オーデンスのΩの物語《I》

風鈴

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《第一部》一途なΩは幼馴染のαに恋をする

ミッシェルとの出会い(2)

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 ミッシェルは、少し落ち着いて来てリュウールに対しての疑問を聞く事にした。
「リュウールはどうしてここにいるんだ?」
 リュウールは、ここにいる訳を話し出した。
「君も知っての通り入学以来いろんな騒動が起きてへきへきしていた時にここに迷い込んであまりにも人気ひとけがなくて息ができる場所だった。今は、俺の兄に愚痴たら、入学式の頃よりは結構静かになって来たんだけど、ゆっくり本を読むならここは結構静かでバラの匂いがして快適なんだが、僕達中等部の教室棟からは遠い。ここからだとベルがなる前にここをでないと授業には間に合わない。出遅れたら自ずと授業をサボってしまう事になる」
「そうか、それともう一つさっきから気になっているんだが、君の読んでいる本って結構難しくないか?」
「あぁ、僕は本を読み始めたのが10歳頃で、始めは文字を読む事に精一杯で余り好きじゃなかった。だけど読むに連れて爆発的に読みたくなって、手当たり次第に読み漁った結果、修道院にある本を全て読んでしまったんだ」
「えっ、そんなに」
「うん、だから、中等部の図書館をみて未だ読んでない本が有るから嬉しかったよ」
「だから、その本なんだ。失礼だけど、君この前の試験の成績ビリ3じゃなかった?噂で聞いたけど」
「あぁ、僕の親父様はΩが勉強して知恵を持つことを嫌っているんだ。α至上主義者?って言う考えだから、学園に通う為には成績は、必要じゃないビリでいた方が良い豪語している。一度成績が親に送られた時にΩには知恵はいらないって言われて凄い剣幕で怒られた」
「えっー!そんなのおかしくない、絶対おかしいって」
「僕もおかしいって思っているけど、学園に通いたいし、僕らはまだ未成年だからし保護者の機嫌損ねたくはないから、否応なしに受けいれる事しかできないんだ」
 リュウールの言い分を聞いて、ミッシェルはカーッときた。
「嘘だろう!そんな理不尽な事を言う親がいるなんて頭にくる、それじゃ、わかった。リュウールの父親をどうこうするのがダメなら、学園側に譲歩させれば良いと思うけど」
「そんな事できる筈ない、って思うけど」
「何言っているのだ、さっきまでセバスチャン殿下の事をご両親様に言いつけるって言ってたのに」
「それは、国王陛下や王妃は僕にとっては母親の親友で、おじさんやおばさんって感じだし2人には何かあれば告げ口でも良いから連絡を入れて欲しいって頼まれている」
「リュウールの常識ってやっぱり違うよ」
「一応あれでも実の父親で養ってくれているし、あまりあの人を刺激したくない、母親が亡くなって涙が出なくなってしまったような人だから見捨てたくない。どんな事があっても僕は学園には登校したい。僕は学園長を直接知っている訳じゃないし、見た事はあっても話した事も無い。それに彼はここで1番偉い人だからおいそれと会えないだろう」
「僕は、産んで養うだけが親じゃないと思うぞ。いくら自分が大変でも、自分子供の事を蔑ろにする事はダメだと思う親を動かす事ができないなら、実力行使するしかないんじゃない。ちゃんと授業料を払っている学園側を動かす方が楽だと思うけど」
「なるほどな、ミッシェルって思った以上に合理的で大胆な策を考えるよな」
「大胆な事については、リュウールに言われたくない」
 授業終了の鐘が鳴る
「そろそろ、教室に行こう、次の授業もサボってしまうことになったら大変だ」
「もう、もう少しリュウールと話したいなぁ、でもこれからは友達となってくれない?よろしくお願いします」
「本当に僕なんかと友達にありがとう、こちらこそよろしくお願いするよ」
 リュウールとミッシェルは急いで教室に戻って行った。それから2人は一緒に行動すること多くなり、『トルベールの女神』と言われて行く。
 リュウールとって初めてできた同じ歳の友人のミッシェルとの出会いはこれからの学園生活を楽しくしてくれると思うとリュウールの胸にワクワクとした感情が芽生えた。ミッシェルは伝説の『オーデンスのΩ』と友人になれて彼もまた、これから面白い日々になると思った。
 ミッシェルは、リュウールと友人になって以来2人で歩いて学園内を歩く事が多くなった。するとセバスチャン殿下やリュウールの取り巻きになりたいやつらが、手を出さないことがわかって、益々リュウールとミッシェルはより強い友情で結ばれて行った。
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