! 負ければ、伊佐木はグデロンの奴隷じゃ!」

 えええっ。

 やばいよっ。僕、このままだとグデロン公爵の奴隷になっちゃうよっ! どうなっちゃうの!? ネギのスナック菓子に僕の未来はあるの!?
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
 毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 連載時、HOT 1位ありがとうございました! その他、多数投稿しています。 こちらもよろしくお願いします! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

少年神官系勇者―異世界から帰還する―

mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる? 別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨ この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行) この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。 この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。 この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。 この作品は「pixiv」にも掲載しています。

俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!

くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作) 異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

一流冒険者トウマの道草旅譚

黒蓬
ファンタジー
主人公のトウマは世界の各地を旅しながら、旅先で依頼をこなす冒険者。 しかし、彼には旅先で気になるものを見つけると寄らずにはいられない道草癖があった。 そんな寄り道優先の自由気ままなトウマの旅は、今日も新たな出会いと波乱を連れてくる。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

処理中です...