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ep.127 ひとりでドラゴン退治

　うぉおおおおおおおお～♪

　燃えるぜぇーーーーー！！！　いえい！　いえい！

　ドラゴン狩りぃ～♪　ドラゴン狩りぃ～♪

　ドラゴンハントぉーーーーー！！！

　Dragon Hunt～♪　Dragon Hunt～♪

　いえい！！！！



　おっ、冒険者の掲示板がある。観てみよう～。


ドラゴンと戦うのは死の覚悟が必要だ。
俺たち「アーディナンド」はドラゴン狩りで食ってる。
２０人のチームでフォーメーションを作り、
ずっと、一人も死なずに永遠とドラゴンを狩り続けて、
俺たち２０人が全員、たらふく食って、
ゴージャスな老後を迎えるために、
ずっとドラゴン狩りの研究をチームで続けてる。

今日は２１人目のメンバーを募集したい。
上級冒険者で生きて、本気で金持ちになろうってヤツを募集する。
この言葉を聞いて答えられるメンバーを募集する。
自分たちの２０倍の火を吹いて焼き殺す相手と、２０人無傷で倒すにはどうしたらいい？
俺の言葉を感じるものがある頭のいいヤツ。腕の立つヤツ。酒場で俺たちに声を掛けてくれ。

上級冒険者　アーディナンドのサザンド


　わお！

　２０人でずっと死なずにドラゴンと戦い続ける冒険者チームがあるのか？

　なんか、チョーかっこいい。意識高い系だねぇー。

　ドラゴンって２０メートル以上あるんだよっ。

　それをたった２０人でギリギリの無傷で倒すために２０人って強いんだろうなぁ。

　いや、効率的な狩り方があるのか？

　うーん。死ぬかも知れないの恐怖を踏まえた上での２０メートルの敵の効率的な狩り方？

　なんだろ？

　ゲームだと、敵に同じ法則的な動きがあるけど、

　リアルの敵ってなにするかわからないからすっごくこわいよね？

　冒険者がんばってるな～。おっと、それよりも、今日は僕もドラゴン狩りだ。

　しかも、たった一人で。

　ひぇええええええええ。



　絶死！！！！

　あるとき、僕がナタリーさんとお酒を一緒に飲んだときにナタリーさんが言ってた言葉だ。

「死っていうのはさぁ。伊佐木っ。怯えてると近寄って来て、アタシたちをメチャクチャに痛めつけてくるもんなんだよっ。アタシはまだチビのときに、小さいからパーティも組めないでねぇ。ずっと一人でどんな手を使っても生き延びてやろうと孤児でひとりで８歳で、中級ダンジョンの１Fのキラーアントのぼっち狩りをギリギリでやってたとき、そこで、パーティで死の恐怖に怯え続けて、壮絶な仲間われとパニックで、キラーアントにムチャクチャ襲われて、ムチャクチャにむし食われてるのを見たんだっ」

「それでどうしたんです。ナタリーさん。かんぱーい」

「おうっ。かんぱーーいっ。で、そんとき、その冒険者たちは「死にたくねえっ」「おめえのせいだっ」「いってええ。俺がなんでこんな目にっ。俺を助けろぉおお」とか、ほざいてやがったんだっ。なんてバカなヤツだい！！！　アタシはそのとき思ったよっ。今、死の痛みがあるときにっ、人のせいだとか、自分を助けろとかほざいてるから、余計に壮絶に痛い目に遭うんだってねっ。死の恐怖はアタシらを生かしてくれるアタシらに備わった生物の高度な洗練された最強の知恵さ！！！！　人間ってのは死の恐怖をサイキョーの高度魔道センサーに変えて生き延びるんだよ！！！！　無駄な雑念が人に痛みを引き寄せやがんだよっ。冒険者で強くなるためには、高度客観って技が必要でねえええ。アタシはぜってえええに、死の瞬間まで、こんな自分たちの窮地も理解できない無様なことはしない！！！！　かんぱーーいっ。プハっ」

「おうっ。ナタリーさん、いい飲みっぷりですねぇーーーっ」

「当然さっ。アタシは命掛けで生き延びたんだっ。すごい楽しく生きる気で、今日の酒を飲むさっ。今日をサイコーに生きてやるさっ！！！　かんぱーーい。なあ、聞けよ。伊佐木っ。アタシはそこから８歳でローデルムで、恐怖センサーと、高度客観と、戦闘感としてもブチ切れで、たった一人で生き延びて、ローデルムで最強の冒険者になったつもりだよおっ。死の恐怖を使ったんだ！！！　そこから、絶死だ！！！！　間違いないっ。ローデルムじゃ私が最強だねっ。いや、世界でもアタシが最強だよっ」

「よっ。ナタリーさん、最強っ」

「おうっ！！！　褒め上手だねえ。伊佐木っ。今度エッチしてやるかもねえ。ハハハッ、そして、人間ってのは絶対に死ぬんだってことを自覚した上で、自分を守るためにギリギリで警鐘を鳴らして来る死の恐怖を盾にして、ギリギリな苦痛をかわして、高度客観で瞬間的に自分の知恵をすべて振り絞って、後はブチ切れだよ！！！　敵を必ず倒すっていう一瞬のキレ！！！！　全力で死を乗り越えて、どこまでも強いヤツをやってやるんだって思う、絶死の気持ちが必要なんだって気づいたわけさっ。人間っていうのは死のその瞬間まで絶死の気持ちで戦い抜いて、そして、死を乗り越えてやるって絶対に必要なんだって話だよぉ。傷を負って痛みがあるときほど、生きる命の炎を燃やせ！！！！　生きるエネルギーを無駄にするな！！！　パワーだね！！！！　絶死だっ！　絶死だよっ。伊佐木。かんぱーーーい」

「よっ。ナタリーさんっ、世界サイキョーーーっ。僕はずっとついて行きますよぉーーーーー！」
、


　で・・・



　今日はナタリーさんに無理矢理上級者ダンジョンに連れて行かれて、ひとりでドラゴンを倒せとか言われた☆彡

　ひぇええええええ。

　かなり無茶だよっ。なんで、商人で戦う事なんてしたことがない僕が、ひとりでドラゴンなんて倒さないとならないのおおおおお。



　ナタリーさんは言う。

「いつか話したけど、男ってのは、いずれにせよ、自分がどうしてもかなわない強いヤツと死ぬ覚悟で戦う絶死の気持ちを持ってなきゃ、長い人生で生きて行けないんだよっ。あんたも男になりな！！！！　おらっ。ドラゴンを倒すんだよっ。男になるんだ！！！！」


　そこは龍の平原という、龍が群雄割拠して殺し合いをしている平原で、その中で、一匹だけはぐれて獲物を探しているファイヤードラゴンをナタリーさんは見つけて、そいつに向かって、僕を押し出した。



　ドン！！！！！

　２５メートルのファイヤードラゴンが、僕を見つけて、怒りの声を上げた。


「ぎゃあぁぼおおおおっ。ギャアアァアアアっ」

　ひえええええええ。



　ファイヤードラゴンは、敵とみるとムチャクチャに狂暴性を持って炎を放って殺しに来る、冒険者が２０人以上で倒すような恐ろしい強敵だ！！！！

　上級冒険者チームのアーディナンドも２０人でチームでずっとドラゴンと戦い続けてる。

　２５メートルのファイヤードラゴンは、僕を目の前にすると、小蟻をいたぶるように、下にいる僕に腕の爪で襲いかかって来たッ。

　ひいいいい

　僕がかわすと、真上からクビをイラつきながら振って、口の中にぶくぶく炎を溜めてから、僕を狙って、ムチャクチャに炎を吐き出して、僕を焼き殺そうとして来たっ。

　ごおおおおおおおおおおおおおお

「うわぁあああああっ」



　慌てて、僕はドラゴンの炎を避けて、走り回りながら、逃げ回り続ける。


　ひえええええ。ひつこい。攻撃だ。ドラゴンはドンドン顔を動かして獲物である僕を睨みつけ、炎を僕に向かって、何度も放って、獲物の僕を殺そうとするよっ。

　僕がなんとかドラゴンの攻撃をかわすと、ドラゴンは僕を殺すのに失敗して怒り狂って、地面をドンドンムチャクチャに踏みならした！！！

「ぎゃあぁぼおおおおっ。ギャアアァアアアっ」


　ドシン！！！

　ドシン！！！




　そんな中、少し離れた場所でそれを見守ってるナタリーさんは僕を煽って、ムチャクチャなことを言う。

「おらおらっ！！！　そんなことじゃ、男になれないよっ。戦いなぁあ！！！　絶死だよっ！　絶死！！！！　死を乗り越える覚悟で戦いなぁっ。ドラゴンを倒したら、あたしがエッチさせてあげるかも知れないよおおっ」

「そ、そんなバカなっ。一人でドラゴンなんて倒せないですよっ」

「うるさいっ！！！！　お調子もんのあんたが酒の席で酔っぱらってアタシにいつか言ったろうっ！！！　ナタリーさんきれいですねーーーっ。僕もナタリーさんの言うとおりだと思いますぅーーーー。必ず、僕もいつか、絶死に至って、ナタリーさんを越える冒険者になってみせますよーーーーぅてさ。今日、約束を果たしなっ！！！！　あんた口だけで、アタシが許すと思ってんのかいっ！！！！」


　ひぇええええええ。酒飲んだときのことなんて覚えてないよおおおおお。