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賭け引き
しおりを挟む猫耳少女の涙を見たとき、自分は悪いことをしているのではないだろうか
これでは盗賊と同じことをしている気がする。
少女の涙で目が覚めたアレクは、姉妹が助かる道を模索することにした。
模索した末に、荒いかもしれないがこの手に賭けてみようと思った。
「アベルさんに頼みがあります」
「ほう、なんでしょう」
「この猫耳少女を三つの条件付きで金貨100枚で買い取ってもらいたい」
「その条件をお聞きしましょう」
「一つ目はメイド服姿の猫耳少女を買い取り金貨100枚で解放してほしい」
「二つ目は僕が売った猫耳少女を再び買い取るための資金を準備するために猶予をください」
「三つ目は猶予までの間、彼女を奴隷としてではなく、保護してください」
アレクの条件を聞いた商館の主はしばらく考えていたが、やがて回答を得たようだった。
「ほっほっほ、これはなかなか面白い賭け引きですな」
「どうやらあなた様はそちらの猫耳少女も大切だと見受けられる」
隣にいる猫耳少女は泣き後を残しながらも、少しほっとしたような表情でアレクを見つめている。
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